「Sunoガチャ」に飽きた人へ——脳内アニメのサントラを作る方法
「Sunoガチャ」に飽きた人へ。
僕はこの沼から、物語という反則技で抜け出しました。
こんにちは、Kinoです。 僕は普段、「AIを使って音楽を作り、それにAIで作った映像を乗せて、ミュージックビデオ(MV)を作る」という活動(趣味)をしています。
……と言っても、AIに馴染みのない方は「?」って感じですよね。
「何をどう使ってるのか?」がまず分かればOKです。
1. 魔法のツール「音楽生成AI」Suno
みなさん、Suno(スノー) というAIを知っていますか? これは、スマホやパソコンで「歌詞」と「歌のスタイル(J-popとか)」を入力するだけで曲が作れるAIです。

例えば、「卒業式の帰り道、桜が舞ってて、ちょっと切ないバラード」と入力してボタンを押す。
たったそれだけで、数十秒後にはプロの歌手が歌っているような曲が出来上がります。 作曲の知識も、楽器の経験もゼロでOK。まるで魔法です。
僕はこれにハマって、もう何十曲も作ってきました。 (ちなみにAIを使うために年額で結構なお金を払っています。月額にして8ドル。クレジットが使いきれないくらい余ってます……)
2. でも、「作りたい曲」なんてそんなにポンポン浮かばない
最初は感動しました。「すげー! 俺、作曲家じゃん!」って。 AIと対話して、歌詞を練り上げて、自分好みの「神曲」ができた時の達成感は本当にすごいです。
でも、正直に言います。 「ああ、曲作りたいなー!!」って心から思う瞬間、そんなに頻繁になくないですか?(笑)
1曲1曲、自分の思いを込めて作るのは楽しい。でも、そんなに毎日「世の中に叫びたい熱いメッセージ」があるわけじゃない。 切り口がないと、自分の思いなんてそうそう溜まらないんです。
でも、現実は待ってくれません。 僕はSunoを年額プランで契約しちゃったので、毎月大量のクレジットが支給されるんです。(間違えてポチった)
「使わなきゃもったいない!」という貧乏性と、「でも作りたいネタがない」という現実。
このジレンマをどうにかしたくて、僕は考え方を変えました。 「1曲ずつテーマをひねり出すんじゃなくて、まずデカい『物語』を作ってしまおう」と。
3. 「妄想」から始めると、AIは「相棒」になる
AIは進化して、かっこいい動画や音楽は誰でも簡単に作れる時代になりました。 だからこそ、「そもそも面白い話を考えられる脳みそ」を鍛えておかないと、ツールに使われるだけで終わってしまう。そんな危機感もありました。
今回、僕は『Obsidian Anthem(オブシディアン・アンセム)』という架空のアニメの物語を考えました。 テーマは「戦闘用アンドロイドと、人間の女の子の旅」。
いわゆる「相棒(バディ)もの」です。
……はい、完全に僕の趣味全開の妄想です。
元々こういうのが好きなんですよね。
ここからが重要なんです。
ただ妄想するだけじゃなくて、Gemini(ジェミニ)という、言葉を理解するのが得意なAIと相談しながら作っていきます。 (僕は「AntiGravity」というツールの中でGeminiを使っています。物語を書きながら横でAIと相談できるのでめちゃくちゃ便利です)
※AntiGravity=物語制作に特化したAIツール。文章を書きながら、横でAI(Geminiなど)に相談できる。
僕:「アンドロイドが女の子を守る話にしたいんだけど」
AI:「いいですね! では、なぜその子は狙われているんですか? 実は彼女自身が兵器のカギだとか?」
僕:「それだ!!」
こんなふうに、AIとチャットでデュフフと気持ち悪く笑って盛り上がったりしながら、物語の「設計図(プロット)」を作ります。
4. 物語があると、AIが「演出家」に変わる

ここからが本気でヤバい。
出来上がったプロットをAIに投げるだけで、アルバム全曲の歌詞と楽曲スタイルの「叩き台」が一気に出力されるんです!!!
「このプロットから、8曲程度のアルバムを作って」とお願いするだけ。
第1話の「出会い」は、冷たくて不穏なインダストリアル・ポップ。
第6話の「覚醒」は、ガラスを突き破るようなシンフォニック・ロック。
ラストの「別れ」は、涙腺崩壊のバラード。
「次はどんな曲を作ろう?」なんて悩む必要はありません。物語がすでに、必要な曲を決めているから。
この「文脈」というレールが敷かれた瞬間、
AI生成は「運ゲー」から「演出」に変わります。
5. なぜ「物語先行」が最強なのか

