糖尿病予備軍である「境界型」とは?対策のために今日からできる生活の工夫について解説!
こんにちは!
医療ライターの村川さおりです。
みなさんは糖尿病予備軍である糖尿病の「境界型」について知っていますか?
「境界型」は糖尿病ではないですが、正常よりは血糖値が高い状態です。
そのまま放っておくと糖尿病へ進行するリスクもあるため、生活習慣の見直しを図っていくことが大切。
今回の記事では、
「境界型とはどういう状態なのか」、
「糖尿病に進行しないためにどんなことに気を付けて生活すればいいか」
などを解説していきます。
この記事を読むことで、「境界型」への理解を深め、今日から生活習慣を見直すことができます。
健康な体を守るため、まずは知るところから始めていきましょう!
別記事では糖尿病の症状や診断などについて解説しておりますので、糖尿病について気になる方はぜひこちらもご覧ください。
境界型とは:糖尿病と正常の間の状態
「境界型」は糖尿病と診断はされないものの、正常より血糖値が高めな状態です。
「境界型」には「耐糖能異常(IGT)」と「空腹時血糖異常(IFG)」の2種類があります。
耐糖能異常(IGT)
・75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の2時間値が140mg/dL〜199mg/dL
・空腹時血糖値が126mg/dL未満
に当てはまる状態。
つまり、食後の血糖値が高めで下がりにくいタイプです。
空腹時血糖異常(IFG)
・空腹時血糖値が110mg/dL〜125mg/dL
・75gOGTTの2時間値が140mg/dL未満
に当てはまる状態。
つまり、朝の空腹状態でも血糖値が高いタイプです。
👉75gOGTTとは
空腹時血糖値を測定した後に75g相当のブドウ糖が溶けた液を飲み、そこから30 分後、1時間後、2時間後の血糖値を調べる検査。
👉空腹時血糖値とは
10時間以上食事を食べない状態で採血した際の血糖値
境界型の人は正常な人と比べて糖尿病になりやすいことが分かっています。
高血圧・脂質異常症・高尿酸血症などの生活習慣病にもなりやすく、将来的に心筋梗塞・脳梗塞などの病気を発症する可能性も高くなります。

血糖値が高くなる原因:悪い生活習慣によりインスリンが効きにくくなる
通常食事をとると、摂取した糖質が消化・吸収されて血糖値が上がります。
血糖値の上昇を感知して、血糖値を下げる働きをするインスリンが膵臓から分泌されることで、正常な血糖値に戻ります。
食べ過ぎや運動不足といった悪い生活習慣の継続や肥満の状態だと、インスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなってしまうのです。
ストレスが要因となって血糖値の上昇につながるケースもあります。

今日からできる!生活習慣の4つの工夫
「境界型」は自覚症状がないため、血糖値が高い状態に気づきにくいです。
将来的に糖尿病に進行するリスクや、心筋梗塞・脳梗塞といった合併症を引き起こす可能性もあり、生活習慣を見直すことが大切になります。
仕事や家庭など忙しい日々を送っていて生活習慣を見直すのは難しい!
と感じる方でも、今日から気軽にできる、生活習慣の工夫を解説していきますね。
①食事での工夫を取り入れる
・ゆっくりよく噛んで食べる
・腹8分目に抑える
・1日3食規則正しく食べる
・野菜やキノコ類、海藻類などの食物繊維を先に摂取する
・料理を小皿に盛り付ける
・間食やアルコールを減らす、控える
・外食時は丼などの単品は控え、定食などの品数が多く、材料の食品数が多いものを選ぶ
ゆっくりとよく噛んで食べることや料理の盛り付け方を工夫することは、食べ過ぎ防止におすすめです。
これは、食後血糖値の急上昇を抑えることにもつながります。
食物繊維を摂取することでは
・食後の血糖値の上昇を緩やかにする
・便が出やすくなる
・食後の消化吸収をゆっくりにする
・空腹感を抑える
といった効果も期待できます。
外食時にはカロリーや塩分・糖質・脂質の摂りすぎ、野菜不足になりがちです。
なるべくメニューの中から栄養バランスの良いものを選ぶなど意識すると良いでしょう。
②運動を取り入れる
運動をすると糖がエネルギー源として利用され、血糖値が下がります。
日々忙しい中で運動をするのは大変。
しかし、軽い運動であっても長期間継続することで、インスリンが効きにくい状態を改善させる効果が期待できるのです。
まずは、日常生活動作によるエネルギー消費、つまり非運動性熱産生(NEAT)を増やすことがおすすめです。
NEATには姿勢の保持や家事、買い物、通勤などの移動、余暇活動など、さまざまな活動が含まれ、身体活動によるエネルギー消費の大部分を占めるとされています。
また、厚生労働省は健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)にて、今より10分多く体を動かすことを推奨しています。
・階段を使う
・通勤方法に徒歩や自転車を取り入れる
・仕事やテレビ・スマホを触るなど座りっぱなしを避け、途中で立ち上がってストレッチをする
・テレビを見ながらストレッチや筋トレをする
など、小さなことから生活に取り入れていきましょう。
③ストレスを溜めない工夫を取り入れる
ストレスを完全に無くすことは難しいですが、発散方法を見つけてうまく気分転換していきましょう。
・軽い運動取り入れる
・趣味の時間を作る
・十分な睡眠をとる
・ゆっくり入浴してリラックスする
・好きな音楽を聴く
など、自分に合った方法を探してみてください。
④血糖値をチェックする習慣を作る
自覚症状がなく気づきにくいため、健診を毎年受けるなど、自分の血糖値を知る機会を作ることが大切です。
まとめ
・血糖値が高くなる原因には、食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレスなどの要因がある。
・境界型とは糖尿病ではないものの、正常より血糖値が高い状態。
・境界型は放っておくと糖尿病に進行する危険性があるが、食事や運動など少しの生活習慣の見直しと継続で血糖値を改善していくことができる。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
忙しい日々の中で食事や運動に意識を向けることは大変ですが、大きな目標や完璧を目指すのではなく、まずは少しの工夫から取り入れてみましょう!
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疾患解説記事以外にも、自己紹介記事やライターとしての活動記録、看護師の働き方などの記事も執筆しておりますので、良かったら他の記事も読んでみてください。
出典・参考
(1) 日本糖尿病学会(2024)糖尿病治療ガイド2024.文光堂
(2)日本糖尿病学会(2023) 糖尿病治療の手びき2023 (改訂第58版増補) .南江堂
(3)小田原雅人(2021) 運動・からだ図解 糖尿病・代謝・内分泌のしくみ.マイナビ出版
(4)一般社団法人 日本糖尿病療養指導士認定機構(2024)糖尿病療養指導士ガイドブック2024 糖尿病療養指導士の学習目標と課題.株式会社メディカルレビュー社
(5)厚生労働省.アクティブガイド-健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023-(アクティブガイド2023)成人版.https://www.mhlw.go.jp/content/001361383.pdf(参照2025年10月22日)
(6)厚生労働省.アクティブガイド-健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023-(アクティブガイド2023)高齢者版.https://www.mhlw.go.jp/content/001361384.pdf(参照2025年10月22日)
