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【子育てエッセイ】#12 一冊のスクラップ帳のようなエッセイは

気づけば、スマホのメモ帳やアルバムに、

誰かの言葉や、気になった情報の切れっ端のような
スクショがどんどん増えている。

そこに、自分の言葉は、
あったとしても少ししかないのに、
それでも “これは自分の世界だ” と感じる。

そんな感覚を持つ人は、
案外多いのではないだろうか。


僕は、そうした(状態にある)人たちのことを、
“スクラップ帳みたいな人” だなぁと考えたりする。

彼らは、どちらかというと、

ゼロから何かをつくるよりも、

世界の “カケラ” を拾い集めることから
創造を始めることが得意な人たち。

そう言えるんじゃないかと思う。


本の一節、ふと耳にした音楽。

あるいは、子どもが口にした何気ない一言や、
公園で拾った木の実。

日常の中で心が動いた瞬間を、

そっとノートに貼り付けるようにして、
自分の中に残していく。


ページをめくっても、自分の言葉は
ほとんど見当たらないかもしれない。

引用や写真が並ぶだけで、
一見すると他人の感性の寄せ集めのよう。


けれど、そのスクラップ帳を
じっと眺めていると、

不思議と「その人にしかつくれない世界」が
浮かび上がってくる。


なぜその言葉を選んだのか、

なぜその配置にしたのか。


その無数の選択の積み重ねが、

つくり手の価値観や美意識を語ってくれる。


たとえば僕の場合、

子どもがはしゃいでいる時の妙なステップや、

玄関で脱ぎっぱなしになっている靴などが、

その日のスクラップになったりする。


本人たちにとっては、ただその瞬間に
身を任せているだけなのかもしれないけれど、

僕にとっては、“今日の世界を生きた印”
みたいなものだ。


そうした “カケラ” を貼り重ねていくうちに、

家族の時間や、子どもたちの成長の記憶が、
静かに編み込まれていく。


この在り方は、「積極的な受け身」と
呼んでもいいかもしれない。

受け身というと消極的に聞こえるけれど、

むしろ、世界に心を開き、
感性のアンテナを張り巡らせ、

心が震える瞬間を
能動的に受け止めていく姿勢だ。


受け止めた “カケラ” を自分の文脈に再配置し、

新たな意味を与える。

その営みは、まぎれもなく創造的だと思う。


そして、もう一つ大きなポイントに
なってくるのが、

集めた “カケラ” たちを、スクラップ帳の中で
「仮置き」するタイプかどうか。


僕自身はこの「仮置き」の時間が、
かなり長いタイプなんだと思う。


自然とおそらくやっているのは、

可能な限りさまざまな “カケラ” を集めながら、

加工したりせず、あまり分類したりもせずに、
雑多な感じで仮置きしておく。

添える言葉も、もちろんほぼ決めない。



そんなある時、何かのきっかけで、

いくつかの “カケラ” を、ひとまとまりの
ページに仕上げたいと自然に感じたり、

必要性に迫られて仕上げることになったりする。

そういうタイミングになるまで
待っている感じなんだと思う。


そういうわけで、

“スクラップ帳みたいな人”にとって、

「エッセイ」を書くという行為は
とても意味のあるきっかけの一つになる。


エッセイは「自分の言葉が主役」となる
スタイルがゆえに、

それまで仮置きしてきた “カケラ” たちに、

自分の言葉を添えながら確定していく “装置” となる。


書くことで、長らく漂っていた想いや景色が、
とうとう、しっくりとくる居場所を見つけていく。

時には、また何度かその居場所を変えたりしながら。

これがまたいい時間なんだな。



世界に散らばる美しい “カケラ” たちに敬意を払い、

それらを愛おしみながら拾い集め、

自分だけの星座を描くように繋ぎ合わせていく。


そうして出来上がった
一冊のスクラップ帳のようなエッセイは、

ほぼゼロから何かを生み出すことだけが
創造性ではないという、

ささやかで、しかし大切な “ありよう” を、

僕たちに教えてくれている気がする。



“スクラップ帳みたいな人” が、楽しくnoteを書き続けるヒントが詰まった記事を書きました↓↓





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