【完全保存版】FUJIFILMフィルムシミュレーション用語解説
みなさん、フィルムシミュレーション使ってますか?
『はい!!!』と答えてくれた人が多いかと思います。
スマホのフィルター感覚でいろんなバリエーションが撮れるし、自分でカスタムもできる。突き詰めれば突き詰めるほど、奥が深くてマジ沼of沼。
そんな、皆んな大好きフィルムシミュレーション(FS)ですがひとつひとつの用語を理解して使えているでしょうか?
僕は最初???でした。笑
まずは言葉の意味を知らなければ、使い様がない!!!
という事で、本日はFSを使いこなすために知っておきたい用語解説をしていきます。
この記事を読んだ後にレシピ登録をしてみれば、FSレシピの構造がわかるので自分でアレンジをするのが楽しくなってくると思います!
ぜひチャレンジしてみてください。
なぜ、設定を知っても色は安定しないのか

最初にこの点に少しだけ触れたいです。
FSの用語は理解している。DRも触れる。ハイライトもシャドウも分かる。WBシフトも知っている。
なのになぜ、思った色にならない・撮るたびに印象が変わる・レシピを真似ても再現できないのか。
それは単純に用語の問題ではなく、構造の問題だからです。
とはいえ言葉を理解していなければ、構造を話しても仕方がないので、この記事では、FS用語を整理しながら、「なぜ色設計が難しいのか」までを明確にしていきます。
フィルムシミュレーションの全体構造
まず理解しておきたいのはこちら。
光源
⇩
階調(DR / ハイライト / シャドウ)
⇅
色(Color / WB)
⇅
質感(Clarity / Grain)
ひとつひとつが独立しているものではなく、連動・相互に関係しています。
ひとつのパラメーターを触ると、どこかも連動して変化していく。FSは“単体パラメータの集合”ではなく、写真全体のバランス設計システムです。
フィルムシミュレーションとは何か

ではFSとは何なのか。軽く触れておきましょう。
各ベースは、色味というより“思想”が違います。
思想というと少し強いですね・・・「考え方・捉え方」くらいにしておきましょう。
フィルターやプリセットと全く違う点は、単純に色を載せる・変えるだけの機能ではなく、色・ダイナミックレンジ・写真の質感まで、全てが変わっていく点です。
”シミュレーション”ですからね。その為ある程度どんな状況であっても、FSは画として成立します。
フィルターはそうもいかないですよね。写真が変わると、色や全体の質感が破綻してしまう事も少なくないです。
PROVIA:標準再現。ニュートラル。
Velvia:高彩度・高コントラスト。視覚的インパクト重視。
ASTIA:柔らかさと人物向きの階調。
Classic Neg.:コントラスト分離型。陰影が強い。
ETERNA:低彩度・低コントラスト。映像的。
ACROS:階調重視のモノクロ。R/B/Yで全く異なる。
重要なのは、後から加える設定の効き方がベースごとに変わること。例えば同じ「Color -2」でも、Classic ChromeとVelviaでは数字場だけではない違いが明確にあります。
では用語解説をしていきます。
【階調系】光の扱い

■ ハイライト
写真上で明るい部分のコントラスト調整。
上げる(+) → 硬くなる
下げる (ー)→ 柔らかくなる
ただし、DR(ダイナミックレンジ)との関係性を無視すると破綻します。
DRについては後述します。
■ シャドウ
写真上で暗い部分の締まり具合を調整。
上げる (+)→ 眠くなる(ボヤッとする)
下げる(ー) → 黒が締まる(濃くなる)
ハイライトとシャドウは独立している指標ではなく、実際は“トーンカーブの両端”です。
ハイライトだけ上げると、写真全体は明るく白飛びしやすくなります。
シャドウだけ下げると、写真全体は暗くなり黒潰れしやすくなります。
常にこの2つは相関関係にあるので、両方を同時に意識することが大切です。
この2つを正しく理解して使うことでコントラストをコントロールでき、写真の印象や質感が自由自在になっていきます。
■ ダイナミックレンジ(DR)
DR100 / 200 / 400 という選択肢があります。
ダイナミックレンジというのは、「最も明るいところから、最も暗いところまでの撮影可能な範囲の幅」のこと。
つまりダイナミックレンジが広いと、白飛びしにくくなり、黒潰れしにくくなる。ということです。
ただ今お話ししているFUJIFILMのDRは、単純にDRの広さを設定するというよりは、トーンを決める意味合いが強いかなと感じています。
DR100では、ハイライトとシャドウを少し柔らかくしてくれます。
DR200と400では、シャドウ側の階調は変えずにハイライト側を少しだけ(1EV・2EV)広げてくれます。
広い方が良いじゃん!と思いますが、DR400にするとISO感度が640以上の制限がついたり、DR100に比べてノイズが出やすくなるので、トレードオフと言えます。
つまり・・・
DRを上げるとコントラスト構造が少し変わる
ISO設定とも関係する
単純にハイライトを上げたから写真が硬くなるとか、シャドウを下げたから眠くなるとか、単一で動くものではなく、常に連動していくものです。
DRは“露出”ではなく、“光の粘り”を設計する項目。
撮影状況によって適切に選ぶと写真も変わるので、変更しながら撮ってみるのがわかりやすいと思います!
AUTOも選べるので、最初のうちはAUTOで”感じ”を掴んでみましょう。
■ Dレンジ優先
こちらの設定では、DRと少し違いハイライトとシャドウの両方を柔らかく表現してくれます。
こちらを設定するとトーンカーブでの設定はできなくなります。
階調重視のFS(ETERNAなど)を使う時に設定すると、より効果を感じられると思います。

