売り子が女性である必要はあるのか?
先日、こちらのnote記事を読み、スタジアムの「売り子」は本当に女性である必要があるのだろうか、と考えさせられました。
現在、多くの球場で売り子(ビール等巡回販売員)は女性です。
この光景を当たり前のものとして受け止められていますが、果たしてそれは男女共同参画社会の実現に資するものなのでしょうか。
特定の職種が、暗黙の了解のもとで女性に偏っている状態は、結果としてジェンダー役割の固定化を強めているように思えます。
思い返せば、かつて球場の売り子は男性が多くを占めていました。
売り子業務は重量物の取扱いにあたり、昭和末期まで労働基準法に規定されていた「女子保護規定」の名残もあり、男性中心の業務だったのです。
下の画像は、1990年(平成2年)8月22日に神宮球場で開催されたヤクルト対中日の様子です(撮影者はLyle Hiroshi Saxonさん)。35年前の神宮球場では、画像のような男性売り子が活躍していました。


過去と比べれば、売り子業務に女性が就労することは時代の進化を感じますが、それを逆手にして、あたかも接待性産業の従事者のような切り口でWEB紹介されていることには強い違和感を覚えます。
こうした低俗な表現を見ると、ジェンダーギャップ指数が低迷する日本らしさが、残念なかたちで表れているように感じます。
私は野球ファンとして、ベルーナドームや横浜スタジアムには毎年足を運んでいますが、この10年ほど、男性の売り子を見かけた記憶がありません。
それが「進化」の結果なのか、それとも別の偏りを生んでいるのか、立ち止まって考える必要があるのではないでしょうか。
売り子業務は性別ではなく、本人の意思と能力によって選ばれる仕事であるべきです。
今後、再び男性の売り子が当たり前に活躍するスタジアムの風景が戻ってくることを、ひとりの野球ファンとして期待しています。
なお、売り子業態に従事する女性へのカスタマーハラスメント被害が深刻のようです。こうした被害が拡大しないためにも、売り子業務従事者の女性偏重が是正されることを願わずにはいられません。
