前提がズレるとき|#05前提を決めないまま立つと、役割は重くなる
同じ役割でも、
立つ前提が違えば、重さは変わる。
以前は「ちゃんとやる」が前提だった。
だから、背負い続ける構造になった。
今回は、そこを決め直してから立つ。
1|もうやらないと思っていた役割
コロナ以降、
食に関する講師はやっていなかった。
もうやらないだろうと思っていた。
理由は、重さだった。
以前の前提は明確だった。
楽しんでもらうこと。
理解させること。
抜け漏れなく渡すこと。
質問に詰まらないこと。
「ちゃんとやる」が前提だった。
その前提で立つと、役割は重くなる。
理解の責任を背負い続ける構造になる。
参加者の反応、理解度、満足度。
すべてを拾おうとする。
だから、離れた。
2|同じ役割でも、前提は同じでなくていい
今回、豆板醤を仕込む機会ができた。
まだ開催前で、
いまは設計を考えている段階。
昔と同じやり方もできる。
でも、
それではいまの自分と整合しない。
最近は、
「何を成功とするか」よりも、
「どんな前提で立つか」を
先に考えるようになった。
前提が決まれば、線の引き方が変わる。
どこまで説明するのか。
どこで手を止めるのか。
何を渡して、何を渡さないのか。
だからまず、前提を決め直した。
3|前提を変える
今回は、「理解させる人」として立たない。
主役にならない。
豆板醤が主役で、
手を動かす時間が主役で、
参加者がそれぞれのペースで考える。
自分は、場を整える側に回る。
正解を渡す人ではなく、
問いを置く人。
説明する人ではなく、
視点を差し出す人。
立ち位置が変わると、
背負うものも変わる。
重さは消えない。
質が変わるだけだ。
4|分解は、鏡になる
手を動かしながら、工程を分解する。
なぜこの順番なのか。
なぜ、混ぜる前に待つのか。
なぜ、先に進めたくなるのか。
味の話をしているはずなのに、
いつの間にか、自分の選び方の話になる。
どうして自分は急ぐのか。
なぜ待つことに落ち着かなさを感じるのか。
なぜ確認を飛ばせると思うのか。
工程は鏡になる。
そこに、その人の判断の癖が映る。
ひらめきは、説明からではなく、
自分の癖に触れた瞬間に起きる。
起きなくてもいい。
起きる余地があればいい。
5|触媒という立ち位置
以前は、理解を担う側だった。
今回は、触媒であればいいと思っている。
自分が変化を起こすのではなく、
変化が起きやすい環境を整える。
触媒は目立たない。
成果を所有しない。
でも、そこにいる意味はある。
前提を変えたら、
いつの間にかその立ち位置に立っていた。
6|開催前の整合
まだ何も起きていない。
だからこそ、いまが一番濃い。
どんな前提で立つか。
どこまで踏み込むか。
どこで止めるか。
当日の出来よりも、
この設計の時間のほうが好きだ。
実行よりも、前提を決める時間。
触媒として立てるかどうかは、
もうここで決まっている。
うまくいくかはわからない。
でも、前提を決め直して立つ。
その整合だけは、いま取れている。

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