安倍総理暗殺事件と伊藤博文(6)なぜ「伊藤博文」なのか?~「日韓併合」と「日韓融和」~“インド太平洋構想”の破壊
さて、安倍総理の対朝鮮半島姿勢を論じる前に、ここでなぜ安倍総理暗殺事件が「伊藤博文暗殺事件」と比定されなければならないのか、という話をしておこうと思います。
両者には日本の「顔」としての重要な共通項があることは話をしました。ですが、共通項はそれだけではありません。
暗殺直後に起きた歴史的な展開もまた、両者は共通しているのです。
それが、伊藤博文暗殺事件後の「日韓併合」。
そして、安倍総理暗殺事件後の「日韓融和」です。
さて、伊藤博文と「日韓併合」についてはまた別の機会に見ていくとして、今回は安倍総理暗殺事件後の「日韓融和」について、簡単にまとめておこうと思います。
1.岸田政権と尹政権で行われた「日韓融和」
2017年に発足した韓国・文在寅政権において、もはや日本に対する挑発とも言うべき行為が繰り返されたことは記憶に新しいと思います。
慰安婦不可逆合意違反
レーザー照射事件
徴用工問題……
2019年、こうした韓国側による日本への危険な挑発行為がつづくなか、韓国による核兵器転用可能な戦略物資の行方不明問題が浮上します。
もはや看過できない国際法違反・疑惑に対処するため、安倍政権において韓国に対する外交カードが切られます。
ホワイト国認定(クラスA)からの韓国の除外です。
この韓国の除外は、2019年から適用されました。
そこから2022年7月、安倍総理暗殺事件が起きます。
そしてさらにその一年後、
2023年7月、韓国はなにごとも無かったかのように「ホワイト国(クラスA)」に復帰してしまいました。
一連の韓国側の「クラスA」復帰で、2019年から2023年の間に、韓国側の具体的な対策が見えるような話は出てきていません。
担当する経産省は「韓国が基準を満たした」と主張しているようですが、事実上、なし崩し的に復帰したと見られてもやむを得ないでしょう。
2.「日韓融和」による「インド太平洋構想」への挑戦
安倍総理暗殺事件が起きて3ヶ月ほどを経た10月、統一教会をめぐる議論で国会が揺れる中、岸田政権はそれまでの外交方針を一転させます。
きっかけは、2022年10月29日夜に発生した李泰院(イテウォン)雑踏事故でした(ソウル梨泰院雑踏事故)。
ソウルの繁華街で起きた事故が大々的に報道されると、岸田首相は韓国との「連帯」を表明しました。
問題は、この「連帯」の表明です。
この表明は、図らずも「インド太平洋構想」への挑戦を意味することになります。
なぜなら、同様の悲惨な事故がほぼ同時に発生したインドに対しては「連帯」を表明しなかったからです(2022年インド橋崩落事故)。
ここに、岸田政権による「インド太平洋構想」への挑戦としての「日韓融和」の動きが加速していきます。
3.岸田・尹体制「日韓融和」で日本が失ったもの
結論から言えば、この一連の岸田首相と尹大統領との「日韓融和」で日本は貴重な外交カードを2つ失っています。
①なし崩し的な韓国の「ホワイト国(クラスA)」復帰。
②日韓金融スワップの復活。
①は、そもそもが日本側の優遇措置であり、②は、ほぼ無制限の外貨準備を有する日本にとってほぼ恩恵はなく、外貨準備が不安定化しやすい韓国への救済措置にちかいものです。
重要な点は、この2つの外交カードを切りながら、日本は何一つ韓国側の譲歩を引き出せなかった点です。
「日韓融和」の結果は、貴重な外交カードを一方的に放棄させられただけだったのです。
ちなみに、東北・関東など8県の水産物輸入禁止措置(福島、茨城、群馬、宮城、岩手、栃木、千葉、青森)すら、尹政権で緩和されることはありませんでした。8
この規制は現在(2026/03/31)まで続いています。
もちろん保守系の尹政権によって、韓国の慰安婦・徴用工といった「反日」活動を抑制することができた、と言えるかもしれません。
しかし、そもそも外交・経済関係において慰安婦・徴用工のような「反日」活動が日韓関係の争点になっている時点で、韓国側の術中に嵌められていると言わざるを得ません。
