【第6回】GPS衛星が4つ必要なのはなんで?|5分で読めるGPSのしくみ|宇宙一わかりやすく解説
前回はGPSで位置を計測するには、最低4つのGPS衛星が”見える”必要があるけど、それって実際どうなの?ってことを解説しました。
GPSだけだと4つは難しい場合もあるけど、各国の衛星測位システムを合わせたGNSSでは余裕そうだよ~って話でしたね。
もうちょっと詳しく知りたい方は、前回の記事まで。
そして今回は予告した通り、そもそもなんで衛星が4つ必要なの?って疑問に答えていきます。
📏 GPS衛星からの電波を受け取ると、距離がわかる
まずは、なんで4つなのか?って解説の前に必要な前提条件があります。
それは、GPS衛星と受信機(自分)との距離が分かっているということ。
というわけで、まずはどうやって距離を測るか?についてです。
実は衛星との距離が分かるのは、とても重要な決まり事があるおかげなんですね。
それは電波の飛ぶ速さはほぼ一定、ということ。
なので、衛星から発信された電波が届くまでの時間が分かれば、簡単に距離が分かっちゃいます。
例えば、電波の速度が秒速1キロメートルだとします。
GPS衛星は「今は12時ちょうどだよ~」というメッセージを電波で発信します。
受信機がその電波を受け取った時は12時00分2秒だったとしたら、2秒で電波が届いたということになりますね。
秒速1キロメートルの電波が2秒で届いたので、衛星と受信機の距離は単純な計算で2キロメートルなんだな~ってことが分かるというわけ。
実際には、電波の速度は光速とほぼ同じで秒速約30万キロメートルです。
GPS衛星は2万キロ上空を飛んでいるので、0.07秒くらいで届くことになりますね。
✌️ 2次元で考えるとGPS衛星は二つ必要
さあ、GPS衛星との距離が分かりました!
次はそこから位置を計測する方法です。
それぞれの衛星との距離が分かってる状態なので、ひとことで言うと”三辺測量”だよ。
で終わってしまうんですが、分かりやすく解説しますね。
話を分かりやすくするために、2次元(平面)で考えます。
GPS衛星が一つだった場合はどうなるでしょう?
衛星Aとの距離が2キロと分かっている場合。
衛星Aを中心とした半径2キロの円のどこか、に居ることは分かります。

でも、これだと1点に絞ることはできませんよね。
ではGPS衛星が二つだったら?
もう一つの衛星Bとの距離が3キロだとすると、衛星Bを中心とした半径3キロの円のどこか、ということになりますね。
ということは、それぞれ衛星Aと衛星Bを中心とした二つの円の交点ということで2点に絞れちゃいます。

さらに、一方の点は宇宙空間のありえないところなので除外。
結果、ばっちり一つの点に決まるというわけです。
🧊 3次元で考えるとGPS衛星は三つでいい??
平面(2次元)で考えた時は衛星が2つ必要ということがわかりました。
では3次元の場合はどうでしょう?
答えは簡単で、2次元の横(幅)、縦(高さ)に加えて”奥行き”の情報が必要なので単純に衛星がもう一つ必要ってこと。
ということで、GPS衛星が3つで位置が分かるってことになります。
以上!!
あれ??
GPS衛星は4つ必要なんじゃなかったっけ?
どういうこと??
⌛ 4つ目のGPS衛星が必要な理由は?
そうです。GPS衛星は3つじゃなくて4つ必要です。
実は、今まで解説してきた方法で位置を導き出すには、一つ足りないことがあったんです。
それはなんでしょう?
正解は、GPS衛星と受信機の距離を知るために必要な
「電波が届くまでの時間」
でした!!
はぁ~??
って感じだと思うので、分かりやすく解説しますね。
GPS衛星と受信機の距離を測るためには、秒速30万キロっていうむちゃくちゃ速い「電波」がGPS衛星を出発して受信機に到着するまでの時間を測る必要があるわけです。
ちょっとでも時間がズレると全然違う値になってしまうので、GPS衛星と受信機の時間は少しのズレも許されません。
そのため、GPS衛星には”原子時計”っていうむちゃくちゃ高精度な時計(クロック)が使われています。
どれくらい正確かっていうと30万年に1秒もズレないくらい。
(実際には、セシウム原子時計、ルビジウム原子時計、水素メーザ原子時計など、原子時計の種類によっても精度はかなり変わります)
そのかわり、大きいですし、むちゃくちゃ高価でもあります。
じゃあ、受信機のほうはどうでしょう?
受信機っていうのは、つまりスマホだったり、カーナビだったりするわけです。
さすがに、スマホに原子時計を搭載するのは・・・ちょっと無理がありそうですよね?
実際のところ、GPS受信機の時計は一般的な電子機器としては、かなり正確なものが使われてます。ただ、それでもせいぜい月差1秒くらい(一か月で最大で1秒くらいしかズレない程度)。
原子時計とは、比べるべくもありません。
ということで、受信機の時計がどれくらいズレているのか?
が分からないわけなんです。
困りましたね。。
でも大丈夫!
GPS衛星が4つあれば、受信機の時刻のズレを導き出せるのです。
ここで数式を出されてもチンプンカンプンだと思うので、できる限りシンプルに解説しますね。
「分からない(知りたい)値」は受信機の位置、つまり座標(x、y、z)と時刻のズレ(t)の4つになります。
そして、4つの「分からない値」を求めるには4つの式からなる連立方程式を解く必要があります。
GPS衛星と受信機の組み合わせが4つあれば、4つの式ができますよね?
ということで、GPS衛星は4つあればOKということです。
分かりました??
え?やっぱりチンプンカンプン?
まあここは、スマホの時計が正確じゃないから、衛星が4つ必要なんだって~、くらいな感じで飲み込んでください(笑)
📝 まとめ
ということで、今回はなんで4つのGPS衛星が必要なのか?
について解説しました。
かなり理屈っぽい内容になってしまいましたね。。。
しかし、理屈っぽい話はもう少し続きます。
なぜなら、今回の解説は、前回の記事で出てきた疑問
「衛星って4つ見えればなんでもいいの?」
を解説するための下準備にすぎなかったのです(汗)
というわけで、次回は衛星はたくさんあったほうが良い理由についてです。
お楽しみに~~!!
