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地方創生2.0?関係人口?もっと足元から


先日伺った射水市での小さいながらも強烈な光りを放つ取り組みを見て、国の掲げる「地方創生2.0・関係人口」がなんかモヤつく。。。
ということで少しnoteでまとめてみた。

地方創生2.0の誕生

「関係人口」の登場

内閣官房_地方創生2.0基本構想_概要

地方創生施策の刷新を目指して登場したのが、当時の石破茂地方創生担当大臣が主導した「地方創生2.0」である。これは、第一次安倍政権下において展開された「人口維持・インフラ整備・東京一極集中の是正」といった政策アジェンダの次フェーズとして位置づけられたものであり、政策の中心的キーワード・KPIが「関係人口」へとシフトした。
「人口維持」や「東京一極集中の是正」がさすがに無理ゲーだと感じたのだろうか、リアルな数としてではなくほんわかした・曖昧な「関係人口」。経済波及効果とも同じ臭いを感じるなんとも行政らしい概念・用語であり、コンサルの鉛筆ナメナメや行政のご都合主義でなんとでも動かせる数字でもある。

内閣官房_地方創生10年の取組と今後の推進方向_概要

国全体で見たときに人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至っておらず、 地方が厳しい状況にあることを重く受け止める必要がある。地方創生の取組においては、各自治体がそれぞれに人口増加を目指し、 様々な施策を展開してきたが、成果が挙がっているケースも、多くは移住者の増加による「社会増」にとどまっており、地域間での「人口の奪い合い」になっていると指摘されている。もとより、人口減少に歯止めをかけ、東京圏への過度な一極集中を是正するための対策は、我が国全体で戦略的に挑戦すべき課題であり、 離島や辺縁地域においては、人口減少が、我が国の領域及び排他的経済水域等の保全等に直接的な影響を及ぼすことになる。こうした危機感も持ちながら「自然減」「社会減」それぞれの要因に応じて適切な対策を講じていくことが必要である。特に、「自然減」の対策については、個々の自治体の努力には限界があることを踏まえる必要がある。 「こども未来戦略」に基づく少子化対策や地方への分散を促す国の取組と、地域の仕事づくりや生活インフラの確保といった地域における地方創生の取組が相俟って、より大きな効果が得られると考えられる。

内閣官房_地方創生10年の取組と今後の推進方向_本文

地方創生1.0(←そういう言い方で良いのかな?)でも「移住・定住」は、こども医療費・給食費等の無料化、PFI法のBT(サービス購入型)のほぼ建売住宅に近い各種報奨金等のついた移住・定住住宅の建設等の「表面的な人口の奪い合い」でしかなかったことが、上記の資料等でも明確に書いてある。
当初目指していたはずの地方創生1.0は「それぞれの自治体の人口の絶対数」にフォーカスを絞ったこともあり、残念ながらうまく機能してこなかった。
KPIの設定方法、各自治体の表層的・短絡的な人口の奪い合い政策はふるさと納税と同様に意味のあるものではなかったが、ごまかしの効かない「絶対数」をKPIとした点ではまだマシだったのかもしれない。
同時に、絶対数がKPIになったからといって数字だけを取り繕うために本質・根本的な課題解決から目を背け「右から左に動かせば良い」と血眼になってしまうのはあまりにも経営感覚が欠如していたことは忘れてはならない。
(ただ、内閣府としてこうした不都合な真実・結果を総括をしたことは素晴らしいと思う。過去にはCCRC、ふるさと創生等、チカラこぶ入れていたはずの政策がいつの間にかフェードアウトしているものが山ほどある。公共施設マネジメントもそんな感じ)

地方創生2.0では、こうした背景もあって「関係人口」がスローガンが掲げられ、都市部と地方をつなぐ“ゆるやかな関与”の担い手が、国の視点で見たら「地方の新たな支え手」として期待されることとなり、一般市民や地方公共団体、地域プレーヤーから見たら実情に構うことなく過剰な役割・期待を担わされるようになった。

