【女大学宝箱】(19)養蚕

蠶のことは、馬頭姫、馬明菩薩の説ありといへども、黄帝の后、西陵氏のかひ物給ひし也。
※ 「蠶」は、蚕。
※ 「馬頭姫」「馬明菩薩」は、養蚕の神様のこと。江戸時代の叢書『百家説林』によると、日本では馬頭観音、支那では馬頭娘と呼ばれていたそうです。
※ 参考:『百家説林 第7巻』『大全早字引節用集 : 増補再刻(馬頭娘)』『妖怪府 : 一読一驚(馬頭娘)』『いろは辞典 : 漢英対照(馬頭娘)』『故事大辞典 上(馬明菩薩)』『類聚名物考 第1冊(蠶神)(馬明菩薩)』『嬉遊笑覧 : 12巻附1巻 上』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「物給」は、誤読しているかもしれません。
蠶連を冬至の皆●●ひたし、取出し、あたゝかになりて、生ずるをまちて、架をこしらへて、桑を刻てくはせ、そだてあぐる也。まゆになりたるをむして、いとわたとなす也。
※ 「蠶連」は、蚕の卵が集まってついた紙のこと。蠶連紙。参考:『蚕種説』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「冬至」は、誤読しているかもしれません。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『女大学宝箱』
すべて蠶、婦の辛苦することを詩につくる多し。
昨日至 城郭
帰 来 涙 滿 巾
遍 身 綺 羅 者
不 是養蠶人
いふ心は、城郭のみやこへいたりてみれば、みな人けつかうなるいふくをきてゐる也。けく●、かいこかい、おりはたする人は、つゞれていの衣ふくでゐる。其哀さいはんかたなし、といふ心也。
※ 「昨日至」は、「蠶婦」という詩。
城を出て家に帰るに 感ずること有て 涙を下す
蚕せざる者を見るに 皆羅綺を衣て
蚕を養ふの 辛苦を知らず
※ 参考:『古文真宝 古文前集 上』『古文真宝 : 註釈和解 前上』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「けつかうなるいふくをきてゐる」は、結構なる衣服を着て居る。
※ 「つゞれてい」は、綴れ体。破れをつぎ合わせた衣服の様子(体)のこと。
※ 「哀さ」は、誤読しているかもしれません。



よかったら過去noteも参照してみてくださいね。👀
→ 『画本宝能縷』かゐこやしなひ草
→ 『女大学宝箱』機織り
→ 『女大学宝箱』衣裳・糸の類・織物の類「正字」
● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖
