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歩くこととは「ストレスレス」である。

 歩くことがなぜ好きか、の続き。
 とは言え、要するに「楽しい」から、という元も子もない理由になってしまうので恐縮なのだけど、僕にとっては楽しいことなのだから仕方ない。

 つまり「音楽を聞くこと、演奏すること」が楽しいとか「野球をプレイすること、観ること」が楽しい、ということと変わりなく、「歩くこと」が楽しい、ということになる。あまり歩くことを観るなんてことはないので、そちらに興味があるという人はいないと思うけど。(世の中は無限に広いので中には誰かが歩くところを観ることが好きな人もいるかも知れない)

 「歩く」というのは音楽や野球などと同じく、趣味的な、レジャー的な楽しみとしての「歩く」という行為と、移動手段としての「歩く」という行為がある。
 街歩きやハイキングなどのように、レジャーなどの手段として「歩く」ことを楽しんでいる方は多い。街道歩きなどもこちらになるが、移動のために「歩く」ことが好きな人はあまりいない。むしろ移動に対する歩きは、どちらかというと避けている人が大半だろう。

 たとえ移動のために自ら進んで歩く人であってもそこには健康のためとかダイエットなどのためなど、なにかの目的のために頑張って歩いているということだと思う。

 住宅地やマンションの売り文句は最寄り駅からどれだけ近いかであるし、目的地への経路検索でも「歩く」ことを最短にするように調べられる。もちろん歩くことが時間と体力を使う行為であるし、最寄り駅からの近さが目的地へ最も早く到達するための必須条件であるとするならば納得できる。

 移動としての「歩く」ことはどちらかと言えば他の手段があるならばそれらが選択され、「歩く」ことは最後の選択肢である。車があるならば車で、公共交通機関があれば電車やバスで、自転車が使えるなら自転車で、それらが使えないのであれば「歩く」しかない、と言った具合に。

 街道を歩きながら想うことは、昔から今に至るまで人類は如何に速く遠くまで移動できるかを追求してきた。そして、その名残として旧街道という形で人が歩かない道が残った。それは当たり前のことであり、間違いなく正しい変化であった。

 しかし僕はレジャーであっても移動であっても歩くことを楽しいでいる。移動手段としても車や電車を使う、よりもまず「歩いていけるか」と考える。もちろんだからといって日常的に横浜から渋谷まで歩こうとは思わないし(休みの日になら歩くかもしれない)、意固地に歩くことを選択することもない。遠方に行くとか、雨が降っているとか荷物が多いとか急いでいるとかそんな時は迷わず車や電車やバスを利用する。

 先日仕事で福岡に訪れたのだが、福岡博多の街なかから福岡空港まで歩いて移動したいと思って歩き出した。だいたい1時間ぐらい歩くことになるがそれぐらいであればまず歩く。途中空港の脇を歩いている時に頭上を超えて轟音とともに着陸していく飛行機に「うぉ」なんて驚きながら歩いた。楽しい歩きでした。
 これまた先日東京の青山あたりで用事が終わり東京駅に行かなくてはならなかったのだけど、歩くか、ということで六本木超えて皇居を抜けて1時間半歩いて東京駅に着いた。東京の真ん中をいろいろな種類の人たちとすれ違いながら歩く、これもまた楽しい歩きでした。
 家の周りでも、買い物でも、ちょっとした用事でもまず歩いてしまう。

 歩きたいという欲望の三分の一ぐらいの割合で車や電車やバスに乗ることを避けたいなー、という気持ちが無くはないことも告白しておく。

 車に乗ると駐車場のこととか渋滞のこととか考えたくないなー、とか、やたら後ろの車詰めてくるなー、とか、満員電車いやだなーとか、この人パーソナルスペースやたら狭いなー近すぎないかー、とか、降りる駅って次の駅だったけっかー、とか、そんなにまわりのひとを押しのけて、走ってまで席取らなくてもいいのになー、とか、このバスはスイカ使えるのかなーとか、「次おりますボタン」はいつ押すのかなーとか、子どもがいるのに押しちゃっていいのかなーとか、とか。

 そういうことに心を使うことがちょっと疲れたなー、ということも「じゃあ歩いたほうがいいな」と思うようになった理由で、ほんの少しだけど、影響している。
 しかも歩いている人のほうが圧倒的に少ない

 なんのことはない、要するに、歩いて移動したほうが自分自身にとって気を使うことなく、自由で気ままでストレスレスで「おもしろい」から、ということである。

 ちょうど今はさくらの下をとても気持ちよく歩ける季節ですね。
車を置いて、電車を降りて、バスをやり過ごして、歩いてみませんか?
 心がやすらぎ、めちゃめちゃたのしいですよ。

 まんぷくビール たかくら研究員でした。
 ( … つづく)

🚶 🚶‍♀️ 🚶‍♂️


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