地方創生伴走支援制度

内閣官房_地方創生伴走支援制度
地方創生伴走支援制度_チーム編成状況

国は、こうした流れを受けて各府省庁に所属する官僚を地方自治体に「地方創生支援官」として派遣し、現場支援を通じて地域経営を担う人材を供給するスキームも整備した。2025年度現在、180名/60チームが市町村へ派遣されているらしい。
ただ、冷静に考えればこのような仕組みを用いずとも、これまで国は副市長や各部長などのポストで地方公共団体に直接どっぷりと浸かる形で職員を出向させており、わざわざ新しい仕組みを用いる必要があったのか問題も存在する。(正確な人数は把握していないが、今回の仕組みの180名より圧倒的に多くの職員が各自治体に入り込んでいるはずだ。)

(2)伴走支援業務の内容
各省庁の本省職員2~3名のチームで、1つの市町村を担当し、オンライン会議及び定期的な現地訪問を行い、各市町村の抱える課題解決に向けた助言等の支援を行います。
※ 伴走支援業務は、職員の勤務時間の1割~2割程度での実施を想定しています。具体的には、担当市町村と調整を行い、定期的なオンライン会議(例 毎週1時間程度等)や四半期に一度程度の現地訪問を行うことを想定しています。
※ オンライン会議や現地訪問を通じて、伴走支援チームは、市町村の課題や希望に応じて、課題の整理・見える化、課題解決に向けた視点の提示、ゴールの設定、国の支援制度や担当者の紹介などの助言等を実施します。
※ 本業務は、あくまで国家公務員としての業務となるため、本来的に各市町村の職員が行うべき業務(例えば、国庫補助金の申請書類の作成など)は伴走支援業務の対象外となります。
※ 伴走支援業務は、内閣官房・内閣府職員として実施します(各省庁の職員には併任発令を実施)。伴走支援業務に係る旅費の支給や公務災害対応、情報端末の配備などは、国において行うため、各市町村の対応は不要です。また、謝金等も必要ありません。
(3)期間
令和7年4月から1年間
(4)伴走支援業務を行う国の職員
地方創生に関する課題意識と公務遂行への熱意を有する者を内閣官房において公募し、選定された者。なお、公募は、全ての府省庁等の本省(外局を含みます。)の常勤職員であって、指定職から係長級相当以上(行政職俸給表(一)3級相当以上)までの者を対象として実施します。

内閣府_「地方創生伴走支援制度」について

国はこのような制度で地方が直面する困難な状況に対応できると本当に思っているのだろうか。
派遣業務が「副業」として位置付けられ、「勤務時間の1〜2割程度」の業務範囲内で「1時間/週程度のオンライン会議」、「3回/年程度の自治体訪問」をするだけでは、担当者の顔を覚えるぐらいで、どのようなメンタリティで活動しているのかすらわからないのではないか。
その自治体の空気・歴史・文化・風土もわかることはないだろうし、ましてや地域コンテンツ・地域プレーヤーと触れる機会もほぼないだろう。しかも「助言等の支援」がベースであることからも、地域の1プレーヤーとして「自ら動く」ことは想定していないようだ。

支援官が具体的な政策形成・事業計画の伴走支援にまで本気で深く関与するためには、地方との継続的・地道な信頼構築と現地課題への深い理解が不可欠であるが、このような業務の隙間時間を活用した片手間の「ちょっとお邪魔します」型ではとてもそこに及ばないだろう。

このような形で入っても、所詮できるのは抽象的・一般論や国の大好きな「優良事例の横展開」の紹介にしかならず、議論もこうあったらいいな・多分こうなるだろうの「抽象的な空中戦」に留まるだろうし、それは現場をやらない学識経験者を中心とした有識者委員会とも大した差が出てこない。

制度偏重の危うさ・政策の自己目的化

地方創生2.0が直面しているのは、地方創生伴走支援制度等の「制度を作ったこと」がゴールになってしまい、(これまでも何度も繰り返されてきた)制度の存在そのものが目的化される「制度の自己目的化現象」である。
関係人口をKPIにすること自体にも課題があることは前提としつつも、KPIとして設定した関係人口が増えたかどうかではなく、「関係人口政策をやったかどうか」も評価されてしまう構造、更に理屈を捏ねて「関係人口の定義を超拡大解釈」して、まちの実態と乖離した関係人口数を積み上げて成功事例としてしまう表層的な数字づくりも可能なこと(きっとそういう「やってます感だけのドヤ顔自治体」が大量発生すること)が問題であろう。

