見出し画像

二度と鬼にならぬよう👹⚔️

皆さん、健康診断はお好きだろうか。

わたしは――大嫌いである。

なぜなら、わたしは血管が見えにくい欠陥持ちなのだ。
そのせいで、採血のたびに看護師をイラつかせる。

それがすごいストレスなのだ。

健診とは、本来「健康を確認する場」にすぎぬはず。
しかし、わたしににとってそこは無限城のような「戦場」と化す。

今日は、健康診断という戦場で、わたしが流した、血と涙について語ろう。

💉💉💉


新卒入社前の雇用時健診。

病院で様々な検査を受け、残すは尿検査のみ

本当は、来院してすぐに尿検査のはずだったのだが、来院時全く尿意がなかったため、後回しにしたのである。


「尿検査など容易なものだ」と軽く考えていたわたしを待っていたのは、予想外の試練であった。

検査がほぼ終わり、受付でカップを渡された。

向かうトイレ。

しかし…

――出ない。尿が出ない。

水を飲んで再挑戦。

――やはり出ない。

何度か試みるものの…

――足りない。

規定量に満たないカップを差し出すと、看護師に苦笑され、新しいカップを無言で渡される。

そこから始まる、待合室での公開カウントダウン。

いや、公開処刑

「鈴木さ〜ん、まだですか?」
「鈴木さ〜ん、まだ出ないんですか?」
「鈴木さ~ん、尿の調子どうですか?」

まーのフルネーム鈴木まさみ(仮名)


待合室に存在していた、視線という名の刃が一斉にわたしに突き刺さる。

痛い。とても痛い。視線が痛い。


結局1時間以上かけて、ようやく規定量を満たしたとき、私はすでに“尿検査の女”として有名になっていた。(科捜研の女とちゃうで。)


💉💉💉


だが、真の地獄は、健康診断での採血にあった。

私の血管は、見えにくいという欠陥を抱えている。

会社の健康診断には採血はつきものだ。
毎回、看護師が私の腕を見ると、笑顔から困惑へ、困惑から苛立ちへと変化していく。

ついには、なぜか私が責められる立場となる。

「もう!なんで出ないのよ!」

注射刺されて、痛い思いをしているのはわたしであるにも関わらず、あまりのピリピリムードにいつも平謝り。

睨む看護師。

痛い。とても痛い。視線が痛い。


💉💉💉


そして、注射を打つまでの準備も異常に長い。

チューブで腕を縛る。

――出ない。血管が出ない。

右手でグーパー。
左手でグーパー。
……また右手でグーパー。

――やはり出ない。

これを何度も繰り返す。
終わりの見えない無限ループ

そして、やっと薄く浮かんだ血管を見つけて、

出番を待ちわびていた注射の針が皮膚を刺す。

――出ない。血が出てこない。

血管に針が刺さってない。
そのまま迷子の血管をグリグリ探す。(抜かずに)

――それでも、出ない。

またグリグリ。

痛い。とても痛い。視覚的に痛い。



一度抜いて、やり直す。

右腕で失敗、左腕で失敗。
再び右腕で失敗。

無限ループにまた陥った。



そして、気づいた時にはすでに、

看護師は鬼になっていた👹


最終的に両腕各2箇所と両手の甲各2箇所、計8か所に針を刺された。

小さなガーゼをたくさん貼られ、心と身体が傷ついて、へとへとになりながら、会社に戻ったわたしを見た先輩は絶句した。


「君……戦ってきたのか?」


「えぇ、鬼と戦ってきました。」

👹💉👹


そして、昨年の健診時、わたしの腕と対峙してた若手看護師が「わたしでは無理」と白旗をあげ、採血する看護師が交代となった。

現れたのは自信満々のベテラン看護師。

「私、失敗しないので」

――まるでドクターXである。
(以降、この看護師をベテランXと呼ぶ)

後輩看護師が後ろで見学し、私は教材サンプルのように腕を差し出す。

何度も繰り返す無限ループ準備を終わらせ、

「ここだ!」と針を刺すベテランX。

――出ない。血が出てこない。

その後、右から左に腕を変え、
「こんどこそ!」と針を刺すベテランX。

――出た!血が出た!

