AIを使った記事制作で人間が判断すること|ネタリエの制作ポリシー
この記事では、「この記事はAIで書いたのですか」という問いを入口に、ネタリエの記事制作でAIをどのように使っているかを、綿樽 剛の視点で考えます。AIの利用を隠すのでも、便利さだけを強調するのでもなく、依頼者の経験や考えを勝手に補わず、本人が納得して公開できる文章へ整えるための制作方針をまとめました。
「この記事はAIで書いたのですか」
一見、はいかいいえで答えられそうな質問です。
でも、実際には少し困ります。
音声を文字にする。長いメモを分類する。見出しを比べる。説明が足りない場所を探す。誤字や重複を確認する。
このどこかでAIを使ったら、記事全体を「AIが書いた」と呼ぶのでしょうか。反対に、最後に人が手直しをすれば、すべて人間が書いたことになるのか。こちらも、少し違う気がします。
こんにちは。綿樽 剛です。
ネタリエという屋号で、小さな商売のnote発信サポートをしています。
仕事の中にあるメモ、音声、過去記事、日々の気づきなどのネタを拾い、検索にも届き、人柄も伝わるnote記事へ整えています。
今回は、記事制作のどこでAIを使い、どこからを人が判断するのか。そして、本人の言葉を消さないために何を確認しているのかを書きます。
私に記事制作を依頼したいと思われる方の、判断材料になればうれしいです。
「AIを使った」という一言では、記事の作られ方は分からない
記事が公開されるまでには、いくつもの工程があります。
最初に、誰に向けて何を書くのかを決めます。
使えそうなメモや経験を集めます。
その中から、今回の記事に残す内容を選びます。
構成を作り、文章へ整え、必要な情報を調べます。
最後に、本人の名前で公開してよいかを確認します。
AIは、この工程のあちこちに入ることができます。
だから、「AIを使った」という一言だけでは、記事の作られ方までは分かりません。
文章の大部分をAIが出していても、本人の経験と判断が残っている場合があります。反対に、人が一文ずつ入力していても、どこかで聞いた一般論ばかりになることもあります。
大事なのはAIで書いたのか、人間が書いたのか。その割合がどれほどなのかではありません。
誰の素材から始まったのか。
誰が残す内容を選んだのか。
誰が最後に公開を決めたのか。
記事を読むときにも、制作するときにも、こちらのほうがよほど大事だと考えています。
AI記事制作で読みやすく整えるほど、本人の言葉が消えることがある
記事制作を外部へ頼む人が心配しているのは、AIという道具の存在だけではないと思います。
いわゆるAIの副作用のほうです。
自分が話していないことを書かれないか。
小さな実績が、立派すぎる成功談に変わらないか。
迷いながら話した内容を、強い結論として言い切られないか。
AIを使って文章が読みやすくなっても、「これは自分の文章ではない」と感じることがありますよね。
語尾や言葉遣いが違う場合もありますが、多くの場合、AI感が強くなるのは、本人が立ち止まった場所まで、きれいに処理されてしまうからです。
たとえば、お客様にサービスを勧めなかった経験があったとします。
AIに文章を書かせれば、だいたい、こんな風に帰ってきます。
お客様に本当に必要な提案をすることが、長期的な信頼につながります。
内容は間違いとは言えません。
ただ、本人が残したかったのはもっと格好悪いところだったかもしれない。
売上は欲しかった。
だから、本音では勧めたい気持ちもありました。
でも、話を聞いているうちに、この人には今は必要ないと思った。
迷った末に、今回は勧めませんでした。
みたいな。
何を見て、なぜ売らないと決めたのかに、その人の仕事が表れます。本人らしい記事にするために必要なのは、口癖を加えることだけではありません。
少し言いよどんだところ。簡単には言い切れなかった理由。本音では迷っていたこと。
そのような判断の跡を残す必要があるのです。
ネタリエの記事制作は、完成原稿ではなく素材から始まる
AIで書かせたとしても、人間臭さを残すためには、素材が大切だと考えます。素材が一次情報ならAIを使っても文章はその人の匂いが漂うものになります。
私が仕事をする時にはクライアントから以下のようなものを受け取ります。
箇条書きのメモ、スマートフォンで録音した音声、問い合わせへの返信、過去記事、仕事中に書き留めた一文。
どれも、そのままでは記事にならないかもしれません。
でも、整っていない素材だからこそ残っている言葉があります。
何度も繰り返している説明。
本人にとっては当たり前すぎて、記事にする発想がなかった話。
話している途中で、少し言い直した部分。
以前はこう考えていたけれど、今は変わったという判断。