“やった感”だけで評価される制度では、地方の現場にリアルな変化は生まれない。これも意識「だけ」高い系の思考回路・行動原理と変わらない。

伴走支援制度の潜在的課題

この伴走支援制度の対象は100千人以下の小規模自治体を対象としていることから、そのような自治体では「国から来る方だから」と必要以上に丁重に扱ったり、崇め奉ったり、腫れ物に触るようになってしまうリスクがある。しかも、オンライン中心で現場にもほとんど来ないとなれば、雑談・飲み会等を通じて心の距離を縮めていくことも困難だろう。

このあたりは(小説ではあるが、元公務員としては異常に生々しく感じる)プラチナタウンでもその大切さを指摘している。

「支援官は現場と議論しない」「最後はコンサル任せになる」といった空気感が、支援官が年に3回程度しか来ないような状況では発生することが容易に想像され、これでは地域住民だけでなく、共にまちを考えていくはずの職員からの信頼すら得ることは難しいだろう。

更に問題なのは、この仕組みがかえって「現場職員の自走」を妨げることにもなりかねないことだ。東京の省庁から片手間お手伝い要員が来ることで、自治体内部の議論が“中央依存的”になったり、「自分たちで考えることをやめる」ことになってしまっては、地方創生と全く逆行してしまう。制度そのものが、自治体の内発的創造性を鈍化させるリスクを孕んでいることも忘れてはならない。

ふるさと住民登録制度

ふるさと住民登録制度
ふるさと住民登録制度

石破政権が推進する「地方創生2.0」、そして前述の関係人口関連の政策の柱として「ふるさと住民登録制度」が検討されている。2025年6月27日には政府の初会合も行われた。

これについては、いつもながら木下斉さんのYouTubeが非常にわかりやすいのでw

この会合には、全国展開中の眼鏡チェーン「JINS」田中社長や通販大手ジャパネットホールディングス高田社長など企業経営者約20名が出席したが、これらの地域プレーヤーが自らリスクを負って実施する超ガチなプロジェクトは簡単に横展開できるものであるわけがないし、上記のスライドを見ても「登録することのメリット」が全く見えてこない。
「ふるさと住民」名簿に登録することで、その地域の政策協議会への参加、地域イベントの優先参加権などが得られるとしているが、それはこの仕組みでなければダメですか?となってしまう。
あまりにも自分の理解が進まないのでちょっと下記をChat GPTに聞いてみた。

従来の「関係人口」との違い
これまで自治体が掲げてきた「関係人口」は、主に「地域づくりイベントへの参加」「移住促進ツアー参加」など一過性の交流を指標化してきた。しかしふるさと住民登録制度では、次の3点で質的に深化を図ろうとしている。
1)主体的登録による関与の明確化従来は自治体側が集計した「延べ参加者数」を成果指標としたが、新制度では個人が「ふるさと住民」として名簿登録する形式を採用。登録者数は明確な個人ベースで把握可能となり、属性や関与度合いの追跡が容易になる。
2)制度的権限の付与登録者には「地域協議会参加権」「イベント優先案内」「公共サービスの試行利用」など、限定的ながら行政サービスの受給や政策参加の機会を与える。これにより、「一過性の体験」ではなく「当事者としての継続参画」を促進する。
3)デジタルプラットフォームの活用登録・認証からポイント付与、情報提供を一元管理する専用アプリやウェブサイトを構築。当該プラットフォームを通じて、自治体・企業・NPO等が連携し、登録者に対して多様な関与機会を提供する。

名簿管理、権限範囲、財政負担、質的評価といった設計課題を克服しなければ、またもや形式的な登録名簿で終わってしまう可能性が高い。本制度の成否は、「登録者をいかに地域の当事者として育成し、自律的に活躍させるか」にかかっていると言える。

Chat GPTと何度かやりとりして出してきたふるさと住民登録制度の概要

登録やイベント案内の通知等に関連する多様な業務・名簿管理等でまたも自治体職員が疲労困憊になったり、自治体を食い物にするベンダー・コンサルが群がり「喰われる自治体」が増加してしまうような気もする。
木下さんがYouTubeで発言されているように、この制度が法人も対象にして「企業版ふるさと納税」とのリンクすることができるのであれば確かにわかる(←これがこのnoteの後半)。

