効率ばかり求めたら、お客さんが減った話
仕事においての時間と成果、これのバランスをときどき考える。
メガネ屋で働いてると、時間を急かされることがある。それはお客さんの疲労軽減のためでもあるけれど、『最短何分で作れます!』という宣伝文句にも従うために。
でもこれ、必ずしも正解じゃない。
「接客時間が長い!」
「問診時間が長い!」
「測定に時間かかりすぎ!」
メガネ屋で働き始めた最初のころ、こればっかり言われてた。とにかく早く。早く。早く。
まるで接客時間の短さを競うレース。どんなお客さんにどんなメガネを合わせたかより、何分で終わらせたかだけが語られる世界。
何かが置いてけぼりになっている気がした。
メガネというものは、100人いたら100人違うものができあがる。
これ度数だけの話じゃない。その人の生活や仕事や癖や感覚や身体に合わせて変えていく。
だから度数だけだと隣にいる人と同じでも、その人のメガネは自分には合わない。これ勘違いしてる人多い。
僕はそうやって1人1人に合わせたメガネほど良いものだと思ってる。
いわゆる老眼鏡1つでも、100均の老眼鏡とメガネ屋が合わせた老眼鏡は、度数だけは同じでも物は絶対に違う。100均のが必ずしも悪いわけではないけれど。
でもこれ、合わせるためにはメガネ屋とお客さんとの間の会話がめちゃくちゃ重要だし、細かな測定をするとそれだけ時間がかかる。
接客時間が短い人の中には、これを省略してることがある。全部やった上で早い人もいるけれど。
でもまぁわかるのはわかる。時間や効率は仕事において大事だ。
1人のお客さんに時間かかりすぎると、次のお客さんをそれだけ待たせてしまう。諦めて帰ってしまう人もいるかもしれない。
1日のうちに10組対応できたのにそれが5組で終わってしまうと、シンプルに考えると売り上げは約半分。
だからビジネスにおいて回転率は無視できない。
けれどその回転のためだけに、大事なことを省略するのもいかがだろうか。
何が必要で何が不必要かわかってて、
省略しても差し支えがなくて、
同じ値段で同じ品質なのであれば、
そこでようやく省略しても許されると僕は思う。その上で時間が短縮されたらそれだけ価値の割合も上がるかもしれない。
「うちは忙しいから」
「そんなことやってたらお店が回らないから」
そう言ってたお店を僕はもう離れたけれど、知ってる限りでは今ではそんなに忙しそうには見えない。
なんのために省略してたんだっけ。
時間だけが正解だとされることに僕は首を傾げながら、お客さんと雑談してる。
だからまぁ、今でも時間かかりすぎなんだけど。
いいなと思ったら応援しよう!
路上にチップもらう用のシルクハットを置いてパントマイムするの、実はやってみたかったんです