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Eurasia #6 🇲🇳 草原ルートの攻略


当noteは「バイクで世界一周」というクソゲーの攻略本兼冒険の書を目指しています。

全エピソードはこちら。(新着順表示がオススメです)


これまで:
ロシア・ウラジオストクよりユーラシア横断の旅を開始。ウランバートルで韓国人ライダーのソンファンが仲間になった。


当面の目標:
ヨーロッパに入域する

直近の目標:
草原ルートを走破し、モンゴル西部の国境から再びロシアに入る




モンゴルを西に進み、西部の国境を越えてロシアに入るには、「草原ルート」と「荒野ルート」の2種類があります。

そして今旅では、長いオフロード区間のある草原ルートを選択しました。

草原ルート(ただし終盤で荒野ルートに合流)


ゲストハウスで出会ったVstrom650XT乗りの韓国人・ソンファンとともに、5日間滞在したウランバートルを出発します。


Day1 ウランバートル ~ カラコルム 360km

2026年6月10日、まずは渋滞のひどいウランバートルを脱出します。

ウランバートルのドライバーは運転マナーが悪く、譲り合いの精神は皆無で、少しの隙間さえあればウインカーなしで割り込ます。
そして、気に入らないヤツにはクラクションで威嚇するなど、いかにも発展途上国の様相を呈しています。

煽られ、脅され、割り込まれ、わずか10kmの市街地を抜けるのに1時間以上かかりました。



その後の路面状況はあまり良くなく、日本の林道のような舗装路が続きます。




景色は次第にモンゴルらしくなり、ゲルが点在する広大な草原地帯へ突入します。


昼寝中


相方のソンファンは14時になると睡魔が襲ってくるらしく、そうなると道路脇でバイクに寝そべって10分ほど仮眠を取ります。(意外と落ちない)

通行人からは毎日のように「なんだコイツ……」という視線を浴びていますが、本人はまったく気付いていません。


ゲルに泊まってみる


普通に快適


この日はカラコルム(ハラホリン)という町で投宿しました。

現在はこぢんまりとした田舎町ですが、かつてはモンゴル帝国の首都であり、700年前は世界の中心でありました。


Day2 カラコルム 〜 ツェツェレグ市 118km





午前中にカラコルムを軽く観光してから出発。

不安定な大気なか、にわか雨に降られながら前進します。


羊が横断中




午後はさらに天候が悪化する予報だったため、この日は早めに走行を切り上げました。


Day3 ツェツェレグ市 〜 Ikh-Uul 314km

ツェツェレグ市を出発して間もなく…


こんな道


道路工事のためか、ツェツェレグ市を出てすぐに10kmほどのダート区間が現れました。


広大すぎて伝わらない


その後は引き続き、山あいの草原ロードを走ります。

この区間は町が少ないため、ロードサイドのゲルで昼食休憩としました。


注文を受けてから薪に火を起こすスタイル


切ったマトンを鍋に入れ


麺と一緒に煮込んで


完成


ゲルに入ったら基本的に「マトン骨うどん」一択しかありません。




途中には渓谷や湖など、美しい景色が次々と現れます。



この日はモンゴルで初めての野営です。

ロシアとは対照的に、モンゴルではキャンプし放題です。(ただし、動物のフンと虫は多いです)

テント張ろうとしていると、遊牧民のおっちゃんがバイクでやってきて、「こっちへ来い」と、より良い場所へ案内してくれました。
彼らは野営のプロなので、アドバイスには素直に従った方がいいでしょう。