関係人口の虚構

地方創生2.0の旗印として躍り出た「関係人口」は、量的拡大を追うあまり質的深化を蔑ろにした典型的な幻想となっていないだろうか。関係人口政策がいかに表面的な「参加者数」に終始し、自治体の持続的変革を阻害しているか、実態と乖離しているのか。

曖昧な概念

様々な国の資料やネット上の情報をベースに整理してみると
・関係人口:地方を訪れたりオンラインで関わったりする人々
・交流人口:日帰り・短期滞在
・移住定住人口:長期居住
こうした区分で考えると、関係人口は中間的な層を指標化した概念であるようだ(ちょっと曖昧でわかりにくい)。

国交省の資料

国土交通省_関係人口の分類と推計値

ふるさと納税・クラウドファンディング等で「買い物」した人、イベントに参加した人、趣味等でそこを訪れた人も(関係資料を色々とみると、その頻度・深度にはかなり幅がありそうだし、定義も曖昧な気がするが)「定期的・継続的」にそこを訪れる人も含んでいることになる。

<調査結果の概要>
(1)関係人口は、18歳以上の2割超!訪問系は、「趣味・消費型」が最も多い
全国18歳以上の居住者に占める関係人口割合(令和5年度調査時点)は、関係人口(訪問系)が約18%(約1,884万人)、関係人口(非訪問系)が約4%(約379万人)で、訪問系と非訪問系を合わせて約22%(約2,263万人)という推計結果となった。全体の約1/4が特定の地域と関わりがあることになる。関係人口(訪問系)の類型を複数回答でみると「趣味・消費型」が最も多く、次いで「参加・交流型」、「直接寄与型」と続く。
(3)関係人口(訪問系)の年間訪問日数は、「2~7日/年」が約49%で最も多い
関係人口(訪問系)の年間訪問日数は、「1日以下/年」が約20%、「2~7日/年」が約49%、「8日以上/年」が約31%となっており、「2~7日/年」が最も多い 。類型別では、「就労型(現地就労)」「就労型(テレワーク)」は、「8日以上/年」が約半数となっており、他の類型に比べて年間訪問日数が多い。

国土交通省_「地域との関わりについてのアンケート」調査結果の公表

まぁこの結果だけ見ると「そうですか」ぐらいの印象しか持たないが、「参加者数=成功指標」とする短絡的KPI設定は、いかにも行政(やそこに群がるベンダー・コンサル)が好きなパターンである。
図書館や公民館の入館者数、イベントの参加者数等をKPI≒立法事実として「使っている人がいるのだから」「市民に喜ばれているのだから」と、経営的なKPIは全く用いずに昨日と同じ今日、そして明日を短絡的に選んでしまうことが、関係人口でも「うちのまちは関係人口が多いから」と繰り返されるのだろうか。
関係人口の数を増やすだけでは、地域における人的資本・地域経済へと転換せず、持続性ある関与や貢献、生産活動への結びつきが生まれない。自治体内部でも「関係人口数は前年の2倍!」と成果を喧伝しつつ、実態は空回りするケースが今後多発するような気がしてならない。

とやまのめ

人と地域をイキイキの連鎖でつなぐ。
イキイキは、人から人へ連鎖する。
その連鎖は次第に大きなムーブメントとなり、やがて地域を盛り上げる活気にかわる。
ここは、イキイキとした人が集まり、地域の人々の課題に向き合いながら、ソーシャルグッドなアイデアを企む場所。
多様なスキルが重なり合うことで、新たなソリューションを生み出し、イキイキの連鎖を未来につなげていきます。
WHY(パーパス)
地方から日本を元気にする。
HOW(バリュー)
①多様なスキルを持った人々がオープンかつフラットに集まれる場(=古民家)。
②売上や利益を最優先に捉えず、ソーシャルグッドを軸に取り組む姿勢。
WHAT(ミッション)
地域課題解決に向けた各プロジェクトを実行。

