退職・転職で迷うお金まとめ——保険・年金・失業給付・住民税

辞めた後に、まとめて押し寄せるお金の手続き

会社を辞めると、給料が止まるだけでなく、これまで会社がやってくれていたお金の手続きが、一気に自分のところへ来ます。健康保険、年金、税金、失業給付——どれも「知らないと損」「やり忘れると困る」ものばかりです。

転職先がすぐ決まっていれば多くは会社が引き継いでくれますが、間が空くときは自分で動く必要があります。この記事で、退職時に迷いがちなお金を4つに分けて整理します。


健康保険——3つの選択肢

退職後すぐに転職しない場合、健康保険は次の3つから選びます。

  • 任意継続:退職前の健康保険を最大2年続ける。保険料は全額自己負担になるが、上限がある

  • 国民健康保険(国保):市区町村の保険に入る。保険料は前年の所得などで決まる

  • 家族の扶養に入る:配偶者などの健康保険に入る。年収130万円未満などの条件あり。保険料の負担なし

どれが得かは、前年の所得や家族構成で変わります。扶養に入れるなら負担が軽く、入れない場合は任意継続と国保を試算して比べるのが基本です。

▶ 退職後の保険、任意継続か国保かで年間数万円変わる——損しない選び方
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年金——切り替えの手続き

会社員のときは厚生年金(第2号被保険者)でしたが、退職すると国民年金(第1号被保険者)に切り替えます。お住まいの市区町村で手続きします。

配偶者の扶養に入る場合は、第3号被保険者となり、自分で保険料を納める必要はありません。なお、収入が下がって納付が難しいときは、保険料の免除・猶予の制度もあります。未納のまま放置せず、まず相談するのが大切です。

失業給付——2025年に条件がゆるやかに

働く意思と能力があり、求職活動をしている人は、雇用保険から失業給付(基本手当)を受けられます。

  • 受給の目安:離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上(会社都合などは1年間に6か月以上)

  • 金額:賃金日額のおおむね50〜80%

ここで2025年の改正がポイントです。

2025年4月から、自己都合で辞めた場合の「給付制限」が、2か月から1か月に短縮されました。

待機7日と合わせても、以前より早く受給を始められます。さらに、離職の前後で一定の教育訓練を受けると、自己都合でも給付制限がなくなる仕組みもあります(ただし、5年で3回以上の自己都合退職は給付制限が3か月になる点に注意)。

住民税——あとから来る“時間差”の請求

退職後に多くの人が驚くのが、住民税です。

住民税は「前年の所得」に対してかかり、翌年に納めます。つまり、退職して収入が下がった年でも、前年の高い所得をもとにした住民税の請求が来ます。会社員のときは給料から天引き(特別徴収)でしたが、退職すると自分で納める(普通徴収)に切り替わり、まとまった額の納付書が届くことがあります。

「収入がないのに税金が来た」と慌てないために、退職前に住民税の残りがどのくらいあるかを把握しておくと安心です。

退職前にやっておくと安心なこと

辞めてからではなく、辞める前に動いておくと、手続きがスムーズです。

  1. 健康保険を「任意継続・国保・扶養」のどれにするか、保険料を試算して決めておく

  2. 年金の切り替え先(第1号か、配偶者の第3号か)を確認しておく

  3. 失業給付を受けるなら、離職票の受け取りとハローワークの流れを把握しておく

  4. 住民税が今後いくら残っているかを、給与明細や勤め先で確認しておく

薬剤師×FPとして感じること

退職は、体調や家庭の事情が重なって決めることも少なくありません。そんなときに、お金の手続きまで一度に考えるのは大変です。だからこそ、「何を・どこで・いつまでに」をざっくり知っておくだけで、心の余裕が変わります。辞める前にこの4つ(保険・年金・失業給付・住民税)を押さえておけば、大きな抜けは防げます。

今日からできること

  1. 退職日が見えたら、健康保険の3択を保険料ベースで比べる

  2. 年金の切り替え先を確認する(扶養に入れるかどうか)

  3. 失業給付の対象になるか、被保険者期間を確認する

  4. 住民税の残額と納め方(普通徴収)を把握しておく


参考にした情報源

この記事は、次の公的情報をもとに作成しています(2026年6月時点)。要件や手続きは改正・自治体により変わるため、最新の取り扱いはハローワーク・市区町村・加入先でご確認ください。


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はる@薬剤師FP 記事が役に立ったら、応援していただけると励みになります。 いただいたぶんは、書籍や資料の購入にあてて、次の記事に還元します。 もちろん、読んでいただけるだけで十分うれしいです♪