……しかし血の勢いが弱い。

腕に注射器を刺したまま、「グーパーしてください」と言われた。

痛い。とても痛い。視覚的に痛い。



四苦八苦の末、ようやく採血を終えたその瞬間、事件は起きた。

注射器を抜いた拍子に、私の真っ白なワンピースに、必死になって抜いた血が飛び散ったのである。


鮮やかな赤、白い服に赤がよく映える。
血を浴びて固まるわたし。

まるで、ホラー映画のワンシーンのようであった。

「あらら。服に血がついちゃいましたね」
「あちらの洗面台をお貸しするので、石鹸で血を落としていいですよ」

なんだろう。対応が軽い。軽すぎる。

ベテランXは、すでに大仕事を終えた達成感で満たされ、わたしの服を汚した罪悪感は一切感じていなかった。

「私、失敗しないので」と言ったベテランXは、失敗をしないのではなく、失敗を失敗と思わない、ただのペテンシXだった。

いわば、わたしは被害者である。
それなのに、病院の片隅の洗面台で必死にワンピースをゴシゴシ。

なんだか虚しくなって、涙が出てきたその時。

ペテンシXによる、追い打ちの一言。

「まだかかりますか?」


…あいつは鬼だ。鬼に違いない。


👹💉👹



……もう我慢の限界であった。

わたしが鬼になった瞬間だった。

鬼になった鈴木まさみ(仮名)

👹⚔️👹


「この仕打ち、絶対に忘れない」

そう誓った私は、自分の立場人事部門役職者という肩書きを利用して、健康診断クリニック変更プロジェクトを立ち上げた。

20年以上関係の続いたクリニックから撤退、新たな病院への切り替えプロジェクトは無事に完遂。

今年から新しいクリニックでの健康診断が始まった。


すでに受診した社員からは「クリニックが駅チカできれい」「検査がスムーズ」「待ち時間が少ない」などと評判は上々。


※実は元々、社員からもクリニックに対するクレームや、検査ミス、データ管理不十分などの問題を抱えていたのだ。

そして、来月はついに、私自身がその新クリニックで受診する番である。


どうか――採血のうまい看護師が待っていてくれますように。
もしくは、優しい看護師ならそれでいい。


わたしが二度と、鬼にならぬよう、祈るばかりである。

なお、次は白い服は着ていかないぞ!


👹完👹


最後までお読みいただきありがとうございます。

今回の記事は、仲良くしているnoter くいたろうさんの記事を読んで、採血に関するエピソードを思い出したことで、一気に書き上げました。


この記事にコメントしたフレーズはもれなく本記事にも利用しました。

きれいに忘れ去られていたエピソード、今回も思いがけず思い出して、記録に残すことができました😇ありがとう、くいちゃん❤


そして、内容的に承認いただけるならば、前回の記事だけでなく、本記事もアルロンさん主催のフビワングランプリに応募したいな~って思っています。

ただ、フビワングランプリはライトで笑える不憫しか対象じゃないとのことです。今回の記事は、涙だけでなく血も流れておりますので、もしかしたら対象外になる可能性もございます。

その際は、主催者様の判断を素直に受けいれたいと思います。(👹にはならず)

【追記】
アルロンさんから参加に関して承認いただきました🙌ありがとうございます😊


フビワングランプリ 応募作①


今回は、鬼滅の刃を意識しながら書きました😁


それでは、みなさん、ごきげんよう~。

いいなと思ったら応援しよう!

まーらいおん🤣 最後まで読んでいただきありがとうございます😁いただいたチップは、よりおもろい記事書くためのインプットにかかる費用に使わせていただきます!