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World Bank / 世界銀行 - 復興から開発へ、国家の経済基盤を支える国際金融機関

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世界銀行 - 復興から開発へ、国家の経済基盤を支える国際金融機関

第二次世界大戦 が終わろうとしていた1944年。
世界は、戦争で破壊された都市や産業を再建するだけでなく、その後の国際経済をどのような仕組みで支えるのかという問題に直面していた。

戦争によって疲弊した国々が、その資金をすべて自力で用意できるとは限らず復興のための、対応するために生まれた 国際機関 が、現在の World Bank|世界銀行 へとつながっている。

Bretton Woods|1944

第一次世界大戦 後から 世界恐慌、そして 第二次世界大戦 へと続いた国際経済の混乱を繰り返さないため、新しい戦後経済秩序を設計が必要だった。

二つの重要な国際金融機関が構想された。
IMF|International Monetary Fund / 国際通貨基金
IBRD|International Bank for Reconstruction and Development / 国際復興開発銀行

両者は Bretton Woods から生まれたが、担う役割は異なっていた。
IMF が国際通貨制度、為替、国際収支などの安定を担う一方、IBRDはその名称が示す通り、Reconstruction|復興 と Development|開発 を担うために設計された。

IBRD|国際復興開発銀行

IBRD は1945年に正式に設立され、1946年に業務を開始した。
最初の融資は1947年のフランス向け復興融資だった。
当時のヨーロッパでは、戦争によって交通網、産業設備、エネルギー供給など多くの経済基盤が損傷していた。

IBRD は、こうした国々の復興に必要な長期資金を供給するために作られ、戦争によって破壊された国家の経済基盤を再建するための国際金融制度
だった。

ReconstructionからDevelopmentへ

1948年からアメリカによる Marshall Plan|マーシャル・プランが本格化し、西ヨーロッパの復興には大規模なアメリカの援助資金が投入されるようになると同時に、アジア、アフリカ、中東などでは植民地支配から独立する国家が増えていった。

新しく独立した国々が直面していた問題は、戦争で破壊されたものを元に戻すことだけではなく、道路、安定した電力供給、港湾や鉄道整備、農業生産性向上、教育や医療制度が不足、経済活動を拡大するための基盤そのものが必要だった。

世界銀行 の中心的な役割は、次第に Reconstruction|復興 から Development|開発 へと移っていく。

Infrastructure|経済を支える土台

初期の 世界銀行 が重視した分野の一つがInfrastructureだった。
発電所・ダム・道路・鉄道・港湾・灌漑施設・通信設備、巨大インフラには、建設まで長い時間がかかり、巨額の資金が必要になる。
しかし完成すれば、一つの企業だけではなく社会全体の経済活動を支える。

世界銀行 が支援するのは、その施設によって生まれる、国家の長期的な経済活動の基盤である。

開発という概念の拡大

経済成長にはインフラだけが必要なのではない。
教育・医療制度・安全な水・感染症や衛生問題など、社会全体の生産活動にも影響する。

そのため 世界銀行 の活動領域は、開発は単にGDPを増加させることではなく、人々が継続的に経済活動を行える社会基盤を形成することへと拡張されていった。

IDA|International Development Association

IBRD の融資だけでは支援できない国も存在した。
IBRD は国際資本市場から資金を調達し、それを加盟国へ融資する仕組みを持つため、返済能力が極めて限られている低所得国では、通常の融資条件そのものが大きな負担になる。

そこで1960年、
IDA|International Development Association 国際開発協会
が設立され、低所得国を中心に、非常に低い金利または無利子に近い条件の融資や、返済を必要としない贈与などを提供する。

ここで 世界銀行 は二つの大きな金融機能を持つようになった。
IBRD → 主に中所得国や信用力のある低所得国
IDA → 主に低所得国

World Bank Group|世界銀行グループ

その後、開発を支える仕組みはさらに拡大、現在の World Bank Group|世界銀行グループ は、五つの機関から構成されている。

IBRD | International Bank for Reconstruction and Development
政府を中心に長期的な開発資金を提供する。