なお、景色が良いからといって湖の近くはオススメしません。
夏場は大量の蚊が発生します。


Day4 Ikh-Uul 〜 Songino 233km


引き続き、モンゴルらしい草原を走る1日です。

連日の気温は28℃前後。
走行時は快適ですが、日差しが非常に強く、休憩中はかなり暑く感じます。


ロードサイドの宿に泊まりました



Songinoから先は町がなくなるため、距離は短いものの、この日はここで宿泊します。


Day5 Songino 〜 オラーンゴム 346km


これまでは穴だらけのアスファルトでしたが、Songino以西は比較的新しい舗装路となり、日本の高速道路のような快適さです。

景色も少しずつ変わり、草原は減り、荒野っぽくなります。
それに伴い、遊牧民の姿も減っていきます。




オラーンゴム手前にある湖は、ほんのり塩味でした。


いよいよラクダが出現


“The Shining Star” Guesthouse and coffee house


建物は新しく、ツイン1泊100,000トゥグルグ(1人あたり2,300円)


オラーンゴムの宿はアタリでした。

カフェ併設でコーヒーがおいしく(モンゴルのコーヒーは不味いインスタントばかりです)、Wifi強め(Wifiなしの宿が普通にあります)、温水シャワーが使え(お湯が出ないとか、そもそもシャワーがない宿が普通にあります)、宿の方は英語ができます(英語話す人少ないです)。



Day6 オラーンゴム滞在

宿の朝食


ウランバートルから1,370km。
5日間ぶっ続きで走ってきたので、この日は休息日とします。

街には特に観光する場所がないため、筋トレをして過ごします。


新しい町に着くと、ソンファンは必ずジムを見つけてくる


Olympic Fitness
ビジター25,000トゥグルグ(1,100円)


Day7 オラーンゴム 〜 ホブド 247km

草原ルートの核心部です。

これまでは一部の工事区間を除き舗装路でしたが、この先247kmのうち約170kmは未舗装。
なんとか1日で走り切りたいところです。

朝9時、タイヤの空気圧を標準値より10%下げ、オラーンゴムの宿を出発します。



市街地を抜けるとすぐにオフロードが始まります。

洗濯板(波状の路面/コルゲーション)のある砂利道を20~25km/hで慎重に進みます。


詰んだ


20kmを進んだところで、まさかの川が出現。
流れが早いうえに、水深はヒザまであります。

迂回路も見つからず、どん詰まりです。

「無理すれば渡れるか?」、「いやここでバイクが死んだら世界一周が終わってしまう」などと逡巡した末に、引き返す判断をしました。


ホブドへ行くためには別の道を探さなければなりません。

Google Mapでは表示されませんでしたが、幸いにもGeographicaやMaps.meなどの地図アプリではオラーンゴム~ホブドの本線につながる道らしきものがあるため、そちらに賭けることにしました。


