06.モコのちょっぴり悲しい日
モコは森の小道を、
いつものようにのんびり歩いていた。
小鳥のさえずりや川のせせらぎが、
静かに耳をくすぐる。
「今日も気持ちいいモコ」
赤いベリーをひとつ拾って、カゴにころん。
木の実をひとつ拾って、ころん。
「いっぱいになってきたモコ」
そのときだった。
「わあっ!」
ドタン!
足元の幹につまずき、
カゴの中身が転がり出た。
「あ〜」
木の実たちはそのままコロコロと転がり、
そのまま水たまりに、ぽちゃん。
木の実が、水の上にぷかぷかと浮かぶ。

そこに、少し遅れて落ちた木の実が、
また、ぽちゃんと水を揺らす。
「全部落ちちゃったモコ……」
「……かなしいモコ……」
モコは地面にぺたんと座り込み、
残ったいくつかだけを拾い集めた。
それからトボトボと歩き、
湖のほとりにそっと腰を下ろした。
胸の中の重たい気持ちは、すぐには消えない。
けれど、森の空気がゆっくりと入りこんでくる。
落ち葉の音。
遠くで鳴く小鳥。
穏やかな湖面。
その時、優しい風が頬をふわっと撫でた。
モコは水面を見つめながら、小さくつぶやく。
(……大丈夫モコ)
もう一度、息を吸う。
(木の実は、また拾えるモコ)
しばらくして、モコはゆっくり立ち上がった。
太陽の光が木の間から差し込む。
モコは空に向かって体を伸ばした。

それから、「また集めるモコ」と、
小さくつぶやいた。
カゴを拾い上げ、森の小道へ歩き出す。
森の光が、やさしく差し込んでいた。
🌿モコのひとりごと
✔︎森の空気をすうモコ
✔︎ちょっとのびるモコ
✔︎また元気になるモコ

モコの別の日をのぞく🚪
