インディフィニト・ノート 22話
<前話までのあらすじ>
3カウント無しの変則タッグマッチが開始された。先方は、奥島と黒崎に決まり、奥島のミドルキックを黒崎がもらった所で笑みを浮かべていた。
1話は<1~5P>こちらから
21話は<101~105>こちらから
22話<106~110P>
オーバーリアクションも相まって見事に作戦がハマり奥島の右足首をガッチリと掴んで左に旋回していく。左足首も掴むと素早く両手をロックして、ジャイアントスイングに移行した。
「行くぞぉー! 1回……」
黒崎は10回程、回すと相手の両足首を離して眩暈を回復させようと試みる。奥島は、遠心力系の技を受けるのが初めてだったので焦点が定まらずに起き上がる事も困難だった。
「……」
見た目が派手だが技を掛けている方も目が回ってしまうので使い手を選ぶ傾向にあるがサービス精神旺盛な黒崎はリングで闘う時は必ず出すと決めている位、お気に入りでもあった。
先ず、うつ伏せに倒れている奥島を起き上がらせて中腰の状態でヘッドロックを仕掛けた黒崎。3回程、締め上げてから足を引っかけて尻もちをついた状態にさせる。
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「馬鹿力が過ぎるぞ!」
ようやく意識がはっきりした所なので大技の返しは全くできなかった奥島だった。
そこから黒崎は相手の背後に回り込んで自分の左膝を奥島の首の下部分に当てると両手で顎を掴んで後ろに反らしてダメージを与えていく。
「最高の誉め言葉をありがとう。喜べ、これからは俺の時間だっ」
「きさま、覚えてろよっ」
「悪党程、よく吠えるって聞くが打撃専門の野郎は寝たら弱いってのは本当だったな」
「……」
無駄口を叩く元気が無い奥島は両手で空を掴むような仕草を繰り返している。昔、パワーボムで頭を叩きつけられて首に爆弾を抱えているのだ。首を絞められるよりも苦手な事を分かっている西田が手を出してタッチを求めるアピールをする。
「喋る元気も無いって事か」
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黒崎は両手を顎から解くと素早く立ち上がりながら相手の両手首を掴んで手前に引っ張りあげる。そこから右足で背面を押して相手の背中を反らせて背骨にダメージを与えるサーフボードストレッチを決めた。
「イテェ~。マジで、ふざけんなよっ」
ここまでガッチリと決まっては、一人で脱出するの不可能だ。レフリーが不在なので仮に動ける状態であってもロープブレイク(攻撃を仕掛けている選手は技を解かなければいけない)も適応されない事になる。
後二人を倒さないといけない最大のチャンスをここで逃すわけには行かないと西田は、悪知恵を思い付いて声を掛ける。
「おいっ黒崎、お前のターンが長すぎると思わないか?」
「何言ってんだ? 文句は、受け付けないぞ。カットでも何でも勝手にすればいいさ」
「そうか。お前には年の離れた妹が居るんだってな?」
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「そ、それが、どどうした?」
明らかに動揺している黒崎を確認すると西田はエプロンから下に飛び降りて死角を作ると胸ポケットから生徒手帳を取り出し黒崎の妹の情報が無いか調べた。すると次のページに名前と交友関係も書かれた相関図が飛び込んできてヤバイ奴を指揮官にしてしまったと別の意味で頭痛の種になりそうだった。
今悩んだところで何も解決しそうないので使える物は、何でも使うという
モードに切り替える事を決意した。
「確か環蒔って名前だったよな?」
「……」
黒崎はどうか人違いであってくれという意味も込めて沈黙した。
「環状線の環に種蒔きの蒔で、たまきって漢字だよなぁー。親友は、志津香ちゃん」
「どうして、それを知っている!」
漢字まで当てられては沈黙は意味を成さないと想って声を荒げてしまう黒崎。
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「知ってたらマズイ事でもあるのか?」
暁海校は、個人情報を共有しておらず、情報戦に重きを置いて居なかったので何が起きているのか全く分からなかった鶴居。
「おいっふざけんなよ! 妹は、関係無いだろうがっ」
妹の親友の名前も出てきているので正確無比な情報である為、視線は自然と西田の声が聞こえる方向を向いてしまう。
「それを判断するのは、おれっちでも無ければ黒崎、お前でもないっ」
「まさか誘拐してないだろうな?」
鶴居は自分の事のようにパニックに陥っている。
「……」
鶴居の発言で考えたくもない事が浮かんでは、消えてを繰り返していく。どうしたら良いか必死に考えるが最適解は出てきそうになかった。
妹の事が気になり過ぎて黒崎のバカ力は半減していた。
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22話<106~110P>
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