いったんオラーンゴムに戻り、そこからウランバートル方面に50kmほど来た道を進みます。


ここから右折


そして、ボロボロになった怪しげな看板があるところからアスファルトを外し、草原にできた轍に乗っかります。



路面はおもに洗濯板ですが、その脇や隙間にあるフラットなラインを狙いつつ、ナビが示す道を外さないように進んでいきます。


緑地保護とか言っている場合ではない


なんだかんだで一番走りやすいのは草の上です。
40km/hくらいの平均速度で走れます。

ただし、草原の中に隠れているデカい石や動物の糞を踏んでしまわないよう注意が必要です。


悪夢の再来


15kmほど進んだところで、またしても川です。嫌な思い出が蘇ります。

ここを渡れなければウランバートル方面へ1,000km以上戻り、荒野ルートで出直すことになってしまいます。それはなんとか避けたいところ。

水深は30cmほど。
「もう行くしかない」と覚悟を決め、パニアをすべて外します。

そして、水深の浅いラインを狙い、1速で一気に突破します。



動画ではシャボそうですが、走り出しは砂の下り斜面、そして川底にはゴロゴロした石が隠れており、ハンドルコントロールが難しい渡渉となりました。

なお、この川は地図には載っていません。
どうやらモンゴルのオフロードでは、大雨が降ったあとにランダムで川が出現するらしく、渡渉の有無には運の要素もあるようです。


悶絶


その後も洗濯板と格闘しながら、この区間の中間地点に唯一ある町・ウルギーを目指します。



町が見えてきて一息つけると安心したのも束の間、次第に路面が砂っぽくなります。


ついに


ウルギーの町まであと3kmというところで転倒。
深い砂にはまり、コントロールを失いました。

足場が悪いため一人ではバイクを引き起こせませんでした。
ソンファンと一緒でなければ詰んでいたかもしれません。


ウルギーの町で小休止


この時点で15時。
日没までに残り90kmのオフロードを走り切るには、長居してはいられません。

昼食は諦め(そもそも戦闘態勢なので食欲ない)、売店で買ったエナジードリンクを流し込んで続行します。



ウルギーの町からから25km進んだところで、いよいよナビが示す道から外れました。


📱「あんた、道なき道をいってるわよー」


轍をたどると自然にルートを外れてしまいます。

逆にナビ通りに進もうとすると、誰も通った形跡のない場所へ突っ込むことになります。


かくなるうえは


こうなってしまえば雪山と同じで、他人のトレースは参考程度に、コンパスを信じて突き進むしかありません。


まじでなーんもない


眼前には遥か彼方まで平原が広がっていますが、方角さえ間違えなければ、いずれどこかの道へ合流できます。

とはいえ見渡す限り何もない世界にポツンと取り残され、はたから見たら遭難者です。

1時間に1〜2台すれ違う車を無理矢理止めて、「ホブドってこっち?」と聞きながら前進する始末。


砂!


砂ァァ!!


舗装路まで残り20km。待ち受けていたのは怒涛の砂ロードでした。
最後まで攻撃の手を緩めてはくれません。

暑さと疲労で集中力も限界に。
転びかけた回数は数え切れません。


この時ほど人生でアスファルトに感謝したことはない


非常に苦しい展開が続きましたが、20時、ようやくアスファルトが見えました。


警察に絡まれる


オフロードの終点には交番がありました。
ゲート脇をすり抜けて、念願の舗装路に降り立ちます。

なぜか警察に名前と電話番号を書かされましたが、特段のお咎めはありませんでした。


170kmのオフロードを8時間。
最初に引き返した区間を含めれば210kmのダートを10時間走り続けたことになります。満身創痍です。

振り返れば、この核心区間は

  • 不快な洗濯板:50%

  • 滑りやすい砂:20%

  • 走りやすい草:30%

といった配分で、およそ「走っていて楽しいアドベンチャーロード」ではありません。

しかし、終始アドレナリンどばどばで、脳汁ルートと名付けるには十分な道でした。





その後はアスファルトのありがたみを噛み締めつつ、40km先にあるホブドの街を目指します。


Fairfield West Experience Mongolia Café, Guesthouse & Tours


21時。日没寸前で宿へ到着。
満室だったため、庭でテントを張ることになりました。(450円)



Day8 ホブド 〜 ウルギー 225km


前日の疲労が残っていますが、この日はもはや消化試合です。




昨日の脳汁ロードとは打って変わり、美しい舗装路が続きます。


カザフ人の子供たち


このあたりはカザフ人が住んでおり、モンゴルの終わりを感じさせます。






草原ルート最終日は、難なくウルギーに到着。
(先述のウルギーと同名ですが、別の街です)





草原ルートを走破した先は新天地。

街にはモスクや中央アジア料理店があり、新たなステージの幕開けを予感させられるのでした。


草原ルートまとめ


  • ウランバートル〜オラーンゴムまでは舗装路

  • Googleマップなどで案内されるオラーンゴム西側のルートには行っちゃダメ

  • オラーンゴム~ホブドの区間は170kmのオフロード。本線への取り付きに注意。路面は基本的に洗濯板。確率で川が出現

  • Vstrom650XT(タイヤはオンロード寄り)で、砂地で1回転倒。転倒未遂は数えきれず

  • オフロード上級者でなければ、単独行はオススメしない




走行距離:1814km


noteで紹介できなかった写真はインスタに入れています。
ぜひご覧ください。


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きつねのあずまや 旅の途中でお世話になった現地の方に、「〇〇さんからのオゴリです」とビールをごちそうします。