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MVP ARCHIVE HISTORY|Energy : Energy History SPECIAL 12 : Nuclear Fuel Cycle / 核燃料サイクル

Nuclear Fuel Cycle / 核燃料サイクル

核燃料サイクル

原子力発電で使われる燃料は、一度原子炉へ入れて終わりではない。
ウラン鉱石の採掘から始まり、燃料の製造、発電、使用済燃料の保管、再処理や最終処分まで、多くの工程を経て管理されている。

この一連の流れを Nuclear Fuel Cycle( 核燃料サイクル )という。
核燃料サイクル は、燃料を供給するだけでなく、使用後の燃料をどのように扱うかまで含めた、原子力利用全体の仕組みである。

ウラン鉱石から始まる

核燃料サイクル の出発点は、ウラン鉱山である。
採掘されたウラン鉱石は精製され、酸化ウランを主成分とする「 イエローケーキ 」が製造され、ウランは六フッ化ウランへ変換され、必要に応じて濃縮工程へ送られる。

天然ウランに含まれる核分裂性のウラン235は約0.7%しか存在しないため、多くの軽水炉では約3~5%程度まで濃縮して使用する。

燃料を製造する

濃縮されたウランは再び二酸化ウランへ戻され、焼き固めて燃料ペレットが作られる。燃料ペレット は被覆管へ収められ、燃料棒となり、多数の燃料棒が組み合わされて 燃料集合体 になる。
こうして完成した 燃料集合体 が原子力発電所へ運ばれ、原子炉の 炉心 へ装荷される。

発電に利用する

原子炉では、ウラン235の 核分裂 によって熱が発生、冷却材がその熱を運び、蒸気をつくり、タービンを回して発電が行われる。
運転を続けるとウラン235は減少し、核分裂 生成物が蓄積する。

一方で、ウラン238の一部は中性子を吸収してプルトニウムへ変わり、その一部も核分裂を起こしてエネルギーを生み出す。
燃料は運転期間を通じて少しずつ性質を変えながら利用されていく。

使用済燃料

一定期間使用された 燃料集合体 は、原子炉から取り出される。
これが使用済燃料である。

核分裂連鎖反応 は停止しているが、内部では 核分裂 生成物の放射性崩壊によって崩壊熱が発生し続ける。
そのため使用済燃料は、まず使用済燃料プールで十分な冷却が行われる。
その後は各国の政策に応じて保管、再処理、または処分へ進む。

二つの考え方

核燃料サイクルには、大きく二つの方式がある。
[ ワンススルー方式 ]
使用済燃料を再利用せず、そのまま長期保管や最終処分する方法で、多くの国が採用している。
[ 再処理方式 ]
使用済燃料から利用可能なウランやプルトニウムを取り出し、新たな燃料として再利用する方法である。

再処理によって回収されたプルトニウムは、ウランと混ぜたMOX燃料として軽水炉などで利用される場合がある。

高レベル放射性廃棄物

再処理を行っても、すべての物質を再利用できるわけではない。
核分裂 生成物などを含む高レベル 放射性廃棄物 が残る。

これらはガラスと混ぜ合わせて固化し、長期間冷却・管理されたあと、地下深部での地層処分が有力な方法として検討・実施されている。
ワンススルー方式でも再処理方式でも、最終的な 放射性廃棄物 の安全な管理は必要となる。

資源を有効に使う

再処理方式は、使用済燃料に残るウランやプルトニウムを再利用できることから、ウラン資源を有効活用できる可能性がある。
また、高速炉などと組み合わせることで、燃料利用効率をさらに高める構想も研究されてきた。

一方で、再処理施設や燃料加工施設には高度な技術と大きな設備投資が必要となる。
そのため各国は、資源状況、経済性、安全性、核不拡散政策などを総合的に考慮し、自国の燃料サイクルを選択している。

日本の取り組み

日本は資源の多くを海外へ依存していることから、再処理による核燃料サイクルを基本方針として進めてきた。
使用済燃料から回収したウランやプルトニウムを再利用する方針が採られ、MOX燃料 を利用する プルサーマル発電 行われている。

一方で、再処理施設の整備や使用済燃料の保管、高レベル 放射性廃棄物 の最終処分など、多くの課題について議論と取り組みが続けられている。

一つの発電では終わらない

燃料は鉱山から始まり、加工され、発電へ利用され、使用後も長期間にわたって管理される。
核燃料サイクル とは、この長い時間軸全体を含めた原子力利用の仕組みそのものである。
発電だけでなく、資源利用、安全管理、放射性廃棄物 の処分までを含めて考えることで、原子力発電の全体像が見えてくる。

Archive Point

Nuclear Fuel Cycle は、ウラン鉱石の採掘から燃料製造、原子力発電、使用済燃料の管理、再処理や最終処分までを含む一連の流れである。
核燃料は一度使って終わるものではなく、各国の方針によって再利用する方法と、そのまま処分する方法が選択されている。

核燃料サイクル は、資源利用、安全性、放射性廃棄物 の管理を含め、原子力発電を支える長期的なシステムである。


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