もしもーし、聞こえてますか【蓄音機の日】
7月31日は蓄音機の日。
音を保存する機械が世に出た日、と言われています。
その部屋の空気ごと、閉じ込めているのだとしたら。




考えてみると、すごいことだと思うんです。
蓄音機ができるまで、声は出た瞬間に消えるものでした。歌も、笑い声も、名前を呼ぶ声も、その場の空気が震えて、それきり。二度と同じものは聞けない。
それを、蝋に溝として刻んで取っておけるようになった。
つまり人類はあの日から、もういない人の声を聞けるようになったわけです。
便利になった、で終わらせてもいいんですけど、私はどうしても考えてしまう。
音が残るということは、その時そこにいた誰かも、ほんの少し残っているんじゃないか、と。
歌だけのはずのレコードから、名前を呼ばれる。
普通なら、逃げるところだと思います。
でも私は、返事をしてしまう方の人間で。
うちの執事は「それは通話ではございません」と言いましたが。
返事が来たので、たぶん通話でした。
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