とやまのめHP

国の主導する地方創生2.0、関係人口はこれだけ調べてきてもやっぱりモヤモヤする。一方で先日訪れた射水市の「一般社団法人とやまのめ」(※上記noteではとやまのめの関係者が経営するシテン株式会社として取り上げている)が展開する様々なプロジェクト・世界観、そしてまちみらいとしても少しだけ接点を持たせていただくことになったが、これこそが関係人口ではないだろうか。

ガレージ再生プロジェクト

2025年6月28日にとやまのめが開催したガレージ再生プロジェクトに参加させていただいた。

射水市で始動──官民連携による新たなまちづくりモデル
合同会社まちみらい × いみずのめ × とやまのめ

第一弾:「人が混ざり合う地域の居場所」ガレージ再生プロジェクト開催
このたび、全国の自治体支援や PPP/PFI の現場実践を担ってきた《合同会社まちみらい》と、 地域プレーヤーの育成と共創型プロジェクトを推進する《一般社団法人とやまのめ》《いみずのめ》が連携し、 富山県射水市において「官民連携による新たな地域づくりモデル」の構築に向けたプロジェクトを始動いたします。
その第一弾として、空きガレージを地域の共創拠点へと再生する「ガレージづくりプロジェクト」 を開催いたします。
■ プロジェクトの背景
射水市でも、 高齢化や人口減少、若者の流出、地域コミュニティの希薄化といった課題が深刻化しています。
行政・民間・地域住民がそれぞれ孤立するのではなく、「支える側・支えられる側」の枠を超え、共に未来を構想し実践する官民連携のかたちが求められています。
本プロジェクトはその第一歩として、 「人が混ざり合う地域の居場所」を、空きガレージの再生を通じて具現化します。
■第一弾:「ガレージ再生プロジェクト」概要
地域に眠っていたガレージを DIY で再生し、若者・高齢者・地域住民・行政職員・民間事業者が一堂に会し、手を動かしながら“まちの共創”を実感する場とします。
• 日程:6月28日(土)13時~14時30分
• 場所:富山県射水市西高木 795(古民家)
• 内容:ガレージDIYワークショップ(空間整備・関係づくり)
■プログラム
13:00~13:15 古民家についての説明 池田さん(DIY 講師)
13:15~13:30 まちづくりについて(講師) 寺沢さん(合同会社まちみらい)
13:30~15:00 拠点づくり(DIY 体験) 池田さん・中村さん(左官職人)
15:00~16:00 今後の企画打合せ 参加者全員
16:00~ 懇親会(BBQ) とやまのめメンバー・地域の大人・学生たち
• 担当:池田幸哉氏(一般社団法人とやまのめ理事)、中村健介氏(左官職人)
• 参加予定者:寺沢弘樹氏、とやまのめ・いみずのめメンバー、地域住民、いみずユースクリエイト、射水市職員ほか
• 企画・協賛:合同会社まちみらい
■ 本取組が生み出す価値
• 行政・民間・地域が一体となった、持続可能な官民共創モデル
• 多世代・多主体の“混ざり合い”による新たな価値創造
• 空き空間の再生活用と「関係人口」の基盤づくり
・“使われなくなった場所”から“まちの希望”を育てるプロセスの可視化
このプロジェクトは単なるガレージ再生ではなく、まちづくりにおける「民主化された実践の入口」です。地域の未来を自分ごととして捉える住民とプレイヤーが出会う、射水ならではの新たな挑戦となります。
■ 今後の展望
本取り組みは単発にとどまらず、以下の展開を見据えています。
• 公共空間・空き家・学校跡地の利活用プロジェクト化
• 地域プレーヤーの育成とコミュニティデザイン拠点の展開
• 富山県内外へのモデル展開と政策提言

ガレージ再生プロジェクト_企画書から抜粋
左官ワークショップ
左官ワークショップ_手でやった方がオモロイし簡単w
左官ワークショップ_記念写真
今後の作戦会議
休憩時間_古民家周辺を散策&とやまのめの活動、まちの課題等を共有
10分間レク_起業するうえで知っておくこと
地域の方々も混じってBBQ

