ズレいけ#02「聴覚過敏というスペックで、今日も生きてる」
「うるさいのが苦手なんだよね〜」って、
わたしも言うことがある。
でもほんとは、“苦手”とかそういうレベルじゃない。
わたしにとって“音”は、
生きるか死ぬかに関わる外的刺激だ。
たとえば、花火。
ドーンって鳴った瞬間、
心臓がギュッとなって、血の気が引く。
内臓まで揺れるあの音は、
“きれい”じゃなくて“爆撃”にしか感じられない。
ズンズン響く重低音なんて、
耳で聴く前に体がダメージ受ける。
それで一気に脳がシャットダウン。
見えてるのに見えなくなるし、
どこにいるか分からなくなる。
気づいたら、
「あれ、どう帰ってきたっけ?」ってなる。
耳栓はいろいろ試した。
透明の、シリコンの、高いやつも。
でも重低音はスルー力が強すぎる。
ぜんぶ通してくる。
それでも耳栓は持ってる。
完全に防げなくても、
「守ろうとしてる」って感覚が、
お守りみたいに安心をくれるから。
昔は騒がしい場所に住んでたけど、
ついに引っ越した。
逃げたって言われたらそれまでだけど、
わたしにとっては
**“生き延びた”**って感覚の方が近い。
今は静かなところで、
やっとちゃんと呼吸できてる。
でも実は、“家の中の音”もなかなか手ごわい。
冷蔵庫のブーンとか、炊飯器の蒸気の音とか、
全部なんかのメロディに聞こえてしまって、
頭の中で勝手にループしだす。
静かなはずの部屋で、
ずっとBGMが鳴ってるみたいな状態になる。
誰も気にしてない音で、
わたしの中だけ音楽が始まって、止まらなくなる。
静けさって、ただ音量の問題じゃない。
「音の支配から自由になること」。
わたしにとっては、
それがようやく落ち着ける条件だったりする。
そんな中、
防音イヤーマフのメーカーから通知が来た。
「聴覚過敏についての記事」に
反応があったらしい。
ちょっとだけ希望が見えて、すぐリンクを開いた。
でも、並んでたのはキッズ用ばかり。
かわいいし、安心感もあるけど、
大人向けはゼロだった。
ちがうんだ。
静けさを必要としてるのは、子どもだけじゃない。
大人の中にも、音でしんどくなる人間、
ちゃんといるんだよ。
それで、わたしはコメントしてみた。
「大人向けの製品も、ぜひ作ってほしいです。」と。
そしたら数日後、返ってきたのは、
ただの「検討します」じゃなかった。
「今後、大人用の開発も検討します。
現在の製品も、
大人の方にご利用いただいています。
必要とされている方に、
安心して使っていただけるようなものを
目指したいです。」
…その文章に、ちゃんと**“人の声”**があった。
定型文じゃない、
誰かがちゃんと考えて返してくれたって感じた。
わたしたちの声は、ときどき宙を舞うけど、
ちゃんと届くこともある。
今回は、たぶんその“届いた”瞬間だった。
音にやられながらも、わたしは今日も生きている。
ズレたまんまで、生き延びてる。
ちなみに数日後、ペアレントメンター講習に行く。
帰り道が…
ちょうど花火大会の爆音タイムとドン被り。
まあ…全力で、
静けさと帰宅ルートを確保してくるよ。
🌟現在、“ズレたまんまで行けよ”を合言葉に、
静かに観察しながら、共生の道を画策中。
宇宙人みしま。
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