【読書】美は錯覚。
なんだか頭が良くなった気分に
させてくれる小説が、好きです。
私の気に入った本は
だいたいこのタイプで、
例えば
「ラブカは静かに弓を持つ」は
音楽の著作権のことが詳しく知れたし、
「線は僕を描く」は
水墨画の世界を、
「透明の夜の香り」は
アロマの効能について
私に教えてくれました。
後で聞かれたって
大して詳しく覚えてる訳じゃ
ないのにね。
とにかくそれで、
私に科学について
ロマンチックに教えてくれる
伊与原新さんの2冊目です。
この本を読みました。

伊与原新さんの私にとっての
一冊目は、こちらでした。
私の読書記事は
通常、人気がないのに、
何故かこれだけ異常に
スキがついたのは、
それほどこの本に興味がある方が
多いからでしょうか。
今回の本も、素敵でした。
6編をまとめた、短編集。
恋愛も、
子育ての悩みも、
熟年夫婦の空虚感も、
困った親戚との関係も、
中学受験を控えた子どもの苦しみも、
自殺志願者の痛みも、
優しい科学の世界に囲まれて
ふと心が軽くなる。
幅広いなあ。
ふだん、何気なく暮らしていたら
気づけもしない様々な世界に
情熱をもって生きている人が
たくさんいるんだ、って
視野が少し、広くなる。
短編が6つ、その中で、
主人公の性格も年齢も
社会的地位も違うので、
きっとお気に入りが
見つかると思います。
私はね、
うちの子どもと年が近い子が主人公の
「アンモナイトの探し方」も
共感できて良かったけど、
やっぱり
「星六花」が一番です。
ロマンチックで、ちょっと切ない。
美人というのは、遺伝的に生存率の高い
平均的な顔のことだって。
生存率の高い人の子孫は
長く生きるでしょうから、
そうやって人間は、種を残そうとする。
だから、美は錯覚。
だけど、
遺伝も子孫を残す役割も必要ないのに、
ただ美しいものが
自然界に存在する。
ここの描写がね、すごい。
ちょっと肌寒くなる感覚とうらはらに
心があったまるような
切なくなるような、
そんな、やりきれないのに
決して不幸じゃない感じ。
素晴らしい作家さんです。
3冊目も読むかな。
だけど私は
短編集はあまり好みではなくて、
一時期好きだった青山美智子さんの本も
短編集が多いがゆえに
読まなくなってしまいました。
伊与原新さんは
長編も書いているようなので、
次は長編を借りてみようと
思います。
私もこれで少しは
頭が良くなるかもしれない。
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