「HSPだから副業も会社員も消耗します。お金はどうすれば?」——うつ・リストラ・年収ダウン転職を経た作業療法士が語る、繊細な人のお金との付き合い方
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プロローグ
給料日。通帳に振り込まれた額を見て、なぜか心が重くなる。
「足りない、わけじゃない」 「でも、このままで大丈夫なんだろうか」 「副業しなきゃ、と思う。でも、今の仕事だけで精一杯だ」
——HSPで、こんな気持ちを抱えている人は、たぶん少なくないと思います。
私は作業療法士16年目、特養勤務のHSP・ISFJです。これまでに精神科病院からの年収50万ダウン転職、リハビリテーション部閉鎖によるリストラ、うつでの離脱、そして今、note・Kindle・YouTubeという副業を2ヶ月続けています。
副業の収益は、現時点で約1,000円です。
正直な数字を最初に出しました。理由は最後に書きます。
今日は、お金に消耗しがちなHSPの方へ、私が16年かけて辿り着いた「お金との付き合い方」を、Q&A形式で正直に書いていきます。
Q1. なぜHSPはお金で消耗するのか——4つの要因と、最も根深いもの
HSPがお金で消耗する理由を、当事者であり作業療法士でもある立場から、4つに整理しました。
①将来不安の過剰シミュレーション
HSPの「Depth of Processing(深い処理)」という特性が、お金という不確実なテーマと結びつくと、脳内で無限のシミュレーションが始まります。「もし病気になったら」「もし仕事がなくなったら」——まだ起きていない未来を細部までリアルに想像してしまう。
OT視点で言えば、現在の「意味のある作業」に注ぐべき認知エネルギーが、未来への防衛準備に常に奪われている状態です。
正直に言うと、私もこれが一番強い。それなりに貯蓄があっても、「もっと稼げたら安心なのに」という不安は消えません。
②稼ぐための競争・自己アピールへの抵抗感
資本主義社会で稼ぐということは、他者との比較・競争・自己の過大包装を要求される作業です。HSPは良心的で、他人を蹴落としたり、自分を盛ったりすることに強いストレスを感じる。
私自身、昇進にはまったく興味がありません。競争すること自体がしんどい。「個人の価値観」と「社会の要求」のミスマッチが、HSPを消耗させます。
③他人の年収との比較疲れ
共感性の高いHSPは、SNSや日常会話から、他者の生活水準や年収のヒントを無意識に受信します。バウンダリー(心理的境界線)が薄いため、他人の成功や焦りの感情に巻き込まれる。
ただ、これは私にはあまり当てはまりません。アドラー心理学を学んだことと、特養の機能訓練指導員は私一人しかいないので、職場内で比較する相手がいない、という環境要因もあります。
④お金の話そのものへの罪悪感
請求や交渉のたびに「相手を嫌な気持ちにさせるのでは」と先回りして配慮しすぎる。「正当な報酬を要求する」というシンプルな作業が、「相手の感情を処理する」という重労働にすり替わる。
これも私にはあまりないですが、繊細な人ほど該当する人は多いと思います。
——では、最も根深いのはどれか。
結論から言うと、①の将来不安の過剰シミュレーションです。
理由はシンプルで、②③④は外部環境との接触によって生じるので、距離を置けば軽減できる。SNSを見ない、競争の少ない職場を選ぶ、自動引き落としで人を介さない仕組みを作る——環境調整(OTの基本アプローチ)で対処可能なんです。
でも①は、自分の脳の深い処理特性そのものから自動生成される。一人で静かな部屋にいても、夜眠る前でも、絶え間なくエネルギーを奪い続ける。さらにこれがベースにあるからこそ「将来が不安だからもっと稼がなきゃ」「あの人と比べて自分は」と、他の3つを連鎖的に引き起こす起爆剤になる。
だからこそ、対策は**「お金に関するタスク」を限界までシンプルにして、判断の回数を減らす**こと。これは後のQ5で詳しく書きます。
Q2. 年収50万ダウン転職——精神科病院から特養へ
7年前、29歳の時。精神科病院から、今いる特養に移りました。
理由は人間関係です(詳しくは過去記事に書いているので、ここでは深追いしません)。当時の私は、人間関係で完全にすり減っていました。仕事内容ではなく、人で消耗していた。
年収は50万円下がりました。
決定打は単純で、「このままでは自分が壊れる」という感覚です。お金より、自分が残っているうちに動かなきゃと思った。
妻に相談した時、彼女はこう言ってくれました。
「私が私でいられる場所で、働いてくれたらいい」
この一言で、決断が固まりました。
——今、7年経って、この判断をどう評価しているか。
正解だったと、断言できます。年収50万下がったけれど、心の安定と、これから16年続けられる職場と、note・Kindleを書ける余白を得ました。お金は減ったけど、「自分が残った」。
