07.街に出る日のメイ
メイの部屋は今日も変わらずにぎやかだ。
床に散らかった物を避けながら歩くたびに足元が危うい。

「そろそろ片付けないとなー……」
髪を束ねながら、ため息混じりにつぶやく。
だけど、一たび街に出れば、
普段のメイとはまるで別人のようだ。
淡い色のニットに白いプリーツスカート。
足元はスニーカーで抜け感を演出。
リップをひと塗りし、
鏡越しに小さくガッツポーズ。
「よし、今日も映えてる!」

興味のあるお店を見つけては写真を撮り、
「あとでみんなに見せよー」
気になるものを見つけるたびに立ち止まり、
「これ可愛い!」
財布は少し軽くなっても、心は満タン。
そんな時間が、メイにとっては元気を補給する大切なひとときだった。
街での楽しいショッピングを終えると、
メイは急に現実に引き戻される。
散らかった服や段ボール、ぐちゃぐちゃの机。
手を伸ばすと、小物が崩れて
「ひぃ、やばーい……!」
そのとき、家計の鬼教官
『マダム・ザマス』が通りかかる。
「メイ、ちょっとあなた、これはどういうことザマスか!?足の踏み場もないザマス!」
メイは慌てて買ったばかりの新作コスメの袋を抱え、顔を真っ赤にして目を逸らす。
「え、えっと…そのぉ…」
「服も化粧品も、散らかり放題。
一体どこまで無駄遣いするおつもりザマス!」
「ひぃぃぃ、マダム、ごめんなさーい!明日からちゃんとやりまーす!」
マダム・ザマスは腕を組み、冷たい目でじっと見つめる。
「口だけじゃダメザマス!行動で示さないと!」
こくこくと、小さく頷くメイを見て、マダム・ザマスは納得したように短く息をついた。
「まぁ、それでは明日から実行するざますよ」
「はぁい……」

( ……明日から本気出そう )

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