なぜ真面目な日本人ほど投資の「養分」になるのか? NISAブームに潜む搾取の構造。親子のための【学校が教えないお金の真実・第4話】
(前回・第3話:学校が育てる「時間の切り売り体質」。なぜ『雇われる選択肢』しか持てない大人が量産されるのかへ)
「これからは貯金じゃなくて、新NISAの時代ですよ!」
「国もおすすめしているから、早く始めないと損ですよ!」
テレビやネットを開けば、毎日こんな言葉が飛び交っています。
前回の記事で「貯金は目減りするリスクがある」とお話ししました。
それを聞いて、「だったら、今流行りのNISAで株を買っておけば安心だね」と思った方も多いのではないでしょうか。
でも、ここに最大の落とし穴があります。
はっきりお伝えします。
「テレビが言っているから」
「みんながやっているから」
…という理由だけで投資を始める人は、高い確率でお金持ちたちの「養分(カモ)」にされて終わります。
なぜ、真面目で従順な日本人ほど、投資の世界でカモにされてしまうのか?
その、残酷な仕組みをお話しします。
「みんながやっているから、自分もやる」
私たちは学校で、この「前へならえ」の精神を叩き込まれてきました。
ルールに従い、みんなと同じ行動をすることが「優秀な生徒」だと教えられてきたからです。
でも、投資の世界では、この「みんなと同じ行動をする(思考停止)」が最も危険なルールになります。
投資の本質とは何でしょうか?
それは、「価値を生み出している企業(ビジネス)にお金を預けて、その成長を応援すること」です。
本来なら、
「この会社はどんな困りごとを解決しているんだろう?」
「これからどんな新しい価値を世の中に生み出すんだろう?」
…と、自分の頭で徹底的に考えて、お金を投じるべきものです。
しかし、学校で「言われた通りに動く訓練」しか受けていない人は、自分で考えることをしません。
「有名なインフルエンサーがおすすめしているから」
「一番人気の投資信託(パック詰めの商品)だから」
そうやって、中身もよく分からないまま、大切なお金を他人に差し出してしまいます。
これが、投資の世界のプロ(富裕層や金融機関)から見れば、格好の獲物なのです。
彼らは、難しい専門用語や「安心安全」という甘い言葉を使って、中身のよく分からない商品を売り、手数料という形で確実にあなたのお金を吸い取っていきます。

さらに恐ろしいのは、「暴落(大暴落)」が起きたときです。
投資をしていれば、何十年に一度、必ず世界的な不況や株価の大暴落が起こります。画面に映る資産の数字が、一瞬で半分に減ってしまうような嵐の夜です。
自分で「なぜこの企業に投資しているのか」という本質を考えていない『ほったらかし投資家』たちは、この嵐に耐えられません。
「大変だ! お金がなくなってしまう!」とパニックになって手元の株を急いで売ってしまい、後で振り返ればまさに「その売った時こそが、実は一番安い『底値』だったんだ…」という罠に、うまく?陥ってしまいます。
では、その安くなった株を、裏でニヤリとしながら買い叩いているのは誰でしょうか?
そう、「社会のルール」を知り尽くした、本当のお金持ち(富裕層)たちです。
真面目な一般人がパニックになって手放した「価値あるもの」を、富裕層が安値で買い漁り、嵐が去った後にさらに大富豪になる。
これこそが、投資の世界でずーっと繰り返されている、「貧しい人の財布から、裕福な人の財布へお金が移動するシステム(搾取の構造)」なのです。
「みんなが走る方向に、一緒に走る」
その学校で習った習性は、投資の世界では、ただ崖から飛び降りる羊の群れになることと同じなのです。
では、私たちは「養分」にならないために、どうしていくべきでしょうか?
答えは実に単純です。
他人が作った怪しいルールにお金を投じる前に、「自分の頭(知識)」に投資をするのです。
投資信託の数字を毎日スマホで眺めて一喜一憂する暇があるなら、
「今日、自分が使ったお金は、誰のどんな価値と交換されたのだろう?」
…と、世の中の仕組みを観察する目を養う方が、何倍も価値があります。
そして、子どもに対しても、
「この商品を買っておけば将来安心だよ」と教えるのではなく、
「このマクドナルドのハンバーガーは、どうして世界中の人に選ばれていると思う?」
「このおもちゃを作っている会社は、どうやってお金を稼いでいるんだろう?」
…と、ビジネスの裏側を一緒に考える対話をすることです。
「みんながやっているから」から抜け出すこと。
自分の頭で、価値を見極める目を育てること。
それこそが、富裕層の子どもたちが物心つく前から教え込まれている、本当の「投資教育」なのです。

学校のルールから抜け出して、社会の本当のルールに気づいた時、あなたと子どもの未来は劇的に変わり始めます。
明日は、この連載の最終回。
親である私たちが、今日から家庭でできる「具体的な第一歩」についてお話しします。
では、第5話(一旦最終回):『親の「お金の呪い」を解く。今夜、食卓で子どもに伝えるべき「最初のお金の話」』でお会いしましょう。
