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王家の書【共鳴編】 第31話から第40話までのストーリーまとめ&人物紹介

あらすじ

カイ・ロウルが描いたコハルの肖像画の裏には、ティル・マーレの台座に刻まれていた数字「0」と「1」が並んでいた。それは、カイとリクに向けたコハルの想いだった。その言葉に、カイ・ロウルの瞳からは一筋の涙が落ちる。

しばらくして彼はサイラスに向き直り、「王家の書」へ辿り着くには「共鳴士であるお前の力が鍵だ」と告げる。再び数字が現れるなら、それが道を照らすだろう、と。

サイラスたちはカイ・ロウルたちに別れを告げ、「数字を読む者」と呼ばれる者を探すため、城壁の町エルデンへ向けて出発する。その道中、サイラスはロウル商会についてオスカーに説明していた。

ロウル商会は世界に名を馳せる貿易商である。カイ・ロウルの双子の兄、リク・ロウルは、その手腕もさることながら、莫大な私財を投じて孤児院や病院を建て人々を支えていることで知られていた。


やがて巨大な城壁が姿を現し、一行はエルデンへ到着。門前の列に並んでいると、城主グレタの孫、シルヴィアが現れ、サイラスたちを出迎える。

城壁内で宿を探している途中、ある子どもが勢いよくオスカーにぶつかった。二人は顔を見合わせ、「……あのときの!」と同時に声を上げるのだった。

それは、以前、オスカーが酔っ払いから助けた子どもだった。子どもの名前はルカ。彼の母親は、有名なチョコレート専門店「ショコラ・エルナ」を営んでいた。ルカの母親であるエルナの了解を得て、彼らはショコラ・エルナの二階に落ち着くことになった。

チョコレート作りに興味を抱くケイレブは、エルナに何度も頼み込み、働かせてもらえることに。その夜、エルナやルカも共に夕食を囲み、ショコラ・エルナの夜は賑やかに更けていく。


ーー翌朝。

ケイレブの噂を聞いた人々が店に押し寄せ、朝からショコラ・エルナは賑わっていた。店の手伝いを終えたサイラスは、「数字を読む者」の手がかりを求めエルデン城へ向かった。

偶然、町中で出会ったシルヴィアに「数字を読む者」について尋ねると、あっさりと答えが返ってくる。それは、城壁の修復に当たる者たちのことを指すという。

彼女は「数字を読む者」のひとりであるアズルを紹介する。アズルの話によると、壁が「ここを直せ」と語りかけ、劣化や負荷を数字として「感じ取れる」という。不思議な能力にサイラスは興味を抱くが、自分が壁に手をあてても何も感じない。町に戻るサイラスの背を見送りながら、アズルは「……似てるな」と小さく呟いた。


***


サイラス一行がエルデンに到着した夜、03は城主グレタとシルヴィアを訪れ、2000の伝言を伝えていた。

「何が起きても何もするな。ただ見守れ」

その言葉に激しく憤るシルヴィアに、グレタは優しく教え諭すーー我々の使命はどちらも守ることだ、と。

城壁上では、衛兵として防備に当たっていた45と368が、03の動きを目で追っていた。03は同じように、二人にも2000の伝言を伝える。星空のもとで、彼らは言う。
「お手並み拝見、だな」


***


アズルはサイラスと話した夜、急ぎエルデン城へ向かった。アズルの報告を聞いたシルヴィアは、2000からの伝言をアズルへ告げる。彼女はアズルに「万一に備えておいてほしい」と伝えるのだった。

サイラスはアズルと過ごす時間が増えるにつれ、彼の過去やエルデン家の事情を知ることになる。シルヴィアの母オリヴィアが事故で亡くなったこと、城主グレタとシルヴィアの二人が町を守っていることを聞き、胸の奥で疑問が広がる。

ある日、サイラスは城主グレタに謁見するため城へ向かう途中、町に突如現れた武装団の襲撃に出くわす。民衆が逃げ惑う中、サイラスは人々を城へ誘導し、オスカーやシルヴィア、アズルたちと協力して防衛に当たる。