これが、私の人生で一番大きな取引でした。
Q3. リストラ体験——リハビリテーション部の閉鎖
OT7年目、リハビリテーション部そのものが閉鎖になり、全員が職を失いました。
個別のリストラではなく組織解体だったので、メンタル的な打撃は意外と少なかった。むしろ手切れ金的なものを少し多めにもらえたので、金銭的な損失はありません。
結婚して間もない時期でした。妻には正直に話し、次を探しました。再就職先は精神科病院。ここで年収は逆に100万円ほど上がったんです。
つまり——
29歳の時に精神科に入って年収100万アップ、そこから36歳で特養に移って50万ダウン。差し引きすればプラスなんですが、私が学んだのは「年収の上下と、心の充実度は別物」ということでした。
100万上がった精神科時代より、50万下げた特養時代の方が、明らかに私は満たされています。
お金以上に削られるものがある。お金以上に積み上がるものもある。それを身をもって知ったのが、この2回の転職でした。
Q4. 副業に挑戦した経験——4つ試して、3つ残った
これまで試した副業は4つです。
note — 現在進行形、毎日投稿で60本超え。 Kindle出版 — 1冊目刊行済み、第2弾を構想中。 YouTube — 動画配信を継続中。 Etsy — ハンドメイド系プラットフォーム。合わなかった。
Etsyをやめた理由は明確で、楽しくなかったから。HSPにとって「楽しくない作業を続ける」のは、想像以上に消耗します。稼げる/稼げない以前に、その時間が苦痛になる。
逆に、note・Kindle・YouTubeが続いているのは、書くこと・伝えることが、もともと好きだからです。
正直、もう売ることが第一目的じゃなくなってきています。趣味の延長で、たまに収益が発生する、くらいの感覚。そろそろKindle第2弾を考えているし、ぼんやりと別の構想もあります。
「稼ぐための発信」と「伝えたい発信」の葛藤は、HSP発信者なら誰でも通る道だと思います。私が辿り着いた答えは、**「伝えたいことを書く。お金は後からついてくる(かもしれない)」**というシンプルな順番でした。
Q5. お金の不安と、どう折り合いをつけてきたか
具体的にやってきたことを5つ書きます。
①固定費の徹底的な見直し
これが最初で最強です。通信費、保険、サブスク、すべて点検。一度仕組み化すれば、毎月の判断回数が減り、HSPの脳の負担が軽くなります。
②借金を作らない
車は2台、両方とも現金一括で買いました。ローン返済の心理的重みは、HSPには重すぎる。家のローンは35年残っていますが(今6年目)、これだけは長期戦と割り切っています。
③貯蓄+投資の両輪
銀行貯金だけでは、物価上昇に負ける時代です。毎月のコツコツ積立と、まとまった額の一括投資を併用しています。
④ストック型の収入源を育てる
これがnote・Kindle・YouTubeを始めた直接の動機でした。今すぐ大きく稼ぐためじゃなく、5年後・10年後に「過去の自分が書いたもの」が静かに収益を生む状態を作りたかった。
⑤「足るを知る」を、看取りから学ぶ
特養で100人以上の方の最期に立ち会う中で、「あれがあれば幸せだった」という言葉をほとんど聞かないことに気づきました。これが、私の不安の天井を下げてくれます。
ただ、ここで正直に書いておきます。ストック型の収入源を作る、というのが当初の動機だったのは事実ですが、続けるうちに動機が変わってきました。私の経験を読んで、ほんの少しでも心が軽くなる人がいてくれたら——それが何より嬉しいと感じるようになった。だから今も、大半を無料記事として書いています。
Q6. 特養OTから見える、「お金と幸福」の関係
特養で長く働いてきて、亡くなる前のご利用者さんがお金の話をすることは、ほぼありません。
認知症が進んでいる方が多いという背景もあります。でも、それを差し引いても、人は亡くなる時、お金に縛られていない。
少なくとも、老衰で穏やかに逝かれる方を見ている限り、最期に握りしめているのは、お金ではなく、家族との記憶や、誰かに会えた喜びや、好きだった食べ物の話だったりします。
これは、私のお金観の「天井」を、確実に低くしてくれました。
不安は、上を見れば青天井です。でも、自分の人生のゴールから逆算した時、どれだけのお金が「本当に」必要かは、思っているより少ないのかもしれない。
特養で過ごす時間は、お金との距離感を整える、私だけの作業療法でもあります。
Q7. 「副業も会社員も消耗する」HSPへ、本音のアドバイス
最後に、現実的なことを正直に書きます。
①会社員で消耗しているなら、副業はやめておいたほうがいい
副業はしんどいです。会社員で精一杯の人が手を出すと、休日まで作業時間に飲まれて、回復の時間がなくなる。HSPは「回復のための余白」が他の人より多く必要な気質です。まず、本業の働き方と環境を整えるのが先。