今回、たった1日、第一弾としての左官ワークショップであったが、「ただそれを行う」だけではない。いみずユースクリエイトの学生(高校生・高専生・大学生)を中心に「なぜ」こうしたことを行うのかといったことから、自分たちがやりたいことをまちのなかでどう実現していくのかまで「自分たちで話し合い」「大人が場を提供」し、「関係者のノウハウ・スキルを活かして実践」する非常にクリエイティブな場がここにはあった。

学生の話を聞いていても「他の人とのつながりが欲しい」といった動機から、どう実際のまちを使ったプロジェクトに昇華していくのか、すごいスピード・柔軟性で議論が展開され、それを大人が「できるようにサポート」しながら解像度があっという間に上がっていく。
旧来型行政のオママゴト市民ワークショップとは一線を画すどころではない、そもそもの世界線が全く異なった場である。

本当にキラキラした学生の皆さん、色んなことを真剣に考えて生きてきた・視野が圧倒的に広いことをわずか1時間のディスカッションでバシバシ感じたし、正直ビビった。(自分が同じ歳のころを思うと恥ずかしいどころの騒ぎじゃないw)

若いリソースの素晴らしさ

同時に感じたのは「若いリソースを"絶対"に無駄遣いしてはいけない」ことだ。

いまだに公共施設マネジメント等の分野では高校生・大学生等の若くて「この問題に全く責任のない世代」に「本来は行政が自分の言葉で伝えなくてはいけない」ことを、「経営感覚が欠如して過去から今日までに発生させた問題」でありながら「将来の子どもたちのために等のそれらしい理由をつけて代弁」させている。
若いリソースは行政のエクスキューズのためにあるのではないし、大人世代はプロとして過去から今日を精算して、将来につなぐことが最低限の仕事であるはずだ。

射水市のこのプロジェクトに参加されている学生の皆さんは、本当に素晴らしいと思うし、今回体験した感じでは周辺の大人たちの体制・マインド・スキル等も本当に素晴らしいと思う。
プロジェクト自体も本当に魅力的であるし、これからもいろんな形で関与していきたいと思う。もちろん、こうしたクリエイティブで可能性を感じる場であれば、会社の利益も注ぎ込んでいこうと本気で思えた。

尊敬する高田純次様の言うように「歳をとってからやってはいけないのは自慢話・昔話・説教」(だから言うことが下ネタしかなくなっちゃうw)。
若さとは月並みだけど無限の可能性だと思う。もちろん、年齢を重ねても叶えられる夢はあるし、そういったものを持ち続け、走り続けられることは重要だし、失ったらあっという間に老害。

(実年齢だけではなく「人」として)若い世代がこれからのまちを創っていく。

Next PPP/PFIの世界

従来型PPP/PFIとの相違点

これまでのPPP/PFIは、行政が抱える課題(施設の老朽化、資金・ノウハウ・マンパワー不足、経営感覚の欠如、まちとの乖離等)に対して民間ノウハウ・資金を活用して課題を解決することが主眼であった。
それに対してNext PPP/PFIとは、地域プレーヤーが自らの優れたビジネスモデルを展開し、その経済活動をいかに大きくしていけるか(≠フリーライド・行政への取り込み)である。
Next PPP/PFIの概念で考えたとき、射水市が純粋な支援者に徹し、とやまのめとそこに関連した地域プレイヤーが主体的に事業を企画・実践している。
そして、これからの展開も前述の企画会議を聞いているだけで期待しかないし、可能性の塊であると感じる。

射水市ととやまのめによるNext PPP/PFIモデルは、行政支援と地域プレイヤーの共創を両立させ、民間事業者と関係人口と行政のリソースを足し算・掛け算して内製化によって試行錯誤・実践するものである。

とやまのめの持つ多様なネットワークはまさに「関係人口」であり、負債の資産化・まちの再編・まちの新陳代謝につながる「リアルリソース」である。
やはり、Next PPP/PFとIはいつの間にか付着してきたコンサル・学識等の余計なファクターや事業手法比較表・VFMといった煩わしい概念を削ぎ落とし、「民間とまち・行政がそれぞれのリソースで直接リンク」するものであり、原点回帰であると再確認できる。

地方創生2.0、関係人口を改めて考える

横展開?

