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MVP ARCHIVE HISTORY|Energy : Energy History SPECIAL 13 : Nuclear Waste / 放射性廃棄物

MVP ARCHIVE HISTORY|Energy History SPECIAL 13 : Nuclear Waste / 放射性廃棄物

放射性廃棄物

原子力発電では、ウラン燃料から長期間にわたって大量のエネルギーを取り出すことができる。
その一方で、発電や燃料の製造、原子炉の運転、施設の保守や廃止措置を通して、放射性物質を含むさまざまな Nuclear Waste( 放射性廃棄物 )が発生する。

放射性廃棄物 は、含まれる放射性物質の種類や量、放射線の強さ、熱の発生、放射能が減少するまでの時間に応じて分類され、それぞれに適した方法で管理されている。

原子力発電所から生まれるもの

運転や点検で使用した作業服、手袋、布、フィルター、工具、配管、金属部品、コンクリートなども、放射性物質が付着していれば管理の対象になる。
原子炉の水を浄化する過程では、放射性物質を取り込んだイオン交換樹脂や濃縮廃液が発生する。

さらに原子炉から取り出された使用済燃料や、再処理後に残る高レベル放射性廃棄物も、長期的な管理を必要とする。

放射性廃棄物 という言葉には、日常的な運転で生じる比較的放射能の低いものから、強い放射線と崩壊熱を持つものまで、幅広い物質が含まれている。

放射能の強さによる分類

放射性廃棄物 は、放射能の濃度や含まれる核種、必要となる管理期間などによって分類される。
比較的放射能が低いものは、一般に低レベル 放射性廃棄物 と呼ばれる。
原子力発電所の運転や解体で発生する金属、コンクリート、作業用品、廃液などが含まれる。

より高い放射能を持ち、長期間にわたる隔離を必要とする廃棄物、使用済燃料を再処理したあとに残る廃液から作られるガラス固化体などは、高レベル 放射性廃棄物 に分類される。

分類の名称や基準は国によって異なるが、放射能の性質に応じて処分方法を変えるという基本的な考え方は共通している。

低レベル放射性廃棄物

低レベル 放射性廃棄物 は、放射能の程度や減衰に必要な期間に応じて処理される。
可燃物 : 焼却して体積を減らし、液体は濃縮やろ過を行う。
金属やコンクリート : 切断・圧縮される場合もある。
処理された廃棄物 : セメントなどで固めてドラム缶や専用容器へ封入され、放射能の濃度に応じて地表近くの施設や、より深い地下施設で処分される。

重要なのは、放射性物質が周囲へ移動しないよう、廃棄物を安定した形へ変え、容器や処分施設によって隔離することである。

使用済燃料

原子炉から取り出された燃料は、使用前と比べて強い放射線を放ち、大きな崩壊熱を発生する。そのため、まず原子力発電所の使用済燃料プールへ移される。

水は燃料を冷却すると同時に、放射線を遮蔽する役割を持つ。
十分に冷却された使用済燃料は、金属製の密閉容器とコンクリートなどを組み合わせた乾式貯蔵施設へ移すこともできる。

使用済燃料を廃棄物として直接処分するか、再処理して利用可能なウランやプルトニウムを回収するかは、国の政策によって異なる。

高レベル放射性廃棄物

使用済燃料を再処理すると、ウランやプルトニウムが分離される。
その後には、核分裂生成物や一部の超ウラン元素を含む高レベル放射性廃液はガラス原料と混ぜて高温で溶かし、ステンレス製の容器へ封入される。
これがガラス固化体である。

ガラスの内部へ放射性物質を取り込むことで、水に溶け出しにくく、化学的に安定した状態へ変える。
製造直後のガラス固化体は崩壊熱を発生するため、専用施設で数十年間冷却・保管されたあと、最終処分へ送られることが想定されている。

地層処分

高レベル放射性廃棄物 や、長期間にわたり強い放射能を持つ廃棄物の処分方法として、廃棄物を地下数百メートルより深い、長期間安定した地層へ埋設する地層処分が考えられている。

ガラス固化体を金属製の容器へ入れ、その周囲を水を通しにくい粘土材料などで包み、さらに安定した岩盤によって隔離する。
廃棄物そのもの、人工的な容器や緩衝材、自然の地層を組み合わせるこの構造は、多重バリアと呼ばれる。

一つの障壁だけに依存せず、複数の障壁によって放射性物質の移動を長期間抑える考え方である。

放射能は時間とともに減少する

放射性物質は、放射線を放出しながら別の原子核へ変化していく。
この過程を放射性崩壊という。
そのため 放射性廃棄物 の管理では、現在の放射線量だけでなく、どの核種が含まれ、将来どのように変化するかを評価する必要がある。

廃止措置で生まれる廃棄物

原子力発電所は、運転を終了したあとも直ちに消えるわけではない。
燃料を取り出し、設備に残る放射性物質を除去しながら、原子炉や配管、建物を段階的に解体する廃止措置が行われる。
この過程では、大量の金属やコンクリートが発生する。

放射能の濃度が基準より十分に低いものは、通常の廃棄物として処分したり、資材として再利用したりできる場合がある。
これをクリアランス制度という。

すべてを 放射性廃棄物 として扱うのではなく、測定と評価によって適切に区分することも、廃棄物管理の重要な工程である。

保管と処分の違い

放射性廃棄物 を施設内で管理することは、最終処分とは異なる。
保管は、将来取り出すことを前提に、監視や補修を続けながら一時的に管理する方法である。

一方、処分は、将来の人による継続的な管理へ依存せず、長期的に隔離することを目的としている。

現在、多くの 放射性廃棄物 は安全に保管されているが、長期管理が必要な廃棄物については、最終処分施設の建設や処分地の選定が各国で進められているが、地域社会との対話や合意形成も重要な要素となる。

発電後まで続く管理

原子力発電によって電気が生み出されたあとも、燃料や設備の管理は続く。
放射性廃棄物 は、目に見えなくなれば消えるものではない。

発生した場所、含まれる放射性物質、処理方法、保管場所などを記録し、長期間にわたって追跡する必要がある。

原子力利用は、発電所を運転する技術だけでは成立しない。
廃棄物を分類し、体積を減らし、安定した状態へ変え、必要な期間だけ人間の生活環境から隔離する仕組みまで含めて、一つのシステムとなっている。

Archive Point

Nuclear Waste は、原子力発電、核燃料の製造と再処理、施設の保守や廃止措置によって発生する、放射性物質を含む廃棄物 の総称である。
放射能の強さ、含まれる核種、発熱量、管理に必要な期間に応じて分類され、それぞれ異なる方法で処理・保管・処分される。

比較的放射能の低い廃棄物は、減容や固化を行ったあと地表付近などで処分され、高レベル 放射性廃棄物 は、ガラス固化体として安定化され、地下深部の安定した地層へ隔離する方法が進められている。

放射性廃棄物 の管理は、燃料を使い始める段階から、最終的な処分までを見通して設計される、原子力利用の一部である。


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