そうした箇所を見ながら、記事の中心になる素材を探します。
何もないところから、本人らしい文章を作るわけではありません。
本人の仕事の中にすでにあるものを拾い、読者へ伝わる順番へ置き直すのです。
その過程の中でAIをフル活用します。
長い音声を話題ごとに分ける。
複数の資料から、同じテーマについて話している箇所を探す。
過去記事と内容が重なっていないか確認する。
記事の構成を複数作り、違いを比べる。
初めて読む人に足りない説明を探す。
同じ内容を何度も言い換えていないか確認する。
下書きを作る際にもAIを使います。
ただし、AIが最初に出した文章を、そのまま完成原稿として渡すわけではありません。
AIを使うのは、確認する工程を省くためではありません。
見落としやすい素材まで確認し、構成や表現を比較する範囲を広げるためです。
人が担当するのは、素材の意味を決める仕事
AIは、素材の中から関連する箇所を探せます。
見出し案も出せます。文章を短くしたり、説明を補ったりもできます。
しかし、見つけた素材を記事に残すべきかまでは決めてくれません。
同じ話でも、記事の目的によって扱い方は変わります。
検索から初めて来た人へ説明する記事なのか。
すでに発信を読んでいる人へ、考え方を伝える記事なのか。
サービスを検討している人の不安へ答える記事なのか。
今回の記事では触れず、別の記事へ分けたほうがよい話もあります。
個人やお客様が特定される可能性があり、公開しないほうがよい内容もあります。記事制作では、文章を作る前に、この記事が何を担当するのかを決めます。
また、顧客情報や社内情報などをAIで整理する場合も、そのまま入力するのではなく、記事制作に必要のない個人情報や機密情報を除いたうえで扱います。
そのうえで、人が次の点を確認します。
どの経験を中心にするか。
どの話を削るか。
どこまで具体的に書くか。
本人が言っていないことを補っていないか。
不安を必要以上に煽っていないか。
サービスをよく見せるために、実績を膨らませていないか。
本人が慎重に話した箇所を、強く言い切っていないか。
AIは候補を出せます。
でも、何を残し、どこまで言うかは決めません。ここが、記事制作に人が関わる意味だと思っています。
AIは素材の整理や構成、下書きにも使います。ただし、何を残し、どこまで言い、本人の名前で公開するかは人が判断します。
ネタリエのAI記事制作で、本人の名前で公開できる原稿とは何か
AIを使った記事制作で残すべきなのは、整った文章の癖ではなく、本人が何を見て、どこで迷い、何を残すと判断したかという跡です。
AIは、文章として自然な説明を補うことがあります。
そのため、下書きができた段階で、読みやすさだけではなく、元の素材から離れていないかを確認します。
本人が経験していない話が加わっていないか。
実際よりも大きな実績や数字になっていないか。
迷いながら話していた内容が、強い断定へ変わっていないか。
制度、料金、製品の機能などを扱う場合は、AIの回答をそのまま根拠にせず、元の資料や公式情報も確認します。
ただし、制作側(私)だけでは判断できないこともあります。
その出来事を本当にそう受け止めていたのか。
この表現で公開して問題がないか。
言い切りすぎていないか。反対に、弱めすぎていないか。
最後は、原稿を本人へ戻して確認してもらいます。
見るのは、誤字や文章のうまさだけではありません。
「自分が話したことが残っているか」
「自分の考えとして公開できるか」
という点です。
AIらしさを消すことが、最終目的ではありません。本人が自分の名前で出せる原稿になっているか。そこまで確認して、記事を完成させます。
本人の素材から始まり、本人の判断の跡が残り、最後に本人が自分の目で確認した原稿なら、AIを使った記事制作や制作代行であっても、本人の名前で公開できる記事だと考えています。
仕事の中の素材を残すところから始めたい方へ
AIで文章を整える前に、元になる素材を残しておくことが必要です。
お客様から繰り返し聞かれる質問を残したい方は、質問台帳の作り方をまとめています。
その場で考えた理由や具体的な場面まで残したい場合は、音声を使う方法もあります。
AIの使い方だけでなく、メモ、質問、音声など、仕事の中にある素材をどう記事へ変えるか全体から見たい方はこちらです。
→ 記事ネタは仕事の中にある|メモ・質問・音声をnote記事に変える方法
サービスの一覧と最新の案内は、公式サイトにまとめています。→ ネタリエ公式サイト
【制作について】この記事は、綿樽 剛の構成、メモ、リサーチ内容をもとに、AIを下書きや整理の補助として使用し、最終的に本人が確認・編集しています。記事の切り口、残す内容、削る内容、公開判断は綿樽 剛が行っています。
