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AIに100回質問する人と、1回仕組みを作る人

どうも、久我レイジです。

少し前、メタバースドラマ『クロスロード』をゲームとして作り直すために、AIと壁打ちをしていたときのことです。

登場人物の関係や原作で描いてきた感情を説明して、どんな選択肢なら物語を壊さずにゲームとして成立するのかを考えていました。

その中で、似たようなことが何度かありました。

AIから出てきた案を見て、以前にも近いものを考え、採用しなかった記憶はある。でも、なぜ採用しなかったのかを、すぐに思い出せない。

過去のチャットを探し、メモを開き、原作の流れを確認する。そうしてようやく、登場人物の気持ちをこちらの都合で動かしすぎるから、やめたのだと思い出しました。

AIに相談していた時間より、過去の自分が何を考えていたのかを探す時間の方が長かったかもしれません。

そこで、少し変なことに気づきました。

僕はAIにたくさん質問していました。

でも、その答えも、自分が迷った過程も、次の創作に使える形では残せていなかったんです。 


AIを使うほど、同じ説明が増えていった  

僕はProject Aliveという創作チームを運営し、メタバース空間とアバターを使ったドラマを作っています。

『クロスロード』は、一度公開した作品をそのまま残せず、長い時間をかけて再制作した作品です。出演者やスタッフとの関係、登場人物の背景、過去に起きた問題。作品について相談するには、前提として伝えなければならないことがかなりあります。

AIを開くたびに、自分が何者で、『クロスロード』がどんな作品なのかを説明していました。なぜ一度作ったドラマを、今度はゲームとして作り直そうとしているのか。相談の前には、毎回そこから伝えなければなりませんでした。

noteの記事を作るときも同じです。

僕が数字をどう考えているのか、作品を届けることをなぜ創作の一部だと思っているのか。そこを伝えないまま文章を作ってもらうと、内容は整っていても、僕が書く意味のない記事になってしまいます。

だから、また説明する。

AIは前よりずっと賢くなりました。それでも、相談する場所が変われば、話は最初に戻る。過去に決めたことが別のチャットに埋もれ、自分でも見つけられなくなることがありました。

最初は、AIが僕のことを覚えてくれないからだと思っていました。

でも、少し違ったんですよね。

僕自身が、返ってきた答えや判断を残す場所を作っていなかった。

AIとの会話は増えていたのに、その会話が次の仕事につながる道を作れていませんでした。

100回質問する方が、その場では速い

新しい質問を一つ投げれば、AIはすぐに答えてくれます。

仕組みを作るより、圧倒的に速いです。

必要な情報を整理し、過去の判断を残し、次に使える形へ整える。そんなことをしている時間があるなら、AIにもう一度聞いた方が早いと思っていました。

今でも、その考えが完全に間違っているとは思いません。

毎回違う相談なら、その場で聞いた方がいい。雑談のように考えを広げたいときまで、すべて記録する必要もありません。

ただ、同じ説明を何度も繰り返しているなら、話は変わってきます。

一回の質問は短くても、何十回も続けば、それなりの時間になります。さらに厄介なのは、時間よりも判断が少しずつずれていくことでした。


以前はやらないと決めたことを、別の日には新しい案として検討している。

過去の記事で書いたテーマを、まだ書いていないネタとして提案される。

僕自身も忘れているので、そのまま進めてしまうことがあります。

質問するたびに答えは増える。でも、考えが積み上がっているとは限らない。

仕組みを作る時間は、何も生んでいないように見えた

それなら、毎回説明しなくてもいい環境を作ろう。

そう思って、僕は自分の創作や発信を支える仕組みを少しずつ作り始めました。

過去に決めたことや、採用しなかった理由を、あとから探せる場所を作ろうとしています。

ただ、始めてみると、すぐに成果が出るようなものではありませんでした。


作品の設定や過去の判断を整理し、今の情報と古い情報が混ざらないようにする。そのうえで、何をAIに任せ、何を自分で決めるのかを考える必要がありました。

その作業をしている間、noteの記事は一本も増えません。『クロスロード』の映像が完成するわけでもない。

目の前の成果だけを見れば、AIへ100回質問している方が、ずっと仕事をしているように見えます。

何度か、こんなことをしている時間があるなら、普通にAIを使えばいいんじゃないかと思いました。

仕組みを作ること自体が目的になれば、それもまた危ない。


便利そうな機能を増やしすぎれば使いにくくなるし、情報を何でも残せば、今度は必要なものが埋もれていきます。AIが過去の考えを覚えていても、その考えが現在も正しいとは限りません。

古い判断まで残っていることで、今の僕がどちらを信じればいいのか迷うこともありました。

それでも、自分が以前なぜその判断をしたのかを、あとから確認できるようになるだけで、迷い方が少し変わります。

ゼロから悩むのではなく、過去の自分と話の続きをする感覚に近い。

仕組みを作る価値は、答えを自動で出すことではなく、考えたことを途中で途切れさせないことなのかもしれません。

僕は、悩まなくていい人になりたいわけではない

AIに任せられることが増えても、『クロスロード』の物語をどうするのかは、最後まで僕が決めなければいけません。

登場人物に何を言わせ、ゲームとしてどこまで物語を変えるのか。面白そうな案を採用することで、原作にあった感情を壊してしまわないか。

そこは、過去のデータを集めても、自動では決まりません。


むしろ、調べることや思い出すことを仕組みに任せられるようになるほど、本当に悩むべき場所が見えてきます。

僕は楽をしたいというより、悩む場所を選びたいのだと思います。

AIに100回質問する人と、1回仕組みを作る人。

どちらが正しいという話ではありません。仕組みを作ることに時間を使いすぎて、何も完成しなくなる可能性だってあります。

ただ、一つだけ怖いことがあります。


何度も考え、何度も迷い、ようやく出した答えが、どこにも残らないことです。

数か月後の僕が、また同じ場所で同じように迷っている。

最近は、AIから返ってくる答えよりも、その姿の方を想像するようになりました。


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