キックボクシングのためのフィジカルトレーニングをわかりやすく解説
この記事では、
フィジカルトレーナー歴15年の僕が、
K-1などの試合を控えたキックボクシング選手に向けて、
フィジカルトレーニングのアプローチを解説します。
「練習はしているのに、強くなっている気がしない」
「もっと強いパンチや蹴りを打ちたい」
そう感じている選手にこそ読んでほしい記事です。
僕はパーソナルトレーナーとして、
オリンピック選手を含むアスリートの身体の動きを良くするセッションを、
2000人以上の方に行ってきました。
人の身体を良くするには、
今の身体の状態を把握することがマストです。
今の状態を把握し、
動きが悪いところを踏まえてエクササイズをすれば、
スポーツのパフォーマンスは必ずと言っていいほど改善します。
今回はキックボクシングの選手を例に、
具体的な関節の動きから
現状把握の方法まで解説していきます。
キックボクシングが強くなるためには、
練習をすることが必要不可欠です。
しかし、
キックボクシングの動作が
動きやすくなる身体づくりも
練習と同じように価値があります。
フィジカルトレーニングとは?
フィジカルトレーニングという言葉を、
聞いたことがありますか?
フィジカルトレーニングとは、
明確な定義などはなく、
身体づくりをするトレーニングは、
全てフィジカルトレーニングといえます。
動きを良くするトレーニング
トレーニングというと、
ムキムキになるトレーニングをイメージされる方が、
多いのではないでしょうか。
ダンベルやバーベルを上げ、
筋肉を破壊し筋肉痛を起こし、
栄養をたくさん摂取することで、
ボディメイクすることができます。
そのためには、
狙った筋肉に「効かす」筋トレが必要です。

今回行うフィジカルトレーニングとは、
「効かす」トレーニングではなく、
自分の身体を、
「思い通りに動かす」ことを目的としたトレーニングです。
土台作り

上の図でキックボクシングの練習は、
青色のスキルの部分にあたります。
どの競技でも強くなったり、
上手くなったりするには、
必ず競技の練習が必要です。
強く速いパンチやキックをするには、
筋肉の量があり、
速く動けることが必要です。
筋力トレーニングやスピードトレーニングは、
赤色の部分の領域です。
競技をするにも、
筋力を向上するにも、
そもそも、
動くべき関節が適切に動くこと、
安定すべき関節が安定することが必要です。
上記をを確認することが、
オレンジの領域です。
土台が小さければ、
ピラミッドは大きくならず、
パフォーマンスが向上しません。
スキルだけやっていれば、
ピラミッドが崩れ、
怪我をしてしまう可能性があります。
動きを良くするためには、
土台作りが重要です。
キックボクシングに必要な関節運動
専門的な話しになりますが、
人の動作は関節が動きます。
関節:骨と骨のつなぎ目
下の図は股関節。
青色の大腿骨と骨盤のつなぎ目。

骨盤のソケットの部分も窪んで丸くなっています。
股関節という関節は、
よく動く関節といえます。
キックの時の股関節の解説

股関節が動かなければ、
足を高く上げることはできないですし、
蹴った時にバランスを
崩してしまいます。
キックの時の背骨(胸椎)の解説

1個1個が積み木のように重なり合って、
背骨はできています。
図の真ん中の青色の背骨は、
胸椎といいます。
胸椎は回旋の動きを行うことができます。
テニスやゴルフ、野球のなどの回旋動作は、
この胸椎が回旋しています。

左足で蹴っていますが、
蹴りの青矢印の回旋に伴い、
上半身は赤矢印のように逆に回旋をしています。
この時に背骨(胸椎)の回旋が必要です。
胸椎が回旋しなければ、
強い蹴りがけれなかったり、
バランスを崩しやすくなります。
キックの時の体幹の解説

股関節の回旋と上半身の回旋に伴い、
体幹の安定性が必要です。
緑丸の部分が体幹です。
股関節と胸椎が動いても、
体幹の安定がないと、
やはり強い蹴りができず、
バランスが崩れやすくなります。
競技の前に現状把握
そもそも競技をする以前に
関節が適切に動いていなければ、
キックにしてもパンチにしても、
行いたい動作をすることができません。
関節が適切に動いているか、
現状把握の確認方法を紹介します。
前屈チェック(股関節の動き)

股関節が適切に動けば、
前屈した時に指先はつま先にタッチできます。
この選手はタッチできませんでしたので、
股関節に伸び代があります。
後屈チェック(股関節と体幹の連動)

後屈した時に、
股関節の前側が動いていれば、
腰が反らずにお尻が前に出ます。
この選手は、
お尻が前に出ず、
腰骨のところが過剰に反ってしまいました。
股関節の前側の可動域と、
腰が反らないようにすることが、
伸び代です。
背骨(胸椎)の回旋チェック

壁から拳2個分離れて座ります。
手を前で合わせ上半身を左回旋します。

左の腕の外側が壁につけば、
回旋の可動域があります。
この選手は、
壁につかなかったので、
背骨の左回旋に伸び代があります。
スポーツ庁の室伏長官が、
セルフチェックとエクササイズに関して動画を投稿しております。
以下も見てみると面白いと思います。
理想と現状把握をするとGAPが見える
選手のやりたい動作を聞き、
身体の現状を把握すると、
自ずと課題が見えてきます。
もっと強いパンチや蹴りを
打ちたいとのことでしたが、
そもそも動きべき関節が動いていなければ、
パフォーマンスは向上しづらいです。
理想を聞き出し、
現状を把握することは、
トレーナーの腕の見せ所かもしれません。
理想と現状のGAPが見えると、
改善のエクササイズがわかります。
試合前のため具体的なメニューは記載しませんが、
内容に関してはまた改めて、
書きたいと思います。
今回は、
以下の流れで解説していきました。
キックボクシングの関節運動→人の身体の関節運動&現状把握→改善ポイント
人によって目的は異なっても、
行う流れは一緒です。
課題や改善ポイントを明確にしたい人は、
動作を分析できるトレーナーによる、
パーソナルトレーニングがおすすめです。
まとめ
格闘技は実際に蹴ったり殴ったり、
目の前の相手と闘います。
人の脳には、
「闘争」or「逃走」を判断することが、
本能レベルで備わっています。
狩猟時代は、
狩りをするのか、
逃げるのかで命に関わっていました。
不安を感じた方が、
生き延びる可能性が高くなります。
試合前の選手は、
必ず不安になります。
不安を感じれば、
冷静な判断がしづらく、
練習にしても、試合にしても、
本来の力が発揮しにくくなります。
しかし、
今の課題が明確になれば、
闇雲に頑張ることがなくなり、
安心感を感じることができます。
身体と心は密接に関わっているので、
双方にアプローチできるトレーナーやコーチが、
今後は求めれらる人材です。
身体のチェックをして、
動きの変化をしっかり感じてもらうところまで、
サポートしております。
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