インディフィニト・ノート 46話
<前話までのあらすじ>
話の流れから天海ミサと何故か指切りげんまんをすることになった安藤。子供の頃に流行った遊びだが大人になってやるとは思わなかった。真弓が
トイレから戻った頃、店の外に不審な格好をした男が防犯カメラに映って
いた。安藤は記憶に浸ることを中止して真弓の話を聞く事にした。まさか
天海ミサについてだとは思わなかったが……。
1話は<1~5P>こちらから
45話は<221~225P>こちらから
46話<226~230P>
「この後、二次会のカラオケに行くんだからある程度、酔いは覚まさないと道中が危険だ」
リーゼントの男性店員から、お冷を直接受け取ると真弓に飲むように促す安藤。冷たい水が入ったグラスを半分まで飲み干してから真弓が口を開く。
「何で一緒に参加しないんですか?」
「今日は急用があって無理なんだ」
「そんな事言って二次会がカラオケの時の出席率は0%ですよ。小学生でも分かりますよ」
「バレてたら仕方がない。人前で歌うのは昔から苦手なんだ。カラオケ以外なら全部参加してるだろ」
「ボーリングにビリヤードにパターゴルフ。球技が得意なのはウチの部署なら全員知っています。たまに手を抜いてますよね?」
「それもバレてるのかっ。まいったな~」
仕事で頼られる事はあってもプライベートで言葉責めしてくる人間は真弓くらいしか居ないので久々に冷や汗をかいてしまう安藤。
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10分後、席を立ってトイレから戻ってきた真弓が隣の席に着いて話し始めた。
「酔いも冷めてきたので課長を苛めるのは、この辺にします」
「あぁ、そうして貰えると助かる」
安藤は本音を口にだしながら真弓の足元の動きがしっかりしていることに気付いていた。
「新人ちゃんと話した時にオカルトが趣味だって話になったんですよ。特に男子の一人が詳しく知りたいって事で盛り上がってたんですよー」
「オカルトねぇ~コックリさんとかトイレの花子さんなら知ってるけど」
「課長、時々、年齢詐称してるって言われません?」
「たまに言われる。兄貴の影響が強いだけでギリ昭和生まれだよ」
「成程、平成生まれではないって事ですよね。実は生まれ変わりとか⁉」
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「まぁ、そうだな。只、個人的には宇宙人は地球に存在すると思っている」
「急に宇宙人の話ですか。私の話に被せて潰そうとしてますよね?」
「そんな事もないけどね」
「じゃぁ、またの機会に聞くので今回は黙ってて下さい」
「分かったよ」
二人共、別に怒っているという風でも無かったので真弓は話を続けた。
「どうやら魔界の扉を開ける儀式として必要な物が四つあるみたいなんです」
「ふぅーん。魔界の扉と来たか。中学生なら泣いて喜びそうな話だな」
オカルトから宇宙人の話題になって魔界の扉へと続くとは思わない安藤。
「課長は泣いて喜ばないんですか?」
「喜ぶような歳ではないさ。少年の心も何処かへ置き忘れているんだよな。実際に扉が開くんなら見てみたい気もする」
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「まぁ私も見た事もない事を簡単に信じる程、純粋な気持ちは持ち合わせてないんですけど四つ用意しないといけないって妙にリアルじゃないですか」
熱がこもってきている真弓。
「話のネタにもなるし聞かない選択肢は無かったって事だな」
安藤の合いの手も絶妙で喋りやすい状況をずっとキープし続けている。
「そうなんです。必要な物は爪の破片、絶望の涙、聖水、生贄の血。一つでも欠けたらダメで女性が好ましいと言ってましたっ」
ずっと言いたかった事を話せた安堵感から真弓は残りの水を一気に飲み干した。
「断定せずに好ましいってのが絶妙なラインだな。でも女性と考えるなら聖水=尿というニュアンスなのかい?」
「もちろん、課長が求めた答えを本人がはっきりとは明言しませんでしたが顔を赤らめていたので間違いないと思います」
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一瞬変な空気になりかけたので安藤は質問を変えた。
「そうだ。魔界の扉に対しては何か言及してたんだろうか?」
「それなんですけど誰も興味がなかったのか質問が無くて何も話していないんです」
真弓は思わず頭をポリポリとかく。
「成程、つまり魔界の扉が開いたらどうなるかには興味がなくなってしまった訳だ」
「申し訳ありません」
視線を逸らして気まずそうにしている真弓。
「いやいや、香川君が謝ることではないし、そもそも取引先との接待とは、関係のない社内交流の飲みの席の話だろう」
「そうですが、具体的に何が起こるかは聞いておいて良かったんじゃないのかなと……」
「まぁ、気持ちは分かるが自分をあまり責めない方が良いぞ」
律儀な性格なのが分かって仕事仲間として改めて信頼できると思った安藤だった。
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46話<226~230P>
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