実際にやってみて確信しました。この「物語を作ってから、曲とMVを作る」というフロー、メリットしかありません。あえて言語化するなら、この5つ。
世界観がバチッと決まる(ユニバース化) 歌詞、曲調、映像(MV)、Webサイトのデザインが「ひとつの物語」という軸で繋がる。単発作品にはない説得力と没入感が生まれます。
「迷い」が消滅する(超時短) 「次どうしよう?」と悩む時間がゼロになる。プロットが決まっていれば、必要なアウトプット(「ここは悲しい曲」「ここは激しい戦闘シーン」)は自動的に決まるから。
AIへの指示が鋭くなる(クオリティ向上) たとえば動画生成なら「かっこいい絵」ではなく「このシーンに必要な絵」を狙って生成するため、プロンプトの具体性が増す。結果、アウトプットの質が劇的に上がります。
資産価値が爆上がりする(IP化) 完成したものは単なる「動画データ」じゃない。将来的に小説、漫画、アニメへと展開可能な「原作」という資産になります。(半分妄想ですが笑)
飽きない(モチベーション維持) これ一番大事。「ガチャ」ではなく「自分の脳内世界の具現化」になるため、作っていて楽しさが半端ない。
ぶっちゃけ、この趣味全然儲からないというか、AIへの課金額だけがヤバいことになってるんですけど(妻に知られたら、確実に説教される)、それでも続けられるのは、自分の「好き」が刺激されて、愛着が湧くからなんです。
6. AIに深掘りされた、自分の「癖(へき)」

こうしてアルバムを作りながら、恥ずかしながら気づいてしまったことがあります。 元々「バディものが好き」で始めたことでしたが、AIと歌詞を練り上げるうちに、「なぜ俺はこんなにバディものが好きなのか」の正体を突きつけられました。
冷徹な機械が、か弱き生命との交流を通して、バグのように「愛」を学習していく。 そして最後は、自己犠牲を払ってでも未来を託して散る……。
そう、ただ一緒に戦うだけじゃダメなんです。 「相互作用によって心が生まれ変わっていく尊さ」と、「それゆえに訪れる『別れの美学』」。
AIと相談しながら作っていたはずなのに、気づけば自分の心の奥底にある「フェチ(癖)の核」まで掘り起こされていました。
自分のフェチを詰め込んだ「脳内アニメ」。
その主題歌や劇中歌を、自分の手で具現化できる。これ以上の贅沢、他にあります?
7. 「音楽」から「映像」、そして「世界」へ
物語と音楽ができたら、もう止まりません。
今はこの楽曲を使って、動画生成AIでMV制作にも着手しています。
歌詞のシーンに合わせて映像を生成し、つなぎ合わせる。曲という「時間軸」があるから、映像制作も迷わない。
さらに、この世界観を可視化するために、Webサイトもリニューアルしました。
これね、我ながらめちゃくちゃかっこよくなったというか。
映像と文字で世界観を伝えて、その後に曲を聴くと、また違う体験ができるんです。



作っていて思いました。 「これ発展していったら、サウンドノベル的なものが一人で作れる未来、もうすぐ来るんじゃね?」って。
Nano Bananaとか使って漫画にするとか、AIでアニメを作れる未来が、すぐそこまで迫ってきてるな、と感じています。(というか、もう来ているかも)
ここには、楽曲だけでなく、AIと練り上げたストーリーラインや、キャラクターの設定画も載せています。 音楽を聴きながらここを読めば、あなたの頭の中でも『Obsidian』というアニメが上映されるはずです!
一番「世界観の熱」が伝わる場所なので、
ちょっとのぞいて貰えたら泣いて喜びます!
おわりに
今回完成したアルバム『Obsidian Anthem』は、僕にとって単なる音楽作品ではありません。
これは、将来作るかもしれない長編アニメや小説の「種(シード)」です。
もし「AIでアニメが作れる」ことがもっと身近になったら、きっと僕は、この絵と物語を自分の手で動かしてみたいと思うはずです。その時のために、今から「種」を撒いておく。
もし「AI生成、最近マンネリだな」と思っている人がいたら、騙されたと思って試してみてください。
「いい曲」を作ろうとするのはやめて、「あなたの脳内にある物語のサントラ」を作ってみるんです。
プロットさえあれば、AIは最高の「裏方」として動いてくれます。 そこには、ガチャでは得られない、「自分の作品だ!」と胸を張って言える熱い達成感が待っています。
それでは、沼の奥でお待ちしています。
あなたの物語、ぜひ聴かせてください。
今日はここまで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

追伸:実際にこれまで作ってきたMVも、同じ「物語先行」で制作しています。
もしよければ、こちらから聴いてみてください。
