世にも奇妙な物語【あなたの知ってる鈴木まさみは誰?】
わたしの名前は、鈴木まさみ(仮名)。
この名前を見て、どちらの性別を思い浮かべたでしょうか?
男性? 女性?
なお、わたしは女性です。
でも、「まさみ」という名前、世の中には男性もいるんです。
大学1年の春。
ある日、友人がぽつりとつぶやいた。
「おれの友達に、実はもう一人鈴木まさみってヤツいるんだけど、そいつは男なんだよね〜」
え?
鈴木まさみ(男)? 同じ大学に? まさか、同じ学部? 同じ学年?
信じがたい偶然。でも、それは確かな事実だった。
その日から、キャンパスで"もうひとりの鈴木まさみ"の噂を耳にするようになる。(気になりはじめると、急に耳に入ってくる不思議。)
「学食でラーメン食べてたよ」 「図書館で勉強してた、確実に男子だった」 「ゼミの先輩の友達なんだって」 「背が高くて、メガネかけてた気がする」
情報はどれも断片的で、少しずつ形を成していく。
でも、わたしだけが、会わない。
大学はそれなりに大きく、学生の数も多い。講義も選択肢が豊富で、知らない顔とすれ違うことは日常茶飯事だった。
それでも、4年間。一度も"彼"と会わないなんてこと、あるでしょうか?
噂は広がっているのに、わたしはその人物の顔すら知らない。
性別も、背格好も明らかに違う。それなのに、名前だけが同じという理由で、わたしの存在と混同される不思議さ。まるで、自分ではない「わたし」が、キャンパスのどこかを歩いているような感覚。
友人たちは口を揃えて言う。
「絶対いるって! この前も見かけたもん」 「授業で出席票に『鈴木まさみ』って書かれてたから探したけど、まさみは教室にいなかった」 「……あの人、もしかして男の鈴木まさみだったのかな?」
でも、その"あの人"の正体を、わたしは一度も見たことがない。
最も不可解だったのは、卒業式の日。「あ! 鈴木まさみ(男)!」と友人が指差した方向を見ても、そこには誰もいなかった。
「え、今いたのに……」
まるで、わたしが近づくと消えてしまうかのように。
卒業して数年経った今でも、たまに思い出す。もう一人のわたし。会ったことのない鈴木まさみという名の男子学生。
彼は本当に存在したのだろうか? それとも、友人たちが作り上げた集団幻想だったのか?
もしかすると今でも、どこかで誰かがこう言っているのかもしれない。
「鈴木まさみって人知ってる? わたしの知ってる鈴木まさみは女なんだけど……」 「おれの知ってる鈴木まさみは男なんだけど……」
😱😱😱😱
あなたの知っている鈴木まさみは、誰ですか?
男ですか? 女ですか?
それとも……。
#なんのはなしですか
#なまえ百景

参加している企画とつけたタグはこちら!
直近で書いた記事です。こちらもよかったら読んでください😁
いいなと思ったら応援しよう!
最後まで読んでいただきありがとうございます😁いただいたチップは、よりおもろい記事書くためのインプットにかかる費用に使わせていただきます!