とやまのめを中心とした活動(+射水市との連携によるNext PPP/PFIモデル)は、ローカルに根差した地域コンテンツ・地域プレーヤーの有機的なリンクによる共創型スキームである。
これを規模・財政力・課題も多様な全国の自治体へそのまま単一モデルとしてそのまま横展開することは全くリアリティがない。

国は冒頭の会議でも「成功事例の横展開」を目指しているようだが、ジャパネットたかたのスタジアムシティを例にとっても、そのまま横展開などあり得ないのは明白である。

ただ、そうしたなかでもこれらの多様な事例から「学ぶべき点」はある。
「課題解決の当事者化」と「質的KPIの導入」にある。とやまのめの活動と同様、地域固有の課題・ポテンシャルを起点に、行政・住民・民間がリスクとリターンを共有しながら、地道・愚直に「顔の見える関係」を築きながら、試行錯誤しながら、少しずつ仲間を増やしながらやっていることを忘れてはならない。

こうした点から考えればKPIは関係人口の「数」ではなく、関係人口となるそれぞれの個性・スキル・熱意であろう。数で勝負しても、「たまたま来る人」が何人いようがまちが大きく変わることはないだろう。
一方で、「数は少なくとも本当にそのまち・当事者に愛着がある人たち」が集まれば、まちを少しずつ・力強く変えていける可能性がある。そのうちの1つの主体にそれぞれの自治体がなることができるかも問われる。
庁舎の中に閉じこもっていたり、過去に縋り付いていたり、一部の声のデカい市民・議員・既得権益にペコペコしているような人・まちに「本物の関係人口」を創出していくことはできない。

数からの脱却

関係人口政策は「数を追う」ことだけやっていても、これまでの国や自治体の政策
と同様に浅薄な関与や机上・妄想上の数を量産し、そのリアリティをないものを積み上げるために公金の浪費を招いていく。本来の関係人口で求められることは、「そのまちの未来に間接的・直接的に関与する当事者としてのプレーヤーが地域にダイブして、継続的に価値・経済循環を生み出すストラクチャー」であり、それが目指すべき姿である。
(不要だと確信しているが、)どうしてもKPI が必要なら「関係する人がもたらす地域貢献インパクト」を何らかの形で示すことが主要評価指標になるだろう。

伴走支援制度の再構築

現行の伴走支援制度は前述のとおり「片手間派遣」「成果不問」の副業モデルでしかな痛め、誰のためにもならないし、国が費用を負担するとしても本来だったらできる仕事量が減少する点では直接的な機会損失であるし、自治体の自主的改革を阻害してしまうリスクも内包している。
この仕組みを継続・実質的に機能させるためには、本省兼務を廃止して3年程度は直接、その自治体に住民票も実際の生活拠点も移し、その自治体と同一の環境・賃金体系・職責等で常駐していくことが前提になる。
同時に、派遣する国もその自治体に関与した3年間で「まちをどのように変えることができたのか」を求めるべきだし、その責任を負うことが必要である。また、相当の成果を出した職員には相当の待遇・賞与等を与えることも本気になるためには重要な要素である。
また、派遣する職員の選定にあたっても、事前に「そのまちで何をするのか」の具体的なプロジェクトに関する企画書を提出させ、それぞれの候補者がそのまちにプレゼンして「選んでいただく」ことと、その実行状況をKPIとして共有することもこの制度の抱える課題に対して効果的な方法論になりうるかもしれない。

質×場×自立

地方創生2.0や関係人口は重要なことであるだろうし、その理念・理想を掲げることには何の異論もない。
しかし、「短絡的な数によるKPI・やってます行政の片手間派遣・人の顔が見えないままの横展開」といったこれまで何度も通ってきた行政の「失敗の本質」の罠に自らハマっていてはあまりにもったいないし、そんなことでまち・地方が衰退するようではやらない方が良い。

本質的な転換とは、(短絡的・安易な)制度に依存することなく、地域の当事者が汗をかき、共に学び・試し・改善を愚直に繰り返すことであり、そこに共感した人たちがはじめて「関係人口」となって有機的なネットワークが構築されていくはずだ。国がやるべきことはそうした土台を支え、最低限の必要な枠組みを供給しつつ、現場の主体的改革を信頼して任せることである。
地方が本当に必要としているのは、片手間の役人や入札で参加するようなお抱えコンサルではない。