IDA | International Development Association
低所得国を中心に、より緩やかな条件で開発資金を提供する。

IFC | International Finance Corporation
政府ではなく、民間企業や民間部門への投融資を通じて開発を支える。

MIGA | Multilateral Investment Guarantee Agency
政治的不安定などによって生じる投資リスクへの保証を提供し、開発途上国への民間投資を促進する。

ICSID | International Centre for Settlement of Investment Disputes
国家と外国投資家の間で発生する投資紛争について、仲裁や調停の制度を提供する。

世界銀行 グループは、政府・民間企業・投資・制度を複数の方向から開発へ接続する仕組みへと発展している。

世界銀行はどこから資金を得るのか。

世界銀行 が開発資金を供給できる背景には、独特の金融構造がある。
IBRD は加盟国から集めた資金だけを貸し出しているわけではない。
高い信用力を背景として、世界の資本市場で債券を発行し、投資家から資金を調達し、その資金を加盟国の開発事業へ長期融資する。

国際金融市場に存在する巨大な資金を、長期的な開発へ接続する。
これも世界銀行の重要な機能である。

IMFとWorld Bank

IMF世界銀行 は、どちらも Bretton Woods から生まれた。
本部もともに Washington, D.C. に置かれているが、その役割は異なる。

IMF : 通貨、為替、国際収支、金融危機、経済システムが急速に不安定化したとき、その安定を回復することを中心に担う。
→ 経済システムが崩れることを防ぐ。

World Bank : インフラ、教育、保健、農業、制度、民間投資など。
国家や社会が長期的に発展するための基盤形成を中心に担う。
→ 経済システムが成長できる基盤を作る。

Poverty Reduction|貧困削減

世界銀行 の役割は、やがて経済成長だけではなく貧困そのものへ向かっていき、経済が成長しても、その利益が社会全体へ届くとは限らない。

地域間格差・教育格差・医療へのアクセス・農村部の貧困・失業・社会保障、こうした問題も開発政策の対象となった。

世界銀行 は長期的に、極度の貧困削減を中心的な目標の一つとして掲げるようになり、ここでも「 開発 」という概念は変化している。
国家の中で暮らす人々が経済発展へ参加できる構造を作ることへと広がっていった。

21世紀のDevelopment

現在、世界銀行 が向き合う開発問題はさらに複雑になっている。

Climate Change・Energy Transition・Pandemics・Food Security・Debt。
Digital Infrastructure・Natural Disasters・Fragile States

これらは単独の国家だけでは処理できない場合がある。
気候変動は国境を越え、感染症は航空網を通じて世界へ広がる。
食料価格やエネルギー価格の上昇は、輸入国の生活へ直接影響する。
一国の債務問題が国際金融市場へ波及することもある。

世界銀行 が1940年代に扱っていた「 復興 」と、21世紀の「 開発 」は同じではないけれど、根底には共通した構造がある。
社会が経済活動を継続するために必要な基盤を作ること。

Bretton Woodsから現在へ

1944 : Bretton Woods Conference
1945 : IBRD設立
1947 : フランスへの最初の融資
戦後 : ヨーロッパ・日本などの復興支援
1950年代〜 : 開発途上国のInfrastructureへ重点移動
1960 : IDA設立
1960–1990年代 : 教育・保健・農業・貧困削減などへ活動領域拡大
World Bank Group : 政府だけでなく民間投資・投資保証・紛争解決まで含む構造へ発展
21世紀 : 気候変動、感染症、エネルギー、食料、債務、デジタル化など新しい開発課題へ

World Bankが示しているもの

1940年代には、破壊されたものを再建すること。
その後は、存在しない経済基盤を作り、さらに、教育・保健・制度を含め、人々が経済活動へ参加できる環境を作ること。

そして現在では、国境を越える問題の中でも社会が持続できる基盤を作ることへと対象が広がっている。
世界が直面する「 Development 」の意味が変わるたび、その役割も変化してきた。

国家の発展に戦後世界は、最初は復興資金に求めた。
しかし世界の変化とともに、答えはインフラ、教育、医療、農業、制度、民間投資、そして地球規模の課題へと広がっていった。

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