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砂糖はお使いになりますか?(なんのはなしです珈)

#なんのはなしですか
#なんのはなしです珈

この話はフィクションです。
実在のあれやこれやとは関係ありません。

「砂糖はお使いになりますか?」

初めて入った喫茶店でそう聞かれたとき、
私は、店の外で見たボードを思い出していた。

私は、普段、コーヒーに砂糖は入れないが、
店のおすすめなら、ここは頼んでおきたい。

「はい、使います」

「どう使われますか?」

「え?」

「どういった用途で?」

「えっ、用途…?」

店員さんは真顔だった。

「コーヒーに入れます」

そう答えると、
店員さんは明らかに失望した顔で、

「かしこまりました」

とだけ言い残して、私のテーブルから離れていった。

えええ?
「コーヒーに入れます」は不正解なのか?

——そもそも、正解って、何なん!?

私は、周りの様子を伺うことにした。


「お砂糖はどう使われますか?」

ケース.01
大工さん

「さっきからテーブルの脚がガタついているので、
 くさびとして打ち込みます」


ケース.02
書道家

文鎮ぶんちんにします。20個並べると丁度いい。
 字が苦くなってきたら、墨に混ぜて甘さを足します」


ケース.03
占い師

「サイコロの代わりにするわ。
 これがないと、甘い見通しが完成しないのよ」


ケース.04
忍者

兵糧丸ひょうろうがんの材料にするでござる。
 一粒で300メートルは走れるでござるよ。ニンニン」


ケース.05
化学者

「次こそ、爆発しない金平糖を作ります」


ケース.06
哲学者

「私が砂糖を使うのではなく、私が砂糖に選ばれた。
 ……そうは考えられませんかな?」


ケース.07
昆虫学者

「最近、アリ部隊と調整が難航していましてね。
 これを持って交渉の場に向かうんです」


ケース.08
マジシャン

「マジックに使います。
 まず、角砂糖が消えます(コーヒーの中に)。
 次に、苦みが消えます。最後に、コーヒーも消えます」


ケース.09
霊能者

「砂糖? お主、いつからそれが砂糖に見えておるのじゃ?
 お祓いしてしんぜよう」


ケース.10
パティシエ

「素材の味を活かして、角砂糖から、
 もっと美味しいふわっふわの角砂糖を作りますわ」
 


——ここは、きのこが集まる店なのかな?
店員さんは、普通の人だったけど……

私が、周囲を観察していると、
知っている人が、続々とやってきた——


ケース.11
キューティーセラミー

「角砂糖とカップで、アートを作りたいです。
 カップは自分で出せるので、おかまいなく!」


ケース.12
チューニー

「この漆黒の液体エクリプスに潜む魔力を中和する必要があるわ。
 このままでは、私の右腕が暴走しかねないから」

<オフ・ショット>
 
コーヒーを一口飲んで、ちょっと表情が緩んだところ。


ケース.13
コップのフチ子(フチころ)

「修行に使います。
 いつ、いかなるフチにも、平常心で座れるように」


ケース.14
カープのフチ子

「バッティング練習に使います」

目指せ、「飛びすぎて滅」

ケース.15
ナンノ

「最近、ゴルフを始めたんで、
 アプローチショットを練習します」

「あなたの中にいる ナンノ募集中」に乗っかってみた!

ナンノさん、グリーンは後ろ、後ろ💦

※本家、ナンノ(南野陽子)さんの接近アプローチは、
 ゴルフとは一切関係ありません。


次に、また、
見知ったきのこキャラが次から次へとやってきた。


ケース.16
ヤブ医者

「これから緊急オペを行う。麻酔の代わりに、
 糖分を限界まで投入して、感覚を麻痺させるぞ!」


ケース.17
坊主&神父

「いざという時には、角砂糖をお供えし、
 甘き極楽を願って南無阿弥陀仏と唱えましょう」

「万一の際には、角砂糖を祭壇に捧げ、
 主の御前で甘き救いを願いましょう。アーメン」


ケース.18
ロボ

「ナクナッタ デンシブロック ノ カワリニ
 カクザトウ ヲ ツメル(ガガガガガ)」

 

