揺れる恋心と職場の空気感が実にリアル【遠距離上等!俺様彼氏・創作大賞感想】
迷い。ときめき。葛藤。あの人は何を思っているのだろうか。ちゃんと私をみてくれているのか、それとも。恋に揺れる瞬間には、色んな感情が揺れ動く。
私自身、あまり恋愛小説は書かな……というか書けない。恋愛小説といえば、心が揺れ動くシーンや、お互いの触れ合い?などの場面が見せ場なのかなぁとは思うものの、どうやって書いたらいいのかわからない。多分、自分が恋愛小説をあまり読んでいなかったり、今恋をしていないのもあるけれども。
けれど、いつか書いてみたいと思う。魅力的な恋愛小説と出会う度にそう感じている。
蒼龍葵さんは、その心の揺れるシーンだったり、2人が触れ合う場面を書くのが毎回とても上手いなぁと感じている。
とくに男女の距離(※アレの時とか、ソレの時とかね)を縮めていく過程が、めちゃくちゃリアル。読むことで、疑似恋愛を楽しめる気がする。
私は既婚者子持ちなので、夫以外の男性とは恋愛できないけれども(※歳と共に性欲が減退してしまったのもあるが)、恋愛小説ならドキドキワクワクムズキュンを楽しめるのか——小説って凄いなぁ。蒼龍さんの恋愛小説に触れる度に、改めてそう感じている。
蒼龍葵さんの「遠距離上等!俺様彼氏」は、恋に揺れる乙女の心理描写が巧みに描かれている。彼氏の辻谷俊介(俊ちゃん)を喜ばせるために、コスプレショップへ向かう晶がとてもいじらしくて可愛い。
登場するキャラも実に魅力的で、俊ちゃんとの出会いのきっかけを説明する部分も自然な流れで展開されていたり、設定も丁寧。文章も読みやすい。私は内科病棟のベテランの千里さんが、控えめで可愛らしい性格で、実に好み。会話もリアリティがあり、楽しそうなところも良かった。
とくに好きなシーンは、千里と晶がコスプレの服を相談し合っているシーン。
「わー!楽しそう!私も中に入りたい!」
会話劇のテンポがよく、その世界に見入ってしまう。読み進めていくうちに私も千里さんや晶と一緒にメイド服のコスプレをしたくなってしまった。
昔からずっと書いてきた方ならではの安定感があり、安心して読み進められた。晶だけではなく、木嶋の目線によるお話もあるので、いろんな気持ちで物語を楽しむことができた。
そしてここはあくまで私の嗜好になって申し訳ないのだが……
実は関西弁訛りの俺様男子はめちゃくちゃ好みである。
エリート街道真っしぐらな男子も最高。エリート関西弁の俊ちゃん、そしてちょっと釣り合わない私と何で??……どうして私なんかとっ……この設定、私のモロ好みである。(昔そんな恋ばかりしていたのは内緒ですよ、みなさん)
昔好きだった男達、そういえばちょいちょい訛りのある俺様だった。「お前のこと好きやねん」と呼ばれると、ムズキュンしてしまう。けれど女友達に相談すると「お前とか女に呼ぶ男なんてやめておけ」と忠告されてしまう。
けれど、俺様タイプの男性ほど、実は自身が繊細で自分を守るために強がっていたり、本当は優しかったりもする。そして、そんな姿がいじらしくてムズキュンしてしまったり……。けれど恋は積極的でグイグイきたりとかして。
俊ちゃんは言葉こそ俺様だけど、優しくてマメ。あっちの方もグイグイと積極的だ。
うん、俺様君、たしかにこのタイプ多かった。晶の気持ちも、凄くわかる。連絡が急に途絶えると猛烈に気になってしまったり、エゴサとかしちゃったりして。うんうん、わかる。晶の気持ち……その道は私も同じことしたことあるよぉぉぉ!って晶に声をかけたくなる。(何を思い出しているのか)
恋のあるある的な部分も、エピソードが細かく綴られているので、唯一無二のストーリーとして仕上がっている気がした。
俊ちゃんのキャラもかなり良い。関西弁訛りの力で、その優しさと人懐っこさがより倍増している気もする。俺様タイプへの解像度が高く、俺様男子大好きな私も存分に楽しめる作品だった。
ストーリーには元彼の草間慎吾や、俊ちゃんの弟、昔好きだった斎藤拓真、悪戯っぽいキャラがどこか憎めない和希くんなどイケメン、ナイスガイがたくさん登場するので、終始キュンキュンが止まらない。それにしても晶の周り、いい男がいっぱいで羨ましい。
ストーリーは恋愛だけではなく、外科病棟でのお仕事的な要素もしっかり書かれている。
この辺りは、さすが葵さんが病棟勤務経験者というだけあって、すごくリアル。
お仕事シーンも読み応えがあるのは、葵さんが作品において伝えたいメッセージがかなりきちんとしたものだから。それは一体どんなメッセージなのかは、こちらのnoteにも書かれている。
「手術室に興味をもってもらいたい」
手術室を知って欲しいんです。そして、まあフィクションですが、手術ってこんな感じなんだよ、とか、マヤさんの態度でこういういい先輩もいるんだよ!ってのを知ってもらいたい。
この強い想いが私は凄く好き。noteには強い想いや信念を持って創作に取り組んでいる方も多い。
私はその中でも、割と「楽しかったらいいや」みたいなタイプなので、強い思いのある方と出会うと素敵だなぁと思う。
彼女はnoteで、その想いを時折吐露することもしばしば。その想いに触れる度に、かっこいいなぁと。そして、私はこっそり「その気持ちが誰かに届きますように」と願う。
自分の作品と思いに誠実で、真っ直ぐな葵さん。これからも、彼女の想いがどこかの誰かに届くようにと祈ろうと思う。
【完】
【追伸】
本当はこちらの下書きをもっと前に(創作大賞が始まってしばらくしたくらい)に書いていたのですが、色々な方々の投稿を眺めつつ出すタイミングを伺っていました。(感想が続くといやらしいかな?という思いもあり……。考え過ぎなんですけどね……)
実際に、少し待ってみてよかったです。理由は、こちらの記事も紹介できるなぁと思ったからこそ。
創作大賞オールカテゴリ部門の応募作品であり、両親の病を通じて「家族の愛」について書かれていました。私は今45歳。両親も70歳を過ぎました。親の健康について日々考えています。
生きるって、当たり前なんかじゃなくて。健康だからこそ、生きることができる。改めて体と……家族を大事にしようと思えました。
さりげなく、はそやmさんの骨皮筋右衛門が登場する演出も良き。(どこに登場するのか、ウォーリーを探せ感覚で探してみてください)
↑はそやmさんの今年、talesに応募している作品はこちら。まだ1話しか読めていないので、また時間のある時にちょこちょこ伺わせていただきますね。
◇
2024年の創作大賞が終わった後、葵さんの感想文が心の支えでした。この感想があったからこそ、私は今年一年noteを続けられた気もします。
本当に、心のこもった感想をありがとうございました。お互いにこれからも楽しく書いていけると嬉しいです。
