ドラマで話題になった『デフ・ヴォイス』がついに完結。『夢見る言葉』発売に思うこと
研修講師、手話通訳士の横山熊太郎です。
AIを活用しながら、シニア向けの情報や、書籍やガジェットの紹介などをしています。
手話やろう文化に関心のある方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
丸山正樹さんの人気シリーズ『デフ・ヴォイス』。
NHKでドラマ化され、大きな反響を呼んだこの作品の完結編『夢見る言葉 デフ・ヴォイス』が発売されました。 (エンタメラッシュ)
私自身、手話通訳に関わる立場として、このシリーズには特別な思いがあります。
『デフ・ヴォイス』とはどんな作品か
『デフ・ヴォイス』シリーズは、手話通訳士である荒井尚人を主人公とした社会派ミステリーです。
ろう者、CODA(ろう者の親を持つ聴者の子ども)、手話通訳者など、これまで小説ではあまり描かれてこなかった世界を丁寧に描きながら、ミステリーとしても高い評価を受けてきました。 (つたわるねっと〖株式会社BREXA Velta〗)
手話を知らない人でも楽しめる作品でありながら、ろう者を取り巻く現実や、聞こえる人との間にある見えない壁について考えさせられる内容になっています。
完結編『夢見る言葉』で描かれる世界
今回発売された『夢見る言葉』では、盲ろう者のコミュニケーションの問題や、特別支援学校で起きた出来事、そして前代未聞の裁判が描かれます。 (創源)
シリーズを通じて成長してきた荒井家の子どもたちも大きな役割を担い、単なる事件解決の物語ではなく、「言葉とは何か」「家族とは何か」を問いかける作品になっているようです。 (エンタメラッシュ)
手話通訳士である主人公が活躍する物語だからこそ、私たち手話関係者にとっては他人事ではありません。
手話通訳者として感じる魅力
手話通訳者は、ただ言葉を置き換える仕事ではありません。
相手の思いを理解し、その場の状況を読み取り、伝わる形に翻訳する仕事です。
『デフ・ヴォイス』シリーズが多くの読者の心をつかんだ理由は、単に「手話が出てくる小説」だからではないと思います。
そこに描かれているのは、人と人が理解し合おうとする姿そのものだからです。
聞こえる・聞こえないという違いを超えて、「伝えたい」「分かり合いたい」という普遍的な願いが物語の中心にあります。
手話を学ぶ人にも読んでほしい
手話を学び始めた人の中には、
「単語を覚えれば通じる」
と思っている方も少なくありません。
しかし実際には、言葉の背景にある文化や価値観、人間関係まで理解しなければ、本当の意味で伝わるコミュニケーションにはなりません。
『デフ・ヴォイス』シリーズは、そのことを小説という形で自然に教えてくれます。
だから私は、手話学習者にもぜひ読んでほしいと思っています。
おわりに
『夢見る言葉』の発売によって、『デフ・ヴォイス』シリーズはひとつの区切りを迎えました。 (創源)
完結は少し寂しくもありますが、この作品が多くの人に手話やろう文化を知るきっかけを与えてくれた功績は非常に大きいと思います。
まだ読んだことがない方は、第1作『デフ・ヴォイス』から手に取ってみてはいかがでしょうか。
きっと「言葉とは何か」を改めて考える時間になるはずです。
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