#2|水槽で育てているのは魚だけ?小学校では教わらないメダカ飼育の裏側
前回、良かれと思って行った徹底的な掃除が、金魚の死を招いた事例を紹介しました。
この原因を、魚が受けるストレスという抽象的な観点ではなく、水槽の中の物質がどのように動いているかという点から整理します。
水槽における主要な栄養源はエサです。
エサはメダカの成長を支える一方で、排泄物や食べ残しも生じさせます。
これらは微生物によって分解される過程で、メダカにとって毒性の強いアンモニア $${NH_3}$$ を生成します。

安定した環境を保つには、このアンモニア $${NH_3}$$ を速やかに処理して毒性を弱める仕組みが必要です。
そこで、ろ過バクテリアを使って亜硝酸塩 $${NO_2^-}$$、さらに硝酸塩 $${NO_3^-}$$ へと硝化させます。
化学式にすると次のようになります。
▶(第1段階)アンモニアから亜硝酸へ:
アンモニア酸化細菌(ニトロソモナスなど)による反応です。
$${2NH_3 + 3O_2 \longrightarrow 2NO_2^- + 2H^+ + 2H_2O}$$
※この反応の過程で放出される $${H^+}$$(水素イオン)は、飼育水の $${pH}$$ を低下させる要因となります。つまり、水は少しずつ酸性になっていきます。
▶(第2段階)亜硝酸から硝酸へ:
亜硝酸酸化細菌(ニトロバクターなど)による反応です。
$${2NO_2^- + O_2 \longrightarrow 2NO_3^-}$$
この化学式から分かるように、この反応には水中の酸素 $${O_2}$$ が不可欠であり、酸素が十分にあることで浄化が進みます。
最終的に生成される $${NO_3^-}$$ は、コケや水草が栄養として吸収します。しかし多くの場合、すべてを吸収しきれないので、少しずつ水中に蓄積していきます。
$${NO_3^-}$$ の毒性は弱い。それでも蓄積しすぎると魚に悪影響を及ぼすため、定期的に水を入れ替えることで物理的に水槽の外へ排出します。
ここで、ひとつの注意点があります。
それは、バクテリアが増える速さの違い。
1.分解バクテリア(アンモニアを作る側):
一般に数時間から数日で爆発的に増殖し、$${NH_3}$$ を発生させる
2.ろ過バクテリア(アンモニアを消す側):
定着に数週間から一ヶ月を要する
この時間差により、掃除を徹底する行為は、増殖の遅いろ過バクテリアを排除し、アンモニアがたまりやすい環境をワザと作り出していたことになります。
次回は、この仕組みをもとに、前回の#1で挙げた管理パターンを比較してみようと思います!
🔗 次の記事につづく
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