【色系】空気感の設計
■ Color
全体の彩度。
ただし、単純な鮮やかさではありません。
選択するFSベースごとに効き方が異なります。
ETERNAとVelviaではFS自体で彩度が違うので、カラー調整でより個性を強めることができます。
■ カラークロームエフェクト
赤や緑などの彩度の高い原色のみに作用する機能。
彩度が高くなりすぎることを抑制して、発色や階調を改善してディテールを再現してくれます。
お花の撮影や、色を取り入れたスナップ写真などで効果を発揮してくれます!
「強」にしておくと、コントラストが高く見えることもあるので、「弱」を常用に、被写体によって強弱を調整すると良いと思います。
■ カラークロームブルー
青領域のみを強化。空・海・寒色系の印象に直結します。
Classic Chromeやクラシックネガなど、シアン系に個性のあるFSと相性抜群!カラークロームエフェクト同様、「弱」で常用し、被写体によって強弱を調整しています。
■ ホワイトバランス(WB)
色温度の基準設定。白を白として撮影する為の設定。
晴天・日陰・オートなどの違いは、単なる補正ではなく“光の色合い”で決めます。光源(太陽光や電球の色)によって変更します。
白いマグカップがあったとします。
それを太陽光の下で撮るのと、カフェで暖色の電球下で撮るのとでは、マグカップが違う色に写る事は感覚的にわかるかと思います。
この色の違いを無くして、正しく白いマグカップとして撮影する為の設定。
あえて青っぽくしたり、黄色っぽくしたり。そんな事もできたりします。
■ WBシフト
FUJIFILMで最も思想が出る項目。R(赤)/ B(青)軸で微調整を行います。ここで空気感や温度感、時代感を感じる事もできるかもしれません。
ベースと光条件で効き方が大きく変わります。
【質感系】解像の印象

■ クラリティ
明瞭度とも言います。
すごく感覚的に噛み砕くと、どれくらいくっきりさせるか、ふわっとさせるか。という事です。
上げる(+) → 立体感
下げる (ー)→ ソフトで空気的。逆光の写真では特にふわっとします。
■ シャープネス
エッジ強調。輪郭の強さを決めます。
写真全体がパキッとはっきりします。
上げすぎると写真の質感がガビガビになるので注意。
■ グレインエフェクト
粒状感の付加。強度とサイズで印象がガラリと変わります。
フィルム時代の写真を再現する為には、グレインもかなり重要な値。また、ポートレートでも肌の質感を整えてくれるので、積極的に使います。
これも入れすぎると立体感を損なうので注意が必要ですが、あえてそういう表現をしてみるのも面白いかもしれません。
ISO感度を上げて撮影した時の”ノイズ”とはまた違う要素なので、コントロールしていきたいポイントです。
なぜ用語を理解しても色が作れないのか

さてここまで用語を解説しましたが、理解できたでしょうか。
専門用語なので、まずは言葉として理解する事が大事です。
では次のステップへ。ここが今回の核心です。
DR(ダイナミックレンジ)は階調を整える
H/Sはトーン全体を動かす
ColorはFSベースに依存
WBシフトは光に依存
クラリティは立体感をはじめとした質感を変える
すべてが相互依存しているんです。
まずは単体で何を指しているのかを理解するのが大事です。
その次は、これらの組み合わせを理解していく事が肝になります。
単体で理解しても、“組み合わせの最適化”はまた別の作業。なので、レシピは単なる数値の羅列ではないんです。
レシピとは、光の環境を前提に設計されたバランス。
単純に数値だけを真似ても再現できない理由は、そこにあります。
ひとつひとつの理解を少しずつ深めていき、自分でコントロールできるようになっていきましょう!
とはいえ、用語が理解できたけれど何から取り組んだら良いか分からない方もいると思います。
まずは私が公開しているレシピを真似してみて、用語と実際の写真を照らし合わせて、『〇〇がこんな設定になっているから、この状況だとこういう色になるのか!!』と実感をして欲しいなと思います。
おっと、ワクワクしてきましたね?
まとめ

フィルムシミュレーションは、色を選ぶ機能ではありません。
光をどう解釈するかという思想に近いのではないかと思います。
用語を理解することは、地図を読むことに近い。しかし、実際に目的地へ辿り着くには“設計図”が必要になります。
かといってあまり難しく考えても仕方がないです。
まずはたくさん撮って自分の好みを知る事!質より量です。
もし、色を偶然ではなく設計して撮りたいなら・・・
そのための設計済みレシピは、別の記事でまとめているので、ぜひご覧ください!
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