会社に改善を求める時は
仕事のことで、悩んで悩んで悩みぬいた末に、今の会社に残る方向で考えがまとまり、そのために会社に改善を求めようと交渉する決断をした時、その交渉を有利に進めるにはどうすればいいのでしょう。
今日はそういった会社との交渉についてお話しします。
以前の記事に、交渉について書いていますので、こちらも参考にしてください。
<交渉前の準備>
何事にも準備が重要です。
準備のでき次第で交渉の行方を左右しますので、十分すぎるくらい念入りに段取りしましょう。
段取りの仕方についての記事も書いていますので、よかったらご覧ください。
(問題の整理)
「何を変えたいのか」、
「なぜ変える必要があるのか」、
「会社にはどんなメリットがあるのか」を、
感情的なことは省き、事実に基づいて現在の状況や及ぼしている影響などを具体的に整理し、そのことに対する改善案を用意します。
(ゴールはどこにするのか)
「いちばん求めていること」、
「妥協してもいい点」、
「これ以上は譲れない最低ライン」を用意しておきます。
要求は多すぎてはぼやけてしまうのでいけません。
給与交渉の場合、見込める昇給ラインは5~10%程度だと思います。
転職オファーを受けた場合は、その額を見せて利用することで、もっと上をねらうこともできるでしょう。
(データ集め)
給与交渉なら同年代や同業他社の給与水準を調べる必要があります。
公的機関のデータなら、厚生労働省、国税庁、政府統計などのデータから見ることができます。
転職エージェントのデータなら、 doda 年収診断、 OpenWork、マイナビ転職などのサイトに自身のデータを入力して相場を見ることができます。
外資系エージェントの年収サイトなら、ロバートウォルターズ、マイケルペイジ、モルガンマッキンリーなどの年収ガイドで調べることができます。
また、同業者との情報交換なども有効に利用しましょう。
そして、自分の実績や貢献度を目に見える形で表やグラフにして提示できるように用意します。
勤務時間交渉の場合は、現在の勤務実態、残業時間、業務の量などの実際の記録データを用意します。
ミスが増えるなどの業務に支障が出ている場合、ミスの事例共に、「**円の損失が出ています。」と具体的な損失額があれば更にいいでしょう。
(交渉相手は)
誰に訴えるのが一番効果的か、キーマンを選びます。
(いつにするのか)
いついい出すのがいいか、タイミングも大事です。
給与交渉なら、評価面談の1か月程度前、昇給や役職変更前のタイミングがいいでしょう。
また、大きな成果が出た後アピールしたり、転職オファーを受けた時などにするのも効果的です。
逆にやめた方がいいのは、会社の業績が悪化している時や、リストラ中、又上司がストレスを抱えていそうな時や、自分がミスをした後などです。
決まったら、いきなり立ち話のような形で話すのではなく、正式にアポイントを取り、「~について相談させていただきたいことがあるのでお時間を頂けないか」と申し出て、きちんとした公の場で行うことです。
<交渉の進め方>
(給与交渉の場合)
例えば、実績の数字やグラフを示したうえで、「現在担当しているプロジェクトで目標の120%を達成し、会社の利益に大きく貢献できたと思っています。しかし、同種の平均と比較すると、今の年収とはかなりかけ離れています。来期もより一層貢献していきたいと思っていますので、年収**円への昇給を検討していただけないでしょうか」などと訴えるのです。
また、断られた時の代替案として、副業解禁を提案するのもいいでしょう。
(勤務時間の場合)
労働基準法に定められている勤務時間を把握したうえで、実際の勤務時間を示し、改善案を提示し、その場合どのくらいの削減効果があるか説明します。
ルーティンワークをアウトソーシングにしたり、アシスタントを配置してもらったり、期間や部門限定の増員などの提案が考えられます。
「人員を増員すれば、納期を*日短縮できるため、売上の増加につながります。」など具体的効果が挙げられればいいでしょう。
(勤務形態の場合)
テレワーク等、新たな働き方の提案の場合は、期間を決めて試験運用し、その効果を自ら評価して報告するようにするといいでしょう。
同業他社に同様の事例があればそれも併せて提示します。
また、新しいツールを入れてミスを減らし、管理コスト削減を訴えることもできます。
(基本姿勢)
会社との交渉に臨む基本姿勢は、「戦う姿勢」ではなく、「会社に貢献したい」という姿勢を貫くことが大事です。
つまり、「ココがダメだ」だけではなく、「ここをこうすれば、こんな風に良くなる」という具体的提案をすることが重要です。
「理想はプランAですが、試験的にプランBから始めるのはどうでしょう」というように、代替案とセットで提案することも有効です。
(交渉の流れ)
話の流れの運び方としては、PREP法が有名です。
1、(Point)結論から、「~について改善をお願いしたいことがあります。」
2、(Reason)理由、「現状~で、データでは~となっています。」市場価値とかけ離れていることや、業務遂行上の障壁等。
3、(Example)具体例、「先月の~の事例では~。」証拠や改善案、他社オファーなど。
4、(Point)再度結論、「そのため、~していただけると、~という成果につながります。」会社のメリット。
給与交渉なら、
「①場を設けてくれたことへの感謝、
②前置き、
③実績アピール、
④市場価値との比較、
⑤具体的希望額提示、
⑥即答を求めず柔軟性も示す。」というような流れが典型例です。
(上司のタイプ別対応)
〇 理屈っぽい上司:数字で表現して、A4用紙1枚の資料にまとめる。
〇 面倒見のいい上司:「チームの負担が大きくて心配、メンバーを守りたい」とアピール。
〇 事なかれ主義:「このままだと深刻なトラブルになりかねない」と、正論でリスクを見せる。
〇 ワンマンタイプ:「これなら部長の考えに近いのでは?」と、主導権を渡す。
<交渉後のフォロー>
(交渉後にすること)
交渉が終わったら、すぐに議事録のような交渉記録を作成し、メールで確認しておくことです。
まずは話を聞いていただいたお礼を述べて、話の内容を整理したので確認をお願いしたいと送るのです。
その際いつ頃回答が得られるのかや、次のアポイントをいつがいいかなども聞いておきます。
(決裂したら)
たとえ断られても、再検討の約束を取るようにします。
また、別の部署やさらに上の上司など、別ルートに持ち込むのもいいでしょう。
労働基準法違反があるようなら、社外の相談窓口に持ち込む方法もあります。
感情的にならずに、「貢献したいのはもちろんですが、現状に課題が残るため、自分のキャリアも考え直さなければいけないかもしれません」と静かに淡々と答えるのも有効です。
(最終判断)
判断内容としては、
①このまま残る、
②異動を申し出る、
③休暇を取る、
④辞める、
がありますが、
考え方としては、どれが一番自分にダメージが少ないかという基準で検討することです。
<まとめ>

会社に改善を求めるのは、単に不満をぶつけるだけではいけません。
会社と共通の利益を探る共同作業にしなければならないのです。
会社に「それはいい」、「たしかにその通りだ」と思って、動いてもらうことが重要な目的なのです。
以上お読みいただきありがとうございます。
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