武装団は単なる盗賊ではなく、黒地に金の双頭狼が描かれた旗を掲げる「狼旗団」。彼らは城への突入を狙っていた。エルデン城内に壁外への通路があることを知っていたサイラスは、「民を壁の外へ逃がせ」とシルヴィアへ迫る。しかし彼女は、「あの通路は……人間は、使えない」と震えるのだった。

サイラスはシルヴィアとのやり取りから、兄アルヴィンが、かつてエルデンに来ていたという衝撃の事実を知ることに。しかし彼の言葉に取り乱したシルヴィアは、問いかけにも要領を得ない。緊張が走る中、城門の外では炎が上がった。

その頃、ケイレブはエルナを救おうと店に向かっていた。店の中にある書きつけ(チョコレートの記録)を取り出そうと動かないエルナに、ケイレブは自分の想いを囁く。
「おれにとっても、エルナが大切なんだ」

ケイレブは間一髪で書きつけを手に入れ、二人は城に向かって走り出した。

城にたどり着いたケイレブは、町の状況をサイラスに告げる。一刻を争うと判断したサイラスは、シルヴィアに「目の前の民を生かせ!」と叫び、アウレル広場へ馬を走らせた。

町では、オスカーとケイレブが背中を預け合い、押し寄せる武装団を迎え撃っていた。力でねじ伏せるオスカーと流れを読むケイレブ。二人の連携により、敵は次第に押し返されていく。さらに、オスカーが敵の指揮官を討ち取ったことで武装団は混乱し、戦況は大きく傾く。

一方、アウレル広場に到着したサイラスは運河を前に覚悟を決め、共鳴士の力を解き放つ。呼応するように立ち上がった運河の水は、まるで巨大な龍のように唸り、町を焼く炎を一気に鎮圧した。

その圧倒的な光景に、武装団は恐怖に駆られて逃げ出した。城壁の上では、サイラスの力を見守っていた二人の衛兵ーー368と45が満足気に頷くのだった。

武装団を追ったオスカーやケイレブたちは、城壁門の外でナヴィア王国の援軍を目にする。彼らは、あまりに早い援軍の到着に違和感を覚えるが、援軍が戦線に加わったことで武装団は瞬く間に四散した。

戦いの後、サイラスは人々から感謝を向けられるが、その視線の奥に潜む力への畏れも見逃さなかった。それでも、友からのまっすぐな称賛や多くの偽りのない感謝に支えられ、自身の力が役に立ったという実感を初めて素直に受け止めていた。

やがて城主グレタから招かれたサイラスは、アズルとともにエルデン城に向かう。グレタに謁見したサイラスは、エルデン家が代々守ってきた「壁の秘密」を目にする。

サイラスはグレタたちとともに、古い階段を下へ下へと降り続けた。やがて目の前に広がったのは、広大な森だった。あまりの光景にサイラスは息を呑み、言葉を失う。そして彼は、城壁は人々を守る「盾」ではなく、この森を支える巨大な「杭」として機能していたことを知る。

グレタは、この森は再生のために保存された生命の種であること、そしてエルデン家は代々、人々とこの地を守ってきたと語った。森の奥へ進むと、ひっそりと並ぶ墓標の列が現れた。その中で、ひときわ新しい墓標が目に留まる。

ーーオリヴィア・エルデン

それが、その墓標に刻まれていた名だった。

兄アルヴィンがエルデンを訪れたときも町は侵略に遭い、そのとき、異なる信念ゆえアルヴィンとオリヴィアは対立したという。オリヴィアはアルヴィンの共鳴の力で命を落とし、そしてアルヴィンは数字を読む者の剣に倒れた。