②noteを選ぶなら、競合の少ないジャンルを
正直、HSP関連の記事は競合が多い。検索すれば「スキ400超え」の人気記事が並んでいて、比較で落ち込む可能性が高い。HSPなのにHSPジャンルで戦うのは、得意分野である一方、最も傷つきやすい場所でもあります。
得意な何か×競合が少ないジャンル、で信頼をコツコツ積むのが、HSPには合っていると思います。
③ノウハウ系の罠に注意
「フォロワーほぼゼロから0→1達成しました」系のノウハウ記事をよく見ますが、ぶっちゃけ私には説得力ゼロです。でも、焦っているHSPがそういうのを買ってしまって、また落ち込む——という構造があるように見えて、それが一番気がかりです。
④フォロワーは、無理のない範囲で増やす
0フォロワー0スキの記事と、1000フォロワー100スキの記事、同じタイトルならどちらを読みますか?——圧倒的に後者ですよね。だから、フォロワーは多少意識した方がいい。
具体的には、note内で「フォロバ100」と書いているユーザーを入口にゆるく繋がるのがおすすめです。Threadsなどの外部SNSでも同じことはできますが、Threadsは情報の流れが速くて通知も多く、HSPには疲弊しやすい環境です。note内なら、同じ「書く人」同士で文脈が共有されているので、ずっと繋がりやすい。
ただし、フォロバ100の人たちにスキを期待してはいけません。フォロバ100の人はすでに多くのフォロワーを抱えていて、毎日大量の新着が流れてくる。見る時間がないんです。
だから、自分からスキをつけにいく。これは媚びじゃなく、礼儀です。返してくれる人もいるし、返してくれなくてもいい。あと、これは経験則ですが、有料記事はスキが付きにくい傾向があるので、有料化の判断は慎重に。
⑤他者比較せず、自分を信じて積み重ねる
これが結局、一番大事です。
——ここで、ひとつ正直に書いておきます。
私自身、HSPというジャンルは競合が多いと、書き始めてすぐに気づきました。「スキ400超え」の人気記事もたくさんある。比較して落ち込みそうになる瞬間も、正直あります。
それでも、私がHSPの記事を書き続けている理由は、ひとつだけ。
自分の発言には、意味があると思っているからです。
HSP当事者として15年以上、繊細さに振り回されてきた実体験。作業療法士という国家資格を持つ、精神領域の専門家としての視点。特養で看取ってきた100人以上の方々から学んだこと。——この3つが重なる場所からしか書けないものが、確かにあると感じています。
こう書くと「自信満々で嫌な感じ」と思われるかもしれません。でも、これは自信というより、続けるための理由です。スキの数が少なくても、フォロワーの伸びが遅くても、「自分が書く意味」を自分で言語化できていれば、続けられる。
逆に言えば、これがないジャンルでは、私は続けられないと思います。
だから、もしあなたが何かを発信しようとしているなら、まずこう問いかけてみてください。
「私がこのテーマを書く意味は、何だろう?」
その答えが言語化できたとき、競合の数も、スキの少なさも、ずっと小さなノイズになります。
——そして、リアルな数字。
私は副業を始めて2ヶ月。YouTubeはまだ収益化されておらず、noteとKindleとアフィリエイトを合わせて、これまでの収益は約1,000円です。
ショボい数字に見えるかもしれません。でも、これが正直なところです。煽り記事に騙されないでほしいから、書きました。
それでも、私は続けています。理由は2つ。
ひとつは、5年後・10年後の「ストック」を信じているから。 もうひとつは、これを読んでくれたあなたの心が、ほんの少しでも軽くなったら——それが、今の私のいちばんの報酬だからです。
エピローグ
お金は、大切です。 でも、お金のために自分をすり減らすのは、本末転倒です。
HSPのあなたには、**お金との「適切な距離」**があります。 追いかけすぎず、見ないふりもせず、ただ静かに、自分のペースで積み上げる。
将来不安は、なくなりません。 でも、固定費を整え、借金を作らず、コツコツと積み立て、自分が消耗しない場所で働く——これだけで、不安の温度はずいぶん下がります。
最後に、特養で看取ってきた100人以上の方々の表情を思い出して書きます。
人は最期、お金の話をしない。
その事実を覚えておくだけで、今日のあなたの肩の力が、少しだけ抜けるかもしれません。
著者プロフィール
作業療法士16年目|特別養護老人ホーム・ユニットケア勤務|元認知症ケア指導管理士|HSP・ISFJ|妻と娘との3人暮らし|年収50万ダウン転職・リストラ経験あり|noteで「やさしすぎる人の生き方とお金」を発信中。
note ハッシュタグ(7個)
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