「電気を使用するうえで切り離せない地層処分」って??とんでもないNUMOのCMが電車の中で流されている
NUMOのCMが電車内のモニターで流れてきて
この↑動画をいつも乗っているJR東日本の電車内でみました。
最後の流れるテロップ「電気を使用する上で切り離すことのできない地層処分についていっしょに考えてみませんか」を見て、おい!こらあああ💢💢💢となりました。(タイトル画像)原発の使用済核燃料を再処理してできるガラス固化体の地層処分の話をしているはずなのに、なぜ「電気を使用する上で切り離せない」ことになるのでしょうか。
JR東日本、JR西日本、JR九州、名古屋メトロで
この動画CMはNUMO(原子力発電整備機構)が作っています。NUMOとはガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)を地層処分するための実施主体です。以下のHPをみると、この動画CMは5月19日から6月1日までの間、JR東日本・JR西日本・JR九州、名古屋メトロの各路線でこの動画が流されているようです。
「電気のごみ」と呼んでいた
経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)は2007年から、高レベル放射性廃棄物の広報活動として「共に語ろう電気のごみ」 というワークショップを開催していました。「持続可能な社会をつくる元気ネット」(元気ネット)という市民団体が運営していました。この団体の理事長が崎田裕子氏で現在NUMOの理事や経産省、環境省、文科省の審議会の委員などになっていて、原子力ムラで大活躍されています。
核のゴミキャンペーンは、当時この「電気のごみ」というタイトルを変えることを求めましたが「チラシで説明している」として元気ネットはタイトルを変えることはしませんでした。
質問「電気のごみ」という表現について「承知している」、「配慮している」とのことで すが、これではやはり誤解されやすいとおもいます。 たとえば3分の1の電気を作り出している「原発のごみ」という表現に変更するべきと おもいます。今後の検討をぜひお願いします。
回答 前回も申し上げましたが、募集のチラシには、その旨掲載しています。
https://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/n2008-7.pdf
このときNUMOは「電気のごみ」という表現がおかしいことを認め、この表現は今後使わないようにすると言いました。
こんな経緯もあり、NUMOがCMで「電気を使用する上で切り離すことのできない地層処分」という誤解を招く表現をしていることは認められません。
国民的議論を呼びかけるNUMOの新聞広告