サイラスの胸には一瞬、激しい怒りが噴き上がるが、グレタとシルヴィアもまた愛する者を失くしたという事実にその怒りは吹き飛ぶ。

目の前の命と、未来の命。優先すべきはいずれなのか……。サイラスは、ここに正解などないと理解するのだった。

そしてサイラスは胸に引っかかっていた問いを、グレタに尋ねる。

「……この森と湖を造ったのは、誰なのです?」
「統べる者。再生者。造られし者。その名は、時代や場所によって異なります」

ひと呼吸ののち、グレタは告げた。

「彼らの名は、ノースリア」


人物紹介

サイラス・アストリア
アヌシー王国の正統な跡継ぎ。自然が放つ波動と共鳴する力を持つ「共鳴士」。「0」と「1」の数字を読み解くことができる。

アルヴィン・アストリア
サイラスの兄。優れた共鳴の力を持っていたが、数字を読む者の手にかかり命を落とす。

オスカー・ストラザール
左頬に傷を持つ大柄な男。武術に長ける。大工の家に生まれ、ケイレブと共に旅をしている。

ケイレブ・リー
商家の息子。料理が得意で、珍しい食材を求めて各地を巡る。神話に出てきそうな美しい顔立ちで、人々を魅了する。

エマ
左手に紅い痣を持つ少女。それは未来を視る「紅血の一族」の証。サイラスたちと旅を共にしており、「0」と「1」の数字を読み取ることができる。
 
サン
オスカーの飼い犬。

ツキ
ケイレブが連れている白い猿。

カイ・ロウル
グランブルー号の船長。サイラスたちに手を貸す心優しい船乗り。幼いころ、コハルという「造られし者」に助けられ、一緒に過ごした経験がある。

リク・ロウル
カイ・ロウルの双子の兄。カイと同じようにコハルに助けられる。ロウル商会の当主。

マーク・レイナー
グランブルー号の副船長。カイ・ロウルとともに、「造られし者」を追っている。優れた「風読み」の力を持つ。

グレタ・エルデン
城壁の町、エルデンの城主。

オリヴィア・エルデン
グレタの娘。サイラスの兄、アルヴィンの共鳴の力で命を落とす。

シルヴィア・エルデン
グレタの孫。母親のオリヴィアが亡くなり、グレタの後を継ぐ。

ルカ
以前、オスカーに酔っ払いから助けられた子ども。エルナの一人息子。

エルナ
チョコレート専門店「ショコラ・エルナ」の店主。女手ひとつで店を切り盛りしながらルカを育てている気丈な女性。

数字を読む者
城壁の修復に当たる者たち。黒い手袋をはめ、特殊な能力を持つ。エルデン家を身近で守る役目を果たす。

アズル
数字を読む者のひとり。シルヴィアを見守りながら、アルヴィンやサイラスと交流を持つ。

50代ほどの男(シルヴィアの父親)
数字を読む者のひとり。オリヴィアの夫であり、シルヴィアの父。

コハル(586)
リクとカイを助ける「造られし者」。二人の少年を守り、生きていけるように導く。

2000
「造られし者」のひとり。「何もするな」とエルデン家に指示を出す。

03
「造られし者」のひとり。2000の伝言を伝える役目を果たす。

45と368
「造られし者」。エルデンの城壁で防衛に当たっている。サイラスの力を見守る。


物語の鍵となる要素

アヌシー王国
ウール川が国の中央を横断する小国。農作物に恵まれ、「知の国」として知られている。

オルレアン王国
アヌシー王国の西側に位置する王国。交易で栄え、「商の国」として知られている。

コルカタ王国
アヌシー王国の東側に位置する王国。ラーケン山脈に面し、「武の国」として知られている。

王家の書
アヌシー王国に代々伝わる書物。この世の理や、国を守るための知恵が秘められているという。

共鳴士(きょうめいし)
生命のうねり――あらゆるものが放つ波動に寄り添い、その声を感じ取り、調和をもたらす者。アヌシー王国の王族にのみ密かに伝わる力とされている。

紅血の一族(こうけつのいちぞく)
左手に紅い痣を持って生まれる者たち。未来を見る力があるとされている。

エルデンの城壁
エルデンの町をぐるりと囲む巨大な城壁。その町に住まう人々を守っているのではなく、地下にある広大な森と湖を支える杭の役割を果たしている。

造られし者(ノースリア)
先の世に造られたと言われる存在。人ではない何かーーその正体は謎に包まれている。



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これまでのストーリーまとめ&人物紹介は、こちらから。

第1話から第10話までのストーリーまとめ&人物紹介


第11話から第20話までのストーリーまとめ&人物紹介は、こちらから。


第21話から第30までのストーリーまとめ&人物紹介は、こちらから。


第41話から第50までのストーリーまとめ&人物紹介は、こちらから。


第1話から第60話までのあらすじ








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