15.年越し15分前、メイの部屋だけ大惨事
メイの部屋には、冬の静けさよりも
“ガサガサ…ガサッ”
という音のほうがよく似合う。
それもそのはず。ソファに重なる服の山、読みかけの雑誌、積み重なった未開封コスメ。
歩くたびに、小さな音楽みたいに散らかりが反応する。
そして──気づく。
「……えっ!!もう年末じゃん!!?」
カレンダーを見た瞬間、メイは叫び声とともにひっくり返った。
服の山が雪崩のように崩れ、通り道を塞ぐ。
「やばいやばいやばい!!
こんな状態で年越せないよ~~!!」
引き出しを勢いよく開けると、去年の手袋が“片方だけ”出てきた。
「えぇぇ!なんで片方しかないの〜!?」
その声を聞きつけたモコが、窓から顔をのぞかせる。
「メイ〜、どうしたモコ……?」
「モコ〜〜!!助けてぇぇ!!」
二人で片付けを始めるが、メイが動くたびに別の山が崩れ、モコが掃くそばから“新しいガサガサ音”が発生し続ける。
「メイ、これは……片付いてるモコ?」
「わかんないよー!!でもやるしかないよー!!」
メイは腕まくりをして、深呼吸をひとつ。
「よし!あと15分だけ全力でやる!
ほんとにやる!早くしないと年が明けちゃう〜!!」
窓の外では、静かに雪が降りはじめていた。
メイの大晦日は、今日もぎりぎりまで走っていく。

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