糖尿病はどうやって診断される?血糖値以外にも大切な要素について解説
こんにちは!
医療ライターの村川さおりです。
みなさんは糖尿病に対して「血糖値が高い」というイメージから、採血をした際の血糖値が一回高いだけで糖尿病と診断されると思っていませんか?
血糖値はもちろん重要な検査項目ですが、それ以外にもHbA1cや糖尿病の典型的な症状の有無などを総合的に判断することが大切です。
今回の記事では、日本糖尿病学会が定める糖尿病の診断基準について、わかりやすく解説していきます。
前回の糖尿病解説記事では、血糖値が高くなる原因や糖尿病の典型的な症状などについて説明しています。
まだ読んでいない方は、ぜひこちらも読んでみてください。
おさらい:糖尿病とは血糖値が高い状態が続く病気
糖尿病とは、血糖値を下げる働きをするインスリンというホルモンの分泌量が不足したり効きが悪くなることにより、血液中のグルコース(ブドウ糖)つまり血糖値が高い状態が続く病気です。

診断では血糖値、HbA1c、症状・合併症の有無で総合的に判断する
糖尿病と診断するには、血糖値が高い状態が続いていることを証明する必要があります。
そのためには採血検査を実施して、血糖値とHbA1cを調べます。
検査結果から「糖尿病型」に当てはまることや、場合によっては糖尿病の典型的な症状・合併症の有無を確認して診断します。
HbA1c とは
過去1~2ヶ月の血糖値の平均値を反映する検査項目。
血糖値が食事から採血までの時間の影響を受けやすい一方で、HbA1cは食事の影響を受けにくく、糖尿病の早期発見やコントロールの状態を評価するのに有用。
糖尿病型とは?
以下の4つのいずれかが確認されれば、「糖尿病型」と判定されます。
空腹時血糖値が126mg/dL以上
👉10時間以上食事を食べない状態で採血した際の血糖値75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の2時間値の血糖値が200mg/dL以上
随時血糖値が200mg/dL以上
👉検査前の飲食に関わらず採血した際の血糖値HbA1cが6.5%以上
75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)とは
空腹時血糖値を測定した後に75g分相当のブドウ糖が溶けた液を飲み、そこから30分後、1時間後、2時間後の血糖値を調べる検査。

診断の流れ
診断を行う際には「血糖値が糖尿病型であること」が重要です。
HbA1cは糖尿病以外の要因でも高くなることがあるからです。
1回の検査で診断される場合もあれば、別日に再検査して診断される場合もあります。
【1回の検査で診断される場合】
・血糖値とHbA1c のどちらも糖尿病型であることを確認できる場合
①空腹時血糖値126mg/dL以上
②OGTT2時間値200mg/dL以上
③随時血糖値200mg/dL以上
の①〜③のいずれか
+
「HbA1c:6.5%以上」を一回の採血検査で同時に満たしている状態
・血糖値が糖尿病型であり糖尿病の典型的な症状や合併症がある場合
①空腹時血糖値126mg/dL以上
②OGTT2時間値200mg/dL以上
③随時血糖値200mg/dL以上
の①〜③のいずれか
+
④糖尿病の典型的な症状がある
👉口が渇く、水分をたくさん飲む、尿量が多い、食べているのに痩せてくる など
or
⑤確実な糖尿病網膜症がある
👉眼科での検査にて確認
のいずれかが認められる場合には、1回の検査で糖尿病と診断されます。
糖尿病網膜症とは
糖尿病が原因で目の網膜に起きる障害。
高血糖の状態が長く続くと目の網膜に広がっている毛細血管が傷つき、進行すると失明することもある。
【別日の再検査が必要な場合】
・血糖値のみ糖尿病型に当てはまるが、糖尿病の典型的症状や網膜症が認められない場合
・HbA1cのみ糖尿病型に当てはまる場合
これらの場合は、別日に改めて再検査を行います。
再検査を行った結果、以下の3つのどれかに当てはまる場合には糖尿病と診断できます。
再検査で血糖値とHbA1cともに糖尿病型
再検査で血糖値のみ糖尿病型
初回検査で血糖値のみ糖尿病型→再検査でHbA1cのみ糖尿病型
一方で、再検査で以下の2つのどちらかに当てはまる場合には、「糖尿病の疑い」として3~6ヶ月以内に血糖値やHbA1cの再検査を行います。
・いずれも糖尿病型でない
・初回検査と再検査の両方でHbA1cのみ糖尿病型
おわりに
今回の記事では、糖尿病の診断に必要な項目と診断の流れについて説明しました。
糖尿病は自覚症状がないことも多いですが、症状がなくても血糖値やHbA1cといった採血結果、糖尿病網膜症の有無で判断して診断される場合もあります。
血糖値やHbA1cは健康診断の採血検査で調べられている項目だと思いますので、糖尿病が気になる方は診断基準の数値を参考にしたり、当てはまる自覚症状がないか振り返ってみてもいいでしょう。
ただ、糖尿病の診断基準に当てはまらないから全く問題なし!とは言えません。
糖尿病の診断には至らないけれど、正常よりは血糖値が高い「境界型」というものもあります。
境界型に関してはまた別の記事で解説していきます。
今回の記事が参考になりましたら、スキやコメント、フォローなどのリアクションをいただけると励みになります!
興味を持ってくださった方は、ぜひ自己紹介記事や過去の記事も読んでみてくださいね。
参考文献
(1) 日本糖尿病学会(2024)糖尿病治療ガイド2024.文光堂
(2)土方ふじ子(2025) まるごと図解 糖尿病看護&血糖コントロール.照林社
(3)厚生労働省.HbA1c.最終更新2023年6月20日.https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-066(参照2025年10月13日)
(4)厚生労働省.糖尿病網膜症.最終更新2024年8月26日.https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-061(参照2025年10月13日)