質と場を両輪に、自律的な地域再生を実現する地方創生モデルこそが、人口減少・高齢化時代における日本の持続可能な未来を拓く鍵となる。

先ほどのガレージプロジェクトについては、まちみらいとして「材料」の協力をさせていただいた。
毎年、いろんな形で個人・法人として税金はきちんと納付しているが、その使途は国・県・市がそれぞれが決めることであり、どこかで誰かの、あるいは社会の役に立っているのだろうがどうしても実態が「見えない」。
同時に、会社として(わずかばかりでも)発生する利益を自分の懐に入れるだけではなく、社会全体の経済活動のなかで回ってきたお金なので、一部はきちんと社会に還元することが社会的責任でもあるだろう。

ということで、最初はとやまのめ(シテン)が運営するみらいシテン射水を通じて空き家を購入し、それをとやまのめで運用してもらおうと思い、実際にいくつかか物件も見せていただいたが、ちょっと1社で買うにはハードルが高かった。。。(今後、共同購入等は考えていくが。。。)

その道中での協議でできたのが今回のプロジェクト。
1)まちみらいとして資材を購入
2)とやまのめが主体となってリノベーション実施
3)このようなプロジェクトに呼応する民間事業者を募り、その輪を広げていく

会社の利益の一部を社会に直接還元したい民間事業者は他にもいるはず。
そのまちでクリエイティブな活動をする若い世代はどこにも確実にいる。
この両者を結びつけていくことで、まちは変わっていく。(会社としては税金対策にもなるw)

こうしたプロジェクトに賛同・参加する民間事業者やそのまちで自己実現をしていこうとする若者も関係人口であるし、そうした人たちこそ本当の意味での関係人口なのではないだろうか。

お知らせ

2025年度PPP入門講座

約10年間にわたって毎年定期的に実施してきたPPP入門講座。
本年度も2025年6月27日まで全6回、会場・オンライン合わせて過去最高の533名(終了時)にご参加いただき大変ご好評をいただきました。

全6回(各回_60分×3コマ)にわたって、弊社の基本理念である「現場重視・実践至上主義」に基づいた生々しいリアルな姿を事例を通じて学んでいくものですが、教科書的な「PFI法に基づくPFIとは」「VFMの算定方法」「事業手法比較表」等の話は一切ありません。
最近、類似の「PPP入門編」のセミナー・勉強会があちこちで開かれているようですが、それらとは一線を画す超オリジナリティ溢れたものになっています。

今回は更に内容をブラッシュアップして、能登地震・八潮市の道路陥没事故・Next PPP/PFIや事業パートナー方式なども交えながらPPP/PFIを解説しています。

来年度の開催時まではアーカイブ配信をご覧いただけますので、今からでもぜひお申し込みください。

※詳細はリンク「まちみらい公式HP」をご覧ください。

noteプレミアムへの移行

2025年1月からまちみらい公式noteは「noteプレミアム」に移行しました。(単純に今まで知らなかっただけ。。。)
noteにコメントも受け付けています。双方向型になっていけるようコメントにはレスを入れていきます。記事の「いいね!」も積極的にお願いします。
また、最下段にあるように「投げ銭」は絶賛募集中ですw

実践!PPP/PFIを成功させる本

2023年11月17日に2冊目の単著「実践!PPP/PFIを成功させる本」が出版されました。「実践に特化した内容・コラム形式・読み切れるボリューム」の書籍となっています。ぜひご購入ください。

PPP/PFIに取り組むときに最初に読む本

2021年に発売した初の単著。2025年5月現在7刷となっており、多くの方に読んでいただいています。「実践!PPP/PFIを成功させる本」と合わせて読んでいただくとより理解が深まります。

まちみらい案内

まちみらいでは現場重視・実践至上主義を掲げ自治体の公共施設マネジメント、PPP/PFI、自治体経営、まちづくりのサポートや民間事業者のプロジェクト構築支援などを行っています。
現在、2025年度後期以降の業務の見積依頼受付中です。

投げ銭募集中

まちみらい公式note、世の中の流れに乗ってサブスク型や単発の有料化も選択肢となりますが、せっかく多くの方にご覧いただき、様々な反応もいただいてますので、無料をできる限り継続していきたいと思います。
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