【愛の夢】フランツ・リストのピアノ曲紹介
この記事では愛の夢を中心に、次の曲を紹介します。
愛の夢 - ピアノフォルテのための3つの夜想曲 S.541
3曲ともにリスト自身が作曲した歌曲からの編曲作品。1850年頃に作られ、原曲よりもこちらのピアノ独奏曲が有名になった。
第1番 - 至高の愛 S.541/1
原曲の歌曲はルートヴィヒ・ウーラントの詩によるもの。ここでのホルヘ・ボレットの演奏は濃厚なロマンティシズムが漂う。
第2番 - 至福の死 S.541/2
こちらも同じくウーラントの詩による歌曲が原曲となる。タイトルとしては「至福の死」と呼ばれることもあれば「我死せり」と言われることもある。この「我死せり」はその詩の第1行目。演奏は歌心溢れるボレット。
第3番 - おお、愛しうるかぎり愛せ S.541/3
原曲の歌曲はフェルディナント・フライリヒラートの詩による。美しい旋律が特徴で、最も愛されているピアノ小品のひとつ。包み込んでくれるような優しさのあるクラウディオ・アラウの名演が心を打つ。
【関連作品】
詩的で宗教的な前奏と調べ 第7番 "代わり" S.171d/7
「詩的で宗教的な前奏と調べ S.171d」という曲集があるが、それは「詩的で宗教的な調べ S.173」の初期の構想。その曲集(S.171d)は1845年から1847年初頭までの期間に作成されたものとのこと。その中の第7番「代わり」で、歌曲「我死せり S.308」と共通の旋律が使用されている。つまりこれは「愛の夢 第2番」の初期の草案と言ってもよい。
詩的で宗教的な調べの初期の構想である曲集「詩的で宗教的な前奏と調べ S.171d」についてはこちらの別記事をどうぞ。
我死せり S.540a
こちらも1850年頃に書かれた、「愛の夢 第2番」の初期稿。
5つのピアノ小品 第1番 S.192/1
リストは1865年に「愛の夢 第2番」を改訂した小品を作る。このS.192/1は愛の夢2番の簡素改訂稿のようなもの。情熱的な部分はいくらか減衰しているかもしれないが、より思索的・詩的な小品となっている。愛の夢2番の変遷を辿ると「代わり S.171d/7(初期の構想)」→「我死せり S.540a(初期稿)」→「愛の夢 第2番 S.541/2」→「5つのピアノ小品 第1番 S.192/1(簡素改訂稿)」となる。
「5つのピアノ小品 S.192」についてはこちらの別記事をどうぞ。
この曲はブレンデルに是非録音してもらいたかったのですが、それは叶いませんでした。しかしブレンデルの弟子であるポール・ルイスがこの曲を録音してくれてとてもありがたかったです。
おお、愛しうるかぎり愛せ S.540b
1840年代に書かれた「愛の夢 第3番」の草稿。最終稿が変イ長調であるのに対し、こちらはイ長調。本来は未完の草稿だが、ここでの演奏はハワードが最終稿や歌曲を参考にして補筆をしている。
【興味深い録音】
バックハウスの愛の夢
リスト直系ピアニストであるヴィルヘルム・バックハウスによる1908年の録音。おそらくこの曲の史上初録音。
ホフマンの愛の夢
ヨゼフ・ホフマンの1912年の歴史的録音。ホフマンは「リストに次ぐ最高のピアニスト」と言われるアントン・ルビンシテインに師事している。
ザウアーの愛の夢
リストの弟子エミール・フォン・ザウアーによる1925年の歴史的録音。
ルービンシュタインの愛の夢
終始優しい表情のアルトゥール・ルービンシュタインの名演。
ボレットの愛の夢
リスト直系ピアニストであるホルヘ・ボレットの名演。
シフラの愛の夢
愛を高らかに歌うジョルジュ・シフラの名演。
● 楽譜紹介
新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています
・愛の夢 全3曲
・愛の夢 第2番の初稿
※ 楽天リンクはこちら
・詩的で宗教的な前奏と調べS.171d
※ 楽天リンクはこちら
・5つのピアノ小品 S.192
※ 楽天リンクはこちら
それではみなさま良い一日を
