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確かに感じた平手打ち

子ども

(1)妊娠

第一子を妊娠したのは、予定外だった。
新卒で入社した会社で、まさに天職と思える仕事をしていたが、さらなるキャリアップのために退職し、居住国を変え、転職活動の真っ最中だった。

生理が遅れていることには気付いていた。でも、妊娠している人間を採用をしてくれる会社なんてまずいない。だからあえて見ない振りをした。
そして、ある会社から内定をもらった数日後、ようやく向き合った。
困惑しかなかった。

問題は二つあった。まず、仕事。当時、何よりも仕事が大事だった。すぐに人材会社に相談した。その内定をくれた会社社長は、「産後も働いてくれるのであれば問題ない」と言ってくれた。本当にありがたかった。仕事は守られた。

そして、もう一つは彼。うまくいかない相手だと分かり切っていた。
実際、妊娠が分かるほんの数日前に、自分の中で彼とは別れると決断をしていた。
その後、数週間にわたり、激しい口論となった。生むか、生まないか。関係を続けるか、別れるか。

最終的な答えのきっかけとなったのは、祖父だった。
亡くなった祖父に、どうしたらいい、と涙ながらに聞いた。
そしたら、平手打ちされたような衝撃とともに「産め」と。
それに対して、彼とは絶対にうまくいかないと分かり切っているのに産めないと言ったら、「お父さんとお母さんがいるだろう」とーーたとえ彼とは別れることになっても、私には支えてくれる両親がいるとーー

その後、自分自身に聞いた。「ひとりでこの子を育てられるか」。
答えは即答だった、「育てられる」。

これが、母親になることを決めた瞬間。


彼とのこと;

祖父のこと;



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