MVP ARCHIVE | History of Flight 05 : The Jet Age Begins / ジェット時代の幕開け

プロペラの限界を超えて
20世紀前半、航空機は急速な発展を遂げた。
しかし、速度が増すにつれて、 プロペラ航空機は空気抵抗やプロペラ効率の限界に直面する。
より速く、 より高く飛ぶためには、 全く新しい推進方式が必要だった。
その答えが、 ジェットエンジンである。
フランク・ホイットル
イギリス空軍の士官であった フランク・ホイットルは、 1930年にジェットエンジンの基本特許を取得した。
従来とは異なる発想で、 空気を圧縮し、 燃料を燃焼させ、 高速の排気によって推進力を得るという構想を示した。
1937年には試作エンジンの運転に成功し、 ジェット時代への第一歩を築いた。
ハンス・フォン・オハイン
一方、ドイツでは ハンス・フォン・オハインが、 独自にジェットエンジンの研究を進めていた。
1939年、 彼のエンジンを搭載した実験機 Heinkel He 178 は、 世界初のジェット飛行に成功する。
異なる国で進められた研究は、 同じ未来へと収束していった。
ジェットエンジン
ジェットエンジンは、 空気を取り込み、 圧縮し、 燃焼させ、 高速で後方へ噴射することで推力を生み出す。
プロペラのように空気を押すのではなく、 排気の反作用によって前進する仕組みである。
この方式は、 高速飛行や高高度飛行に大きな優位性をもたらした。
Messerschmitt Me 262
1944年、 ドイツは Messerschmitt Me 262 を実戦投入した。
世界初の実用ジェット戦闘機として、 当時のプロペラ機を大きく上回る速度性能を誇った。
運用期間は短かったものの、 航空史における重要な転換点となった。
Gloster E.28 / 39
イギリスでは、 ホイットルの設計したエンジンを搭載した Gloster E.28 / 39 が1941年に初飛行した。
実験機ではあったが、 その成功は、 イギリスのジェット開発を本格化させる契機となった。
ジェット時代の始まり
第二次世界大戦を境に、 航空技術は大きく変化した。
プロペラ機が築いた時代は終わりを迎え、 航空機はさらに速く、 さらに高く飛ぶことが可能になった。
ジェットエンジンは、 軍用機だけでなく、 やがて旅客機にも採用され、 世界中の空の移動を大きく変えていく。
Legacy
ジェットエンジンは、 航空機の速度を変えただけではない。
世界はより近くなり、 空の移動は日常となった。
そしてその技術は、 ロケットエンジンや宇宙開発へと受け継がれ、 人類を空の先へ導く新たな時代を切り開いていった。

