息子語録から学ぶ、ウェルビーイング
日常の中でふと放たれる、子どもの言葉。
それはときに突拍子もなく、ときに胸の奥をやさしく震わせます。
大人の私には到底出てこないような発想や純粋さに、
いつも驚かされ、そして学ばされています。
なぜ子どもの言葉はこんなにも心に響くのでしょうか?
―その答えのひとつが、ウェルビーイングにあるように思うのです。
そもそもウェルビーイングとは?
「ウェルビーイング(Well-being)」は、直訳すると「良く在ること」。
単に「健康」や「幸せ」という意味にとどまらず、世界保健機関(WHO)は
“身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること” と定義しています。
私自身はこれをもっとシンプルに、
「心も身体も人間関係も、まるっと調和している状態」
と捉えています。

ここで、うちの息子のこれまでの発言(語録)をいくつかご紹介したいと思います。
「ねえママ、天下とっていい?」
一見、子どもらしい夢物語。
けれど、この言葉を聞いたとき、私は「天下をとる」なんて発想を、
いつから自分は手放してしまったのだろうと気づかされました。
大人になるにつれ、できること・できないことの線を引き、
現実的に考えるようになります。もちろんそれは大切なことですが、
その一方で「やってみたい」と素直に言える心を置き去りにしてしまう。
ウェルビーイングの第一歩は、無邪気に「こうしたい」と口に出せること。
たとえ叶うかどうかわからなくても、
「望みを表現する自由」を持てることこそ、
心が健やかである証なのだと思います。
「おれがかなしいきもちの日はハヤシライス、うれしいきもちの日はドライカレーをつくってね。」
この言葉に、私は思わず笑ってしまいました。
でも同時に、とても大切なことを教わった気がしたのです。
感情と欲求をリンクさせ、自分の状態を相手に伝える力。
「今日は悲しいから、こうしてほしい」
「今日は嬉しいから、こんな気分」
大人になるとつい我慢したり、
表現を控えたりしがちですが、
本当はこれが心のバランスを保つ秘訣。
ウェルビーイングとは、ポジティブな感情を持つだけでなく、
ネガティブな感情も含めて
「そのままを伝えられる」安心感の上に成り立つものだと思います。
「オレは空の青色が好きだよ。だって、やさしくつつみこんでくれそうな色だから。」
大人になると、空を見上げても「晴れているか」「雨が降りそうか」と、
機能的な判断しかしなくなりがちです。
でも息子は、空の色を「やさしくつつみこんでくれそう」と表現しました。
この言葉を聞いて、私自身も胸の奥がやわらかくなりました。
自然をただの景色として消費するのではなく、
そこに感情や意味を見いだせる感性。
これこそ心を豊かにしてくれる源泉です。
ウェルビーイングには、自然とのつながりが欠かせないといわれます。
それを理論で学ぶよりも、子どものひとことで腑に落ちる。
そんな体験でした。

息子から学んだウェルビーイング
振り返ると、息子の言葉はこんなことを教えてくれていました。
自分のやりたいことを無邪気に口に出せること
自分の感情を素直に伝えられること
自然とのつながりを言葉にできる感性
どれも特別な知識ではなく、本来は誰もが持っていた感覚。
大人になる過程で忘れてしまったものを、
子どもは日常の中でそっと思い出させてくれます。
そして改めて感じるのは、
ウェルビーイングとは「巡りがいい状態」だということ。
思っていることをそのまま表現し、疑問は解消し、よい状態も悪い状態も受け入れて、相手に自分の想いを伝える。
大人になるにつれて、周りを意識しすぎて言葉を飲み込んでしまったり、
相手に忖度して回りくどい言い方をしてしまったり…。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
子どもにとっては当たり前のことが、
実は大人にとっていちばんの学びなのかもしれません。
ウェルビーイングを「探す」のではなく、「思い出す」。
そのきっかけ、あなたの身近にも転がっているかもしれません。
【過去の記事はこちらからお読みいただけます。】

