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【第7回】GPS衛星がたくさん見えたほうがいい理由|5分で読めるGPSのしくみ|宇宙一わかりやすく解説

前回からだいぶ時間が経ってしまった「GPSのしくみ編」ですが、実はまだ説明の途中でした。。
約一年ぶりの続きになります。

さて、前回は「GPS衛星はなんで4つ必要なの?」という疑問について解説しました。
かなり理屈っぽい話になってしまいましたが、ついてこれたでしょうか?
すっかり忘れてしまったという方は、こちらから

そして、今回は予告していたテーマ。
 「衛星って4つ見えれば何でもいいの??」
この疑問について、しっかり答えていきます。


👌 衛星は4つ見えれば位置が計算できる

前回の話を軽く振り返ってみましょう。
GPSで位置を知るために必要な「未知数」はこの4つでした。

  • 受信機の座標(x,y,z)

  • 受信機の時刻のズレ(t)

そして4つの未知数を知るには、4元連立方程式を解く必要があるので、4つの式を作る必要がある。中学校レベルの数学です。
つまり、4つの衛星が必要ということでした。

これって…
4つ見えれば十分じゃん!

ってことではなく、最低4つは必要ということなんですね。
実際のところどうかというと、4つ“だけ”ではちょっと足りないかなぁ…という感じです。

いったいどうしてでしょう?

😱 でも衛星が4つだとそもそも余裕がない

単純に4つしか衛星が見えないってことは、1つ見失ったら位置がわからなくなってしまうので余裕がないってことです。

GPSを利用してる人は、「歩き」や「車」で移動してることが多いでしょう。
移動していると、さっきは見えてた衛星がビルに隠れてしまったりする。
スマホを持って後ろを振り返っただけでも、衛星が自分の影に隠れてしまう場合もあります。。

たくさん衛星が見えてれば、一つや二つ衛星が隠れたって大丈夫。
やっぱり4つじゃギリギリ過ぎるってことですね。

これは、考えてみれば当たり前。
単純に数が多いほうが余裕があるでしょ?ってことです。

ってここで終わったら、わざわざ一つのテーマで記事にするまでもなかった。。
ということになってしまいます。
実は衛星が多いほうがいいっていうのは、これだけじゃないんです。

じゃあ、位置をわからなくなるケースが減る以外に、衛星が多いとどんないいことがあるんでしょう?

いくつか理由はありますが、今回はそのうちの一つを紹介します。

🛰️ 見える衛星の配置が大事

衛星は4つ見えてれば位置が計算できる。
と言っても、計算結果が全然違った位置だったら困りますよね。
そう、GPSにとって重要なのは位置の精度です。
そして衛星の配置によって、あまり正確な位置を出せない場合があるんです。

分かりやすくするために、極端なケースを一つ。
例えば、4つの衛星がたまたま全部同じ位置に見えてたらどうでしょうか?
GPSで位置が分かるのは、三辺測量の原理。前回解説したように、衛星を中心にした球が重なる点から導き出します。
すべての衛星が同じ場所にいたら、その衛星を中心とした球も完全に重なってしまいますから、衛星が一つしか見えてないのと同じことですよね?

じゃあ、衛星同士を少しだけ離したらどうでしょう?
分かりやすくするために二次元(平面)で考えます。
平面では、二つの衛星を中心とした円が重なる場所が受信機の位置ってことになりますよね。

これなら、いちおう重なるところは一つになりそうです。
でも(衛星から受信機までの)距離の誤差を考えると、受信機の位置はだいぶ広い範囲にしか絞れないので、位置誤差が大きくなってしまうことがわかりますね。

もっと衛星同士を離してみたらどうでしょう?

(衛星から受信機までの)距離の誤差を考えても、かなり狭い範囲に絞れていますよね。
こうやって考えると、衛星が同士が離れていたほうが位置誤差が小さい、ということは一目瞭然です。

つまり。。。
衛星の配置に偏りがあると、位置がフワッとしか確定できないので精度はあまり期待できない。
衛星は適度に散らばって配置されていたほうが、位置がきっちり決まるので精度は上がるんです。

🧮 実際の計算はこんな感じ

ここまで来ると結論はシンプル。
衛星は多ければ多いほど、適度に散らばった配置になるので精度が出やすいということです。

実際の計算では、GPS受信機は衛星4つじゃなくて、使える衛星はすべて計算に利用しています。
数学が少し分かる人だったら疑問に思うかもしれませんね。
未知数が4つしかないのに、見えてる衛星の数だけ式があったら計算が合わないんじゃないの??

そう、誤差があるのですべての結果がピッタリとは一致しません。
だから、ザックリとこんな感じのことをしています。

「だいたいここらへんかな?」っていう仮の場所をまず設定して計算し、最小二乗法という統計的な手法で誤差の補正量を導き出して、補正した場所で再度計算して…
ってことを何度も繰り返して正しいと思われる位置を推定する。

なんか大変そうですよね。。
でも、こうすることで衛星がたくさんあるほど誤差を平均化することができて、位置の精度が良くなるってことなんです。

😵‍💫 今では衛星が多すぎる状態!?

第5回でも解説しましたが、とにかく使える衛星は多いほうが良い。

ってことで、GPS衛星のみで位置を算出していた時代を経て、2010年代前半あたりから徐々に各国の衛星システムも使って位置を出すGNSSの時代へ。

今では、GLONASS、Galileo、BeiDou、みちびきなどを加え、空に見える衛星の配置はこんな感じになってるわけです。

現在の各国GNSS衛星の配置例(GNSS Viewより)

📝 まとめ

ということで、「GPSのしくみ編」としては約一年ぶりとなった今回は、一年前に予告していた「衛星って4つ見えれば何でもいいの??」というテーマについて解説しました。

結論としては、
「使える衛星は多ければ多いほどいい!」
ってところでしょうか。

さて、今回は衛星がたくさん見えたほうがいい理由の一つについて解説したわけですが、理由はこれだけではありません。

次回はGPSの位置がズレる原因と絡めて、GPSの永遠のテーマとも言えるあることについて解説したいと思います。
お楽しみに!!


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