そして、この「日韓融和」で、日本は、福島の原発において韓国の独自査察を入れてしまったことも問題です(2023年5月)。
韓国がいかなる意図があって独自の査察団派遣にこだわったのかは不明です。
ですが、すくなくともIAEAの権威を否定し、処理水を「汚染水」として非難してきた中国政府の非科学的なプロパガンダを正当化したことは事実でしょう。
だいたい、日本の首相による靖国神社への玉串料の奉納ですら、韓国は中国と連携して批判を展開しています。これは、まだ尹大統領が「非常戒厳」で失脚する前のことです。
4.バイデン政権と「日韓融和」~「インド太平洋構想」の破壊~
2023年1月、岸田首相は防衛費増に向けた方針を表明しました。
そして同年6月、米・バイデン大統領が、その防衛費増を説得したのは自分だと発言し、物議を醸すことになります。
しかし、バイデン大統領は直後にこの発言を撤回します。
ですが、これもなぜか当時はあまり注目されませんでしたが、その際、「説得したのは韓国との関係」だと修正しました。
なお、その後、さらにこの「韓国との関係」説得も撤回しています。
さて、バイデン前大統領はどのような意図があって、このような発言、あるいは発言修正を行ったのでしょうか。
もちろん、公式では、岸田政権での防衛費増も、韓国との関係改善もバイデン大統領が「説得」したわけではないのでしょう。
ですが、防衛費増を修正した後に一時とは言え「日韓融和」説得を認めたことは記憶に留めておくべきでしょう。
そして、なにより重要な点は、結局、この「日韓融和」によって日本が貴重な外交カードを失ったことは事実でしょう。
また、日米同盟側とも言える「インド太平洋構想」から、インドが現状距離を置くようになってしまったことも、現状言えるのではないでしょうか。
*以上
【日本と朝鮮半島、「日韓併合」の歴史的意味】
【参照情報】
韓国ソウル・梨泰院で発生した事故に関する岸田総理大臣によるお見舞いメッセージの発出
令和4年10月30日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page4_005686.html
10月30日、岸田文雄内閣総理大臣は、29日に韓国ソウル・梨泰院(イテウォン)で発生した事故について、以下のとおり、お見舞いメッセージを発出しました。
「この度、ソウル・梨泰院で発生した大変痛ましい事故により、未来ある若者をはじめとする多くの尊い命が失われたことに、大きな衝撃を受け、深い悲しみを覚えております。日本政府及び日本国民を代表し、犠牲になられた方々及び御遺族に対し心からの哀悼の意を表すとともに、負傷された方々の一日も早い快復をお祈りいたします。この困難な時に、貴国政府及び韓国国民に改めて連帯の意を表明します。」
令和4年10月30日
インドにおける吊り橋崩落事故に関する岸田総理大臣によるお見舞いメッセージの発出
令和4年10月31日https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/in/page1_001369.html
10月31日、岸田文雄内閣総理大臣は、インド共和国グジャラート州において発生した吊り橋崩落事故に関して、ナレンドラ・モディ・インド首相(H.E. Mr. Narendra Modi, Prime Minister of India)に対して、以下のとおりお見舞いメッセージを発出しました。
「今般、モディ首相の地元でもあるグジャラート州において、吊り橋の崩落により、多くの尊い命が失われたことに、深い悲しみを覚えております。
日本国政府及び日本国民を代表し、犠牲になられた方々及びその御遺族に対し心からの哀悼の意を表するとともに、負傷された方々の一日も早い快復をお祈りいたします。」
令和4年10月31日
韓国政府は福島など8県産の水産物の輸入を禁じている措置について、「国民の懸念が解消されるまで規制を解けない」(趙顕=チョ・ヒョン=外相)との立場を崩していない。
2026/2/22 11:57
