ロイヤルホストで、資産家になろうと決めた日
30代になって、ふと「原点」を思い出すことがある。
──なぜ、資産家を目指そうと思ったのか。
──なぜ、消費ではなく、地続きの人生を選んだのか。
あの日、昼のロイヤルホストだった。
季節は忘れた。だが、日差しは優しく、空はのんびりと青かった気がする。
向かいに座っていたのは、両親。
たわいもない会話のなかで、話題は僕の幼少期へと遡った。
僕が生まれる前、まだ両親が地方で結婚したばかりの頃の話だった。
「ほんとに、金なかったよね」
母が笑いながら言った。
「家賃も安アパート、給料日前には財布に千円もなかった」
「でも、教育費だけは…絶対に削らなかったよね」
父が少しだけ真顔で頷いた。
25歳で結婚して、そこから子育て。
収入は今の僕よりはるかに少ない。
でも、そこに“覚悟”があった。
そして、“積み上げる”という行動があった。
小さな一歩の連続で、家族を育て、家計を守り、父はやがて企業の役員になった。
一方、僕はというと──
社会人になり、そこそこの給料をもらい、夜の街に消え、ステータスを楽しみ、モテに悦に浸っていた。
まるで“資本主義に愛された消費者”のようだった。
自由と享楽のなかで、自分の足元を見ようとしなかった。
ロイヤルホストのテーブルで、父の話を聞いているうちに、気づけば自分の生き方を見直していた。
涙は流れていない。だが、心に静かな決意が生まれた。
“資産家になろう”
金を使う側ではなく、積む側へ。
刹那の快楽に踊るのではなく、未来をつくるプレイヤーへ。
そこから、僕は少しずつ変わった。
女遊びをやめた。
1人の女性を選んだ。
家族を持ち、子を育てることを人生の真ん中に置いた。
そして、資産を育て始めた。
投資は怖かった。
「怪しい」「損する」「ギャンブル」──そんな言葉がずっと頭をよぎった。
でも、それらの言葉の裏には、「知識がない」ことと「行動しない」ことへの言い訳しかなかった。
調べ、考え、投じた。
VOO、SPXL、TECL、米国市場、テクノロジー、長期視点──
ようやく“お金に働いてもらう”という感覚を得た。
そうして、10年が経とうとしている。
僕はまだ旅の途中だが、あの日のロイヤルホストが原点であることは、今でもはっきりしている。
きっかけは、何気ない昼飯だった。
でも、それが人生のレールを変えた。
たわいもない会話に、たしかな思想が宿る。
親に育てられた、という事実以上に、
“親がどう生きたかを、語ってくれたこと”が、僕に思想をくれた。
初心を忘れるな。
資産家とは、収入ではなく「視座」の問題だ。
生き方の思想である。
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