ランチ読書感想文その4 「あなたの人生の物語」 テッド・チャン
毎度おなじみ(でもない)、ランチタイムに弁当食べながら読んだ本の感想をお届けするコーナーの、第4弾です。
今回選んで読了したのがこちらの本。
地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者のルイーズは、まったく異なる彼らの言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく……ネビュラ賞を受賞した感動の表題作(映画化名「メッセージ」)はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語――ネビュラ賞受賞作「バビロンの塔」ほか、全8篇を収録。解説/山岸真
〔収録作品〕
バビロンの塔
理解
ゼロで割る
あなたの人生の物語
七十二文字
人類科学(ヒューマン・サイエンス)の進化
地獄とは神の不在なり
顔の美醜について――ドキュメンタリー
SF短編集で、映画化された作品、ヒューゴー賞受賞作品、ネビュラ賞受賞作品が含まれるなかなかゴージャスな内容となっています。
これら3作品の他の短編も、非常に評価が高いものばかりです。
私の総評
おもしろかったけど、ほぼ全部オチがもやっとしていて困った……
どの作品も素晴らしいSF的発想(センス・オブ・ワンダー)をもつ見事なSF小説。
でもオチが”私には”すっきりしないものばかりでした。
そう、あくまでも私には、です。
私はどうにも、投げっぱなしというかぼやかしたというか、どうにでもとれる結末というのはあまり好きじゃないのです。
これを文学的素養のなさから来てるんじゃ?などと言われても、まあそうかも知れないとしか言いようがない。
確かに私はSF小説マニアというよりは、テンプレ展開ステレオタイプ上等のマンガ野郎である側面が強いという自覚はあります。
私的には、物語にはなんでもいいからオチがあって欲しいのです。
短編は特に。
投げっぱなしジャーマンはヤダ(笑)
ということで、ちょっともやもやした読後感を得てしまったのでした。
作品別感想
「バビロンの塔」
すごい高い、それがもはや一つの世界であるような塔を登る話。
面白かった。
これはオチがありました。
これはもしかして弐瓶勉さんの「タワーダンジョン」のインスパイア元の一つかな???(私の勝手な感想です)
「理解」
薬の副作用で超人類になった人の話。
おもしろかった。
これもちゃんとオチがありました。
「攻殻機動隊」の本家2巻を読んだときも感じたのですが、
この手のタイプの超人類になるってめんどくせえな、
って思いました。
(どういうタイプかというと、ものすごい能力を持ってるんだけど、一つの事象に対して自分で論理的に考えて対策をきっちり自分で行う、あるいは詳細にAIに指示するタイプ。流れとかオートとかでうまくいくタイプの真逆)
「あなたの人生の物語」
やったー!宇宙人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
と思ったけど、実は一回読んだだけでは、お話の構造が理解できませんでした。
理解してからは「はーすっごい」となりましたが。
あとオチがないです。
映画版はちゃんとあるのかな。
なさそうだな……。
とはいうものの、思考形態がまったく違う異星人とのコンタクトを描いた作品なので、そんな異星人の行動など人類には理解できない、という意味ではこういうお話の締め方になるのも必然だったのでしょう。
「地獄とは神の不在なり」
「顔の美醜について――ドキュメンタリー」
どちらも、こんな世界はいやーん、と思わさせてくれる世界感の発想が素晴らしかった。
まとめ
ということで名作SF短編集であることはまちがいないです。
そして私よりも文学的素養の高い方には、「あとは読者におまかせするオチ」もきっと楽しめることでしょう。
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