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インディフィニト・ノート 45話

<前話までのあらすじ>

 トイレから戻った神永はカウンター席に座っていた香田真弓の相談に乗り始める。想像と違った話で驚いたが元々聞き上手であったので相手の言いたい事を全て吐き出させる事に成功していた。最近巷で噂になっている連続殺人鬼の犯人を考察するのが一部の社内の間で流行っていた事が分かった。何が流行るか分からないと思いながら真弓が席を外したタイミングで天海ミサ
と初対面した時の様子を思い出していた。

 
1話は<1~5P>こちらから
44話は<216~220P>こちらから

         45話<221~225P>

「分かりました。覚えるまでは繰り返し聞くようにします」
「もちろん聞く対象は私でも構わないよ」
 安藤は、近寄りがたい上司は目指していないので砕けた感じで話した後、酒を口に含む。

「では遠慮なく。今、彼女さんは居ますか?」
 喉を通過する前に口に含んだ酒を横向きになりながら全て吹き出してしまう安藤。
「私の顔に吹きかけたら責任取って彼女にして貰おうと思ってたんですけどダメでしたね」

 てへぺろを思わせる照れ笑いをする際に舌を出す仕草を当たり前のようにこなすミサ。
「天海さん。ここは合コンじゃないんだぞ。私に彼女がいるかどうかは君に関係ないと思うがね」

 口調はトゲトゲしかったが、てへぺろを初被弾したので悪い気はしなかった。他の社員から観たらニヤケていたと思う。
「関係ありますよ。モテない上司よりモテる上司の方が尊敬できますっ」 

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 ミサのドヤ顔を見せられて何を見せられているんだか混乱してしまったが話題を変えた。
「ここの近くに美味しいチーズケーキ専門店があるから今度、差し入れで持って来るよ」

「じゃぁ約束ですよ!」
 ミサは、右手をグーに握り込んでから小指を出すと安藤の顔の前に持っていく。
「指切りげんまん⁉」

 流石に恥ずかしそうな表情になる安藤。
「はい。そうです。何か可笑しいですか?」
 先程から、このペースに巻き込まれているのだが断る事が野暮な気もしてきたので安藤は同様に右手の小指を出して、お互いの小指を絡めて見詰め合った。

「分かった。指切りげんまんをしよう」
「指切りげんまん、嘘付いたら針千本飲ーます。指切った」
 上下に振りながらミサの声の方が大きかったが課長の昇進祝いに行う内容ではないので恥ずかしがるのは仕方ないと言えるだろう。

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 安藤は、成人してからネットで検索した事があるのを思い出していた。どうやら遊郭で行われた『指切り』という風習が、その元とされているみたいだ。男性に『自分の変わらぬ愛』を示す証として指を切って渡す時代が、あったという。

 髪の毛や爪などとは違って、二度と再生しないため、それほどの強い愛を
相手に対して持っていますという意思表示だったのだ。
 あくまでも、とても昔の話だ。彼女は、そこまでの意味は求めていないだろう。ちなみに漢字で指切拳万と書く。

 げんまんには約束を破ったら1万回殴るという意味もあるのは知らなかった。普通に考えて1万回も殴ったとしたら殴った方の拳も無事では、済まないだろう。 利き腕ならば二度と箸が扱えないのは容易に想像できる。

 針千本飲ますの説明欄にはハリセンボンでは無いと記されていて特に印象に残っていた。

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 安藤は、ミサの瞳がハートマークになっている状態を思わせる反応に気圧されそうになるが天使の羽のイヤリングが気になっていた。
「課長、お待たせしました」
「あぁ、気にしないでくれ」

 真弓がトイレから戻って隣の席に座ると安藤が現実の世界に戻って来て、返事をする。生返事をしていたとしたら怒られていたかもしれないので完璧なタイミングだったかもしれない。

 居酒屋のレジ店員は、店の前の防犯カメラに映っている男が気になっていた。タクシーから降りたが如何にも、お忍びで来てるような変装して待機していた。ロングコートにハットを深く被っており、おまけにサングラスにマスク姿である。変出者の可能性を捨てきれないまま、有名人の可能性もあるので店長に相談しようと引継ぎのバイトの子に話をした。

 神永は防犯カメラで店員に怪しまれている
とは気付かずに店の前で待機していた。

     224

「そうだ。新人ちゃんの事で興味深い話があるんですけど……」
「うん? 新人って天音さんの事?」
「そうです。今日の主役の一人の天海ミサですよ。課長の前で他の女性の名前は言いたくないから以降、新人ちゃんって呼びます」

 安藤は名字で呼べば問題ないと思ったが女心は数学の図形問題を解くより難しいと感じていた。話をしたい相手を静止する趣味は持ち合わせていないので真弓に続きを促した。

「是非、聞かせてくれないか」
「もうー、やっぱ課長が好きです」
「君の告白は聞いていないよ」
「そういう、突き放すような所も好きですっ」

 ネクタイを掴まれて数秒見詰め合う二人。どっちに転んでも好きと言われて少し照れながらもBERのマスター役と思われしリーゼントの男性店員に、お冷を注文した。彼女の酔いが冷めるまで待った方が良さそうな気がしたのだ。不確かな情報は邪魔でしかない。

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         45話<221~225P>  

46話は<226~230P>こちらから
1話は<1~5P>こちらから

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昌人っち(五十嵐 昌人) 父親(ドラクエマニア)から譲り受けた変速自転車(損傷)の部品交換代&おやつ代に当てたいと思います✨ あなたの応援が力になります! 

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