ケース.19
ギャル

「え、デコるために決まってんじゃん!
 真っ黒な飲み物とか、地味すぎてウケるー!
 角砂糖盛り盛りにしたら、超エモくなーい?」


ケース.20
ちょいワル

「角砂糖をそのままかじって、歯を磨かずに寝てやるぜ。
 オレって、マジ、ヤベーよな!」


——今、うちの天使と悪魔がいたような……?
あれ絶対、本物のギャルとかちょいワルではないな。

私が、さらに周囲を観察していると、
今度はテレビで見たことある人が次々にやってきた——


ケース.21
松岡修造っぽい人

「甘くなりきれない人を励ましたい!」


ケース.22
ハンバーグ師匠っぽい人

「ハンバーグの隠し味にします」

ネタはスピードワゴンの方

ケース.23
炎柱っぽい人

「何に使うか! 良い質問だ! 俺は心を燃やす!!」


ケース.24
マギー審司っぽい人

「手品のネタに使います」


ケース.25
アンミカっぽい人

「角砂糖の色、もっと知りたいねん」


ケース.26
井上陽水っぽい人

「口に含んで、甘い歌を聴かせます。
 ♫ あまいくちーづけ とおいおもーいで…」


ケース.27
泥棒さんっぽい人

「お城に幽閉された姫君を救出しに行くときに使います」


ケース.28
五ェ門っぽい人

「つまらぬものを斬る修行に使う」

また、つまらぬものを斬ってしまった

ケース.29
本官さんっぽい人

「角砂糖を弾丸にして、
 遠慮なくぶっ放したいのであります!」


ケース.30
未来から来たっぽい人

「帰りの燃料に必要なのだ」


——私は、未来に帰っていくデロリアンを見ながら、
つくづく思った。
「砂糖にはいろいろな使い方があるものだ」と。

いかに、自分が何も考えずに生きてきたか、痛感した。

これからは、砂糖の使い方をしっかり考えて生きていこう。

そう心に決めて——

目が覚めた。

「目が覚めるような思いをした」という比喩ではない。
文字通り、目が覚めたのだ。




<終幕>落語として

てな具合で、夢から覚めたきのころさん。

喫茶店で砂糖の使い道を尋ねられたばかりに、
大工に坊主にロボまで出てきて、
えらい騒ぎになったもんでございますな。

ところが、あとで数えてみますと、
出てきた使い道がちょうど三十。

「さとう」で三十。

夢の中でまでそんな洒落にきっちり付き合わされるとは、
まことに律儀な夢でございます。

で、ここでわたくしもひとつ申しますと、
落語家は角砂糖を——

枕に入れる。

使えるものは何でもはなしに使ってしまう、
落語家の性分でございますな。

……ああ、いけません。これで三十一。

せっかく「さとう」で三十に収まっていたものを、
最後に一つ、余計なものを足してしまった。

この噺の語りをわたくしに託された、
きのころさんの目論見が台無しでございます。

夢は甘かったが、現実は甘くなかった。

おあとがよろしいようで……

噺家、笑茸亭しょうきんてい 木乃香炉きのこーろ
がお届けしました。

なんのはなしですか

 
<了>

#なんのはなしですか


お読みいただき、ありがとうございました。

ここからは、きのころnote「1周年カウントダウン」の話です。

私がnoteを始めたのは、
2025年4月25日(金)のことでした。

4/20(月)361日目  5
4/21(火)362日目  4
4/22(水)363日目  3
4/23(木)364日目  2 ← 今ココ
4/24(金)365日目  1
4/25(土)366日目 ← 1周年

「1周年イベント」として、
今週は「なんのはなしですか」に全力投球しています。


5本目は、砂糖の使い道を30個並べるという、
いわゆる「モノボケ」ネタでした。

この変な話をなぜ作ったかというと——

私が「#なんのはなしですか」の投稿を始めた、
『「なんのはなしです課」通信 珈琲の四十六通目』。

このときの副題が「珈琲」だったので、
「珈琲」ネタを作ろうと思ったのがきっかけでした。

当時は、この話より先に、
『コップのフチ子さん七変化』の方が出来上がったため、
そちらを投稿しました。

こっちの作品は、それ以降、手を付けていなかったので、
半年以上、お蔵入りしていたことになります。

とはいえ、その時点で出来上がっていた「砂糖の使い道」は、
10個ほどしかありませんでした。

今回、あれやこれやを付け加えて、
ようやく、作品として完成させることができました。

私は、こんな風に、
「何かをやたらとたくさん並べる」
ということ自体が好きなんですね。

並べることは、英語で「ラインナップ」なので、
この手の作品を「ラインナップ系」と呼ぶことにします。

今回は、これまでに、「#なんのはなしですか」として
投稿した「ラインナップ系」の作品をピックアップします。

<なんのはなしですか/ラインナップ系>


本日は以上です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。

今日は、もう1本投稿します。
 




たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
ありがとうございました。
「なんかいいかも」と感じていただけたら、
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どうぞ、よろしくお願いします。


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