「貯金しなさい」は親の怠慢? なぜ真面目な『貯金信者』ほど貧しくなるのか。親子のための【学校が教えないお金の真実・第2話】
(前回・第1話:学校は「従順な労働者」を作る場所だった。へ)
「お年玉、ちゃんとお母さんに預けて貯金しておきなさいね」
「無駄遣いはしないで、いざという時のために貯めておきなさい」
子どもの頃、親や学校の先生から、何度もこう言われませんでしたか?
「貯金=良いこと、正しいこと」
私たちは、何の疑いもなくこの教えを信じて大人になりました。そして、自分の子どもにも、同じように「貯金しなさい」と言ってしまいがちです。
でも、はっきり言います。
今、そしてこれからの日本において、子どもに「ただ貯金しなさい」と教えるのは、親の『怠慢』になってしまうかもしれないのです。
「真面目にコツコツ貯蓄しているのに、なぜか生活がどんどん苦しくなっていく……」
その、誰も教えてくれない残酷な理由をお話しします。
例えば、今、銀行に「100万円」を預けているとします。
銀行の通帳には、何年経っても、しっかりと「1,000,000円(100万円)」という数字が刻まれています。
数字だけを見れば、お金は1円も減っていません。安心ですよね。
でも、スーパーやコンビニに行ってみてください。
ポテトチップスの袋はどんどん小さくなって、一部は包装が白黒にさえなって、いつも買っているお米や野菜、電気代は、数年前と比べて驚くほど値上がりしています。
ここに、恐ろしい罠があります。
かつて「100万円」で買えたものが、今は値上がりして「120万円」出さないと買えなくなっている。
これは言い換えれば、「あなたの100万円の価値が、いつの間にか80万円分に縮んでしまっている」ということなのです。
通帳の中の「数字」は減っていなくても、そのお金で買える「ものの量」は確実に減っている。
これが、ニュースでよく耳にする「インフレ(物価高)」の正体です。

これを知らずに「貯金が一番安全」と信じ込んでいる人は、せっせと「目減りしていく紙切れ」を守るために、毎日自分の時間を削って働いていることになります。
まさに、真面目な『貯金信者』ほど、静かに貧しくなっているのです。
では、なぜ「貯金しなさい」と教えることが、親の怠慢になってしまうのでしょうか?
それは、貯金という行為が「お金について考えることをサボる(思考停止する)」ことと同じだからです。
「貯金しておけば安心だよ」と言うのは、親にとって一番楽なアドバイスです。深く考える必要がないからです。
でも、それを言われた子どもは、
「お金は、使わずに守るべきものなんだ」
「お金が減るのは怖いことなんだ」
…という恐怖心を植え付けられます。
その結果、大人になった時、
「失敗するのが怖いから、新しいチャレンジにお金を使えない」
「自分を成長させるための勉強(自己投資)にお金を使えない」
…という、臆病な大人になってしまうのです。
これこそが、学校や親から受け継いでしまう「お金の呪い」です。
では、私たちは子どもに、お金の何を教えればいいのでしょうか。
今日、覚えておいてほしい、一番大事な真実。
それは、「お金は、ただの『交換チケット』に過ぎない」ということです。
お金そのものには、何の価値もありません。
ただの絵が描かれた紙切れ、ただの金属の塊です。
お金が本当に輝くのは、それを「何か別の価値と交換した瞬間」だけです。
自分の世界を広げる「体験」と交換する。
自分の未来を切り開く「知識やスキル」と交換する。
誰かを笑顔にする「プレゼント」と交換する。
お金持ちの親は、子どもに「貯めなさい」とは言いません。
代わりに、「そのお金を、どんな素晴らしい価値と交換する?」と問いかけます。
価値あるものと交換されたお金は、巡り巡って、何倍もの豊かさ(経験や人間関係、そして大きなお金)になって戻ってくることを知っているからです。
「貯金は、お金の価値をどんどん目減りさせる、一番リスクの高い行為である」
まずは、親である私たちがこの事実を認め、思考停止の「貯金信仰」から抜け出しましょう。

子どもに「守る(貯金する)」ことばかりを教えていると、一生、誰かの作ったルールの中でしか生きられなくなります。
大切なのは、「使う(交換する)」ことで、新しい価値を生み出す力を育てることです。
では、『自分の時間を売って「雇われる」だけ』ではない、お金の生み出し方とはどういうものか?

明日は、第3話:『学校が育てる「時間の切り売り体質」。なぜ「雇われる選択肢」しか持てない大人が量産されるのか』でお会いしましょう。
