【フォロワー数の罠】 落とし穴を避けて未来に進む [第64回]
前回の記事では、旧友との対話を通じて感じた、50代が直面するキャリア終盤のリアルと、それを生き抜くための三つの資産についてお話ししました。
今回は、私がnotedの発信する中で経験した試行錯誤と、そこから見いだした事をお話ししたいと思います。
おかげさまで、noteを始めてから4ヶ月が経過しました。 なんの知名度もない自分が記事を書いても、一体誰が読むのだろうか。最初はそんな不安を抱きながらのスタートでしたが、実際に記事が読まれ、フォロワーが増えていくプロセスには、今も興奮を覚えています。
私はもともと凝り性なところがあり、AIを使って記事の草稿を作成したり、ビューの日々の推移を解析していました。
いかに効率的にビューとフォロワーを増やせるかをデータに基づいて考えること自体が面白く、また、最先端のAIツールを活用できているかのような雰囲気そのものにも、ある種の興奮を覚えていました。
その結果、1,100人を超える方々がフォローしてくださり、全体ビューも15,000を超えるという形になったのは、純粋に嬉しい限りです。まさか、2000人もの人がスキをつけてくれるとは、全く思っていませんでした。
しかしその反面、今振り返ると反省点もあります。
目に見える数字の変化によって脳内のドーパミンが刺激され、私はあまりにもそのゲームに熱中しすぎていたのです。
その結果、フォローバックを期待した作業に多くの時間を取られ、締め切りに追われる作家のように精神的な余裕をなくしていました。さらに言えば、記事を投稿した後に、どのくらい読まれているかが気になって頻繁にデータを見てしまっていました。
これこそが、数字の魔力なのだと思います。最近になって、私はそれらを一切やめることにしました。
1. 数字の増減がもたらす「ドーパミン」の罠
noteでフォロワーやビューの推移が気になる。あるいは、投資で日々の価格の変動が気になる。これらのように、目の前にある数字の細かな変動によって脳内のドーパミンが刺激され、そこに意識が集中してしまうことは往々にしてあるものです。
ドーパミンがもたらす短期的な刺激は、一時的な快感や焦りを生みますが、それは本質的な価値とは無関係です。
その反面、勉強のように「すぐに結果が出ないこと」を継続するのは、人間にとって非常に難しい課題でもあります。
目の前の数字に心を揺さぶられているうちは、自分が本当に伝えたいことの軸を見失ってしまいます。目先の数字の誘惑を自覚し、そこから一度距離を置くことが、物事の本質を見極めるための大前提となります。
2. 「簡単・AI・収益化」という記号の罠
昨今、noteを見渡すと「AIで記事を量産し、簡単に収益化できる」という内容のノウハウや記事が溢れています。もちろん、実際にその手法で成功されている人もいるのだと思います。
しかし構造的に見れば、この「簡単」「AI」「収益化」というワードの繋がり自体が、まさに人々のドーパミンを刺激してビュー数を稼ぐための定番の仕組みに他なりません。手軽に報酬を得たいという欲求を刺激する言葉の記号そのものが、一つの消費コンテンツになっているのです。
AIを使えば、人間の限界を超えた頻度での投稿が可能になります。しかし、それによって中身の薄い発信を増やし、数字の増減に一喜一憂してしまうこと自体が、実は大きな罠(わな)なのです。私たちは、こうした目先の効率化の罠を意識的に避ける必要があります。
3. 記事そのものが結ぶ、確かな繋がり
最近は、フォローバック狙いのフォローをやめ、投稿頻度もやや落とすことで、記事の質を保ちつつストレスにならない程度の投稿を心がけるようにしています。
頻繁に投稿を繰り返して常に読者の方々の視界に入り続けるよりも、一つの記事に自分の伝えたい思いをしっかりと込める方が、読んでくださる皆さんと深くて強い信頼関係を築ける気がしています。
また、良い記事の積み重ねが私自身の個性につながっていく事も、最近記事にしました。
高頻度な投稿ができるAIというツールがあるからこそ、その手軽さに流されずに気持ちを伝えることにこだわる事が、何よりも重要であると感じるようになりました。
小手先のテクニックに頼るのをやめてみて、私には嬉しい気づきがありました。数字を追うための無理な姿勢をやめても、記事の内容そのものを評価し、新しくフォローしてくれる人がこれだけ存在しているという事実です。
知名度があるわけでもない、完全に身元を伏せた匿名の一専門職が紡ぐ独自のキャリア論や人生観に、文章そのものの力で共感してくれる人がいる。そのことが分かり、一人の書き手として純粋に嬉しく、大きな励みになっています。自分の置かれた状況をありのままに受け入れ、記事の価値で繋がること。それこそが、ここからさらに強固な発信の土台(面)を作っていくための、本当の出発点なのだと思います。
4. 投資や勉強にも同じ事が言える
この数字の罠は、投資の世界にも全く同じ構造で存在しています。
私たちが行っている長期投資も、最初は小さく始めて、日々の資産額の増減に心を揺さぶられることなく、積立を長期にわたって続けていくことが重要です。投資において真に重要なのは、複利の力を利用して将来の資産を最大化させることであり、毎日の値動きに惑わされることではありません。
勉強などの知識の吸収も同様です。 日々の学習やインプットは、目に見える変化がすぐには出にくいため、途中で挫折してしまいがちですが、長期で継続すれば必ず結果は伴ってきます。
noteの執筆:投稿を重ねることで、読者との確かな信頼を積み上げていく。
長期投資:積立を継続することで、複利の力を利用して将来の資産を最大化させる。
知識の吸収:目に見えない変化に惑わされず、長期にわたり知識を積み上げる。
noteでの信頼構築、資産の最大化、そして知識の獲得は、すべてこのようにして「すぐに結果が出ない時間」を味方につけ、一歩一歩重ねていくことでしか達成されません。
人生の目的から逆算し、自分がすべきことを時間をかけて行なっていくことが、豊な人生につながると思います。
最後に
短期的な数字の増減に心を揺さぶられているうちは、周囲のスピードや世間のノイズに振り回され、やがて自分自身の軸を見失ってしまいます。他者と比較して焦ったり、一時的な波に一喜一憂したりする必要はどこにもありません。
周囲の雑音に流されることなく、自分の決めたルールを維持し、日々の思考を言葉にする打席に立ち続けたいと思います。そのブレない継続の積み重ねこそが、長期にわたる確かな資産の構築へと繋がっていくのだと思います。