NUMOは電車モニター広告と同時に新聞広告も行っています。5月19日には朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞、北海道新聞、東奥日報、河北新報、茨城新聞、静岡新聞、中日新聞、新潟日報、北國新聞、福井新聞、山陰中央新報、中国新聞、愛媛新聞、西日本新聞、佐賀新聞、南日本新聞つまり全国紙5紙と原子力施設立地自治体の地元の地方紙に上↑の新聞広告が掲載されました。
この新聞広告の中身は嘘ばっかりだという指摘を大島堅一先生(龍谷大学教授)が「環境哲学ちゃんねる」(動画)でしています。そもそも国民参加の制度が日本にはないと。確かに!!
NUMOが議会請願の素案を作成していた
5月23日、中国新聞に上↑のような記事が載りました。
島根県益田市の経済界の有志が高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場の「文献調査」受け入れに向け請願を検討していた件で、原子力発電環境整備機構(NUMO)が市議会への請願書の素案を作成し、有志側に渡していたことを関係者が23日、明らかにしたという記事です。
有料記事なので、最後の部分だけ以下に貼り付けます。
=2020年に文献調査が始まった北海道寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村、24年から始まった佐賀県玄海町は、いずれも知事が次段階に進むことに反対の姿勢だ。原子力資料情報室(東京)の松久保肇事務局長は「NUMOはどうしても、文献調査を受け入れてくれる自治体を増やしたかった。このため今回の事態が起きたのだろう」と推測。「NUMOが地域で処分場事業が重要だと請願の素案で示すことは、裏から手を回しているように受け取られかねず、健全でない」と批判する。
巨額の交付金などで市町村を調査に誘導するやり方には批判も多い。松久保事務局長は「現在のやり方で処分場が決められるのか。今回を機に選定プロセスを見直すべきだ」と訴える=
この記事にもあるように、島根県知事や益田市長の反対もあって、益田市の経済界の有志は高レベル放射性廃棄物の文献調査に手を挙げることを断念したようです。
国、電事連はすでに詰んでいる
1995年4月、初めて高レベル廃棄物のガラス固化体が、フランスから日本に返ってきました。国と電事連は青森県に対して「今後30年から50年間、六ヶ所村の一時保管施設で管理したあと、最終処分場に搬出する」と約束しました。「青森県を核のごみ捨て場にはしない」と約束したのです。
しかし、30年経った今、最終処分場は文献調査が終わったところが2ヶ所、文献調査が進んでいるところが1ヶ所という状態。あと20年で最終処分場ができあがり、ガラス固化体を六ヶ所村から搬出できるとはとうてい考えられません。
文献調査が終わった2ヶ所とは北海道神恵内村と寿都町。ほぼ適地がないところと、専門家が一番向いてないというところです。詳細は以下↓のnoteを。
現在、文献調査が進んでいるのは佐賀県玄海町。こちらは地下に鉱物資源があるので、「科学的特性マップ」ではシルバー(グレー?!)のところです。
核燃料サイクルは破綻している!
高速増殖炉もんじゅが廃炉になり、核燃料サイクルは破綻しています。またイギリスはプルトニウムを固化処分することを決定しました。27回も完工延期して、いつまで経っても完成しない六ヶ所村の再処理工場についても、国と日本原燃と電事連は「できるできる」と言い続けています。
関電は、たまり続ける使用済核燃料を福井県から持ち出す約束を守るために、フランスでのMOX燃料の再処理を計画しています。そのMOX燃料の海外再処理により発生する高レベル廃棄物の返還について、青森県は受け入れの対象外であることを表明しています。
返ってくる高レベル廃棄物の受け入れ先の見通しもないまま、MOX燃料の再処理をすすめようとする関電、電事連、それを認めている国。詳細は以下↓のnoteを。
「自分のこととして考えて」というけれど
NUMOは高レベル放射性廃棄物のことを「自分のこととして考えてほしい」というけれど、自分たち原子力事業者こそ、たまり続ける原発の廃棄物をどうするか、真剣に考えてもらいたい!です。現実に目をつむり、「できるできる」と呪文のように唱えながら、従来の全量再処理方針を見直すことはしない。自分たちに都合の悪い専門家の意見は無視し、都合の良いことしか広報しないNUMOやエネ庁。原子力への信頼を回復するなんて絶対無理だと思います!
まずは原発を止めて、使用済核燃料の発生を止めてから国民的議論を呼びかけてください!!
===おまけ:お金の話===
こういう広告のお金はどこからでていて、いくら支払っているか?
2000年、高レベル放射性廃棄物の最終処分費用は、ガラス固化体1本あたり約3600万円と試算され、4万本を処分するための約3兆円を原子力事業者が電気代から拠出し、機構つまりNUMOが積み立てていくことが決まりました。
下↓の資料にあるように、その後事業費は4兆1660億円にまでふくれ上がり、単価はガラス固化体1本あたり2億1172万円と5倍以上に値上がりしています。
特定放射性廃棄物の最終処分費用及び拠出金単価の改定について(2024年12月)
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000284611
2023年度のNUMOの損益計算書をみてみると、拠出金の見返戻入額は62億円、費用全体が約63億円で、広報活動費は約10億円。費用全体の6分の1を広告にあてています。
https://www.numo.or.jp/about_numo/outline/zaimu/2023/pdf/sonekikeisansho_2023.pdf

拠出金(ガラス固化体分=第一種)の積立額は2023年度の1年間で約600億円。積立残高は約1兆2千億円。あと20年で最終処分場を完成するためには、残り約3兆円を20年で積み立てないといけないことになります。単純計算で1年1500億円。たくさん原発を動かさないと拠出金が集まらない仕組み!です。
高レベルのガラス固化体の最終処分場は時間的にも金銭的にも詰んでいます。

*1 この電車内広告がまた東京メトロの車内のモニターに流れているのをみてしまいました。22日まで流れているようです。
・放映日程(電車内モニター)
・5月19日~6月1日:JR東日本、JR西日本、JR九州、名古屋地下鉄の各路線
・6月9日~6月22日:東京メトロ、大阪メトロの各路線
(駅構内ビジョン)
・6月9日~6月22日:JR北海道、JR東日本、JR西日本、JR九州、札幌市営地下鉄の各主要駅
・6月9日~6月15日:東京メトロ、大阪メトロの各主要駅
※JR北海道・札幌市営地下鉄においては、6月10日~6月23日で電車内中吊り広告も実施。
※駅構内ビジョン広告・中吊り広告については、出稿開始以降に以下のページにて広告